ロシアへの厳しい経済制裁 SWIFT送金遮断と中央銀行資産凍結食品また値上がる？

ロシアのウクライナへの侵攻が、一昨日、現実のこととなってしまい、21世紀の現在でも大国が戦争を起こしているという事実に、ショックを受けている人も多いと思います。欧米によりロシアに対する様々な経済制裁が発表されていましたが、今日、アメリカ、欧州委員会 (EC)、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、カナダにより、ロシアの一部銀行のSWIFTからの除外と、ロシア中央銀行の資産凍結、ロシア政府に近い新興財閥の資産凍結など、さらに厳しい経済制裁が発表されました。ロシアによるウクライナへの侵攻は、これから先、私たちの生活にも影響を及ぼすことになるかもしれません。アメリカの食品価格は再び上昇する可能性があります。

ここしばらくロシアが、ウクライナ国境付近に兵力を増強し、侵攻を計画していることが、アメリカ政府などにより発表されていました。まさか本当に攻めはしないのでは？と思う気持ちもありましたが、とうとう一昨日、2022年2月24日に現実になってしまいました。国連安保の常任理事国で、核兵器保有国、資源豊富な大国のロシアが、正当な理由もなく、戦争をはじめたという現実に、びっくりすると共に、ウクライナを応援する気持ちでいっぱいの人が多いと思います。

昨日、ニューヨークのエンパイアステートビルでは、ウクライナ国旗のライトアップがされました。パリのエッフェル塔など世界の様々な場所が、ウクライナ色に輝きました。

Tonight, the Empire State Building will shine its tower lights in the colors of the Ukrainian flag. pic.twitter.com/OPU1HjvNra

— Empire State Building (@EmpireStateBldg) February 25, 2022

パンデミックによる何らかの影響もあるかもしれませんが、国民の支持もなく、誰も諫めることができないロシアの独裁体制の恐ろしさを感じました。

ロシアのウクライナへの侵攻を受け、当日、様々な経済制裁が発表されていましたが、いくつかのインパクトの大きい経済制裁は当初除外されていました。
ドイツやイタリアなどは、エネルギーをロシアからの天然ガスに依存しており、実行した場合、自分たちにも大きな影響が及ぶことから、当初ロシアの金融機関のSWIFTからの除外には反対していました。SWIFT は、The Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication の略で、世界各国の銀行の送金の中枢を担っています。海外送金を行う際、SWIFT なしでは、迅速安全な送金ができないので、ロシアの銀行をこの SWIFT から排除し、ロシアが海外送金をできなくし、資金の流れを断つのが狙いです。
最終的には、ロシアのすべての銀行ではなく、特定の金融機関にターゲットを絞ることでドイツやイタリアなど反対していた国々も合意した模様です。

そして、今日、改めて、アメリカ、欧州委員会(EC)、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、カナダの強調により、以下の強力な経済制裁が、追加で発表されました。
・　ロシアの一部銀行のSWIFTからの除外。
・　ロシア中央銀行の資産の凍結。ルーブルの買い支えができなくなります。
・　ロシア政府と近いロシア新興財閥の資産凍結。

こちらが、ホワイトハウスの発表です。

As a result of Putin’s ongoing assault on Ukraine, @POTUS and the leaders of the European Commission, France, Germany, Italy, the UK, and Canada decided to take specific measures to further isolate Russia from the international financial system.
https://t.co/eZnPteQWD1

— The White House (@WhiteHouse) February 26, 2022

欧州委員会の Ursula von der Leyen の会見で、経済制裁の詳細は、こちらです。今日発表された追加制裁の詳細は、こちら。

In coordination with 🇺🇸🇫🇷🇩🇪🇮🇹🇨🇦🇬🇧 I will now propose new measures to EU leaders to strengthen our response to Russia’s invasion of Ukraine and cripple Putin’s ability to finance his war machine. https://t.co/iU2waDzo9s

— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) February 26, 2022

パンデミックにより、私たちはすでに、あらゆる食品や生活用品の価格の上昇を目の当たりにしています。サプライチェーンなど供給サイドの問題に端を発したインフレが、世界的に起こっていますが、さらに今回のロシアのウクライナへの侵攻とそれに伴う経済制裁で、戦争が長引けば、アメリカで、そして、世界各国でも物価の上昇が起こるかもしれません。

ウクライナは世界で4番目に大きな小麦とトウモロコシの輸出国です。今年の収穫ができなければ、小麦、トウモロコシ、オーツ麦、大麦、ライ麦などが供給不足で値上がる可能性があります。
それはつまり、パンやビール、シリアルなどの加工食品も値上がることになります。また、家畜の餌ともなるので、餌も値上がり、その影響で、食肉の値段もこれからさらに上がりそうです。

ロシアは、天然ガスと肥料の輸出大国なので、世界の天然ガスと肥料の価格が高騰し、農作物の価格にも影響を与える可能性があります。

現在すでに値上がりを見せている、小麦粉や食用オイルなどをはじめ、ガソリンなど色々なものがさらに物価上昇し、レストランなどをはじめ、私たちの日常生活でも、じわじわと影響が及んでくることになりそうです。