2016年夏、いよいよブラジル リオのオリンピックが開幕しました!
以前、ブラジルを旅した時に、リオデジャネイロを訪れたことがありますが、特にリオデジャネイロはブラジルの中でもとても楽しいみどころがいっぱいの魅力的な街です。今日はそんなブラジルのリオデジャネイロで見逃せないおすすめの観光スポットを紹介するとともに、ブラジルのリオはそんなに治安が悪いの?ということについても、私が訪れたときの感覚でちょっと触れてみたいと思います。
ブラジル リオデジャネイロとは?
ブラジルのリオデジャネイロ(リオ)は、世界3大美港にも挙げられる風光明媚な街で、2012年に世界遺産にも登録されました。1502年1月1日にポルトガル人探検家ガスパル・ジ・レーモスによりブラジルを発見されたことからポルトガル語で「1月の川」を意味する、リオデジャネイロ (Rio de Janeiro) と名付けられました。きっとポルトガル人好みの地形だったのでしょう、1565年にはそこ(現在のリオデジャネイロ)に町が築かれ、現在にまで続く歴史ある都市となりました。現在のブラジルの首都はブラジリアですが、ブラジルの歴史の中ではこのリオデジャネイロが首都だった時代や、ナポレオンに追われたポルトガル王家が移り住んだことによりポルトガルの首都だった時代もあります。リオデジャネイロは、現在ではサンパウロに続く、ブラジルで2番目に大きな都市となっています。2月には世界的にも有名なリオのカーニバルが行われることでも有名です。
2009年、ブラジルの経済成長が著しい時代にオリンピックの開催国に選出されたリオデジャネイロですが、ここ最近のブラジルの政治や経済的な問題からオリンピックの準備の進捗が心配されていましたが、先日8月5日には無事にブラジルのリオデジャネイロ・オリンピックの開会式が盛大に行われ、無事オリンピックは終了しました。
治安面や、ジカ熱など健康面での問題も心配されていますが、オリンピックをきっかけに好転していって欲しいと思います。
4年に一度の特別なイベントのオリンピックということでリオデジャネイロを訪れている人もいるかと思いますので、実際にリオデジャネイロを旅して周った中からおすすめのスポットを紹介したいと思います。
巨大なキリスト像 コルコバードの丘
ブラジル、リオデジャネイロの名所と言ったら、あの両手を広げた超巨大なキリストの像が立つ丘、コルコバード(Corcovado) です。ホテルからタクシーに乗って、Corcovado の駅まで行き、そこから丘を登る電車に乗ります。コルコバードへは、電車に乗らずに歩いて行く方法もあるようですが、その道は治安が悪いようで、タクシーのおじさんに、必ず電車に乗るよう念を押されました。
電車に乗って向かいますが、まずはチケット売り場へ。指定時刻の書かれたチケットをもらいますが、約1時間後です。15分ごとに電車は出発します。1本前の電車が呼ばれたところで並ぶと好きな席を取れます。
電車は進行方向左側の席は後ろ向きになりますが、途中いい景色が見える席です。
降りる人は滅多にいませんが、途中に駅もあります。
山の中を登っていく電車なので、途中、街や海が見渡せる瞬間があります。
でも、電車の中から一生懸命見なくても大丈夫です。到着後一面の景色は見渡せます。
電車が到着後は、エレベーター&エスカレーターがあります。
または階段126段を上るという選択肢もあり、せっかくなので上ってみました。
そしていよいよ巨大なキリスト像が目前に現れ、感動の時を迎えます。キリストの像ももちろんすごいですが、下に広がるリオの絶景もすばらしいです。
このコルコバードの巨大なキリスト像は、2007年に新世界の七不思議にも選出されました。リオデジャネイロのシンボルでもあるキリスト像があるコルコバードの丘は、大人気観光スポットで常に人が多いですが、とっても美しい絶景を満喫できる場所です。
街から見える夜光り輝くキリスト像も美しいです。
ヘリコプターツアーに参加する人も多いようで、たくさん飛んでいます。ただし、ヘリコプターは本当に短い時間ぐるっとするだけなので、楽しい時間はあっという間かもしれません。
砂糖パンの丘 ポン・ジ・アスーカル
Pão de Açúcar(ポン・ジ・アスーカル)は、”砂糖パン”という意味です。コパカバーナやイパネマ海岸からは、Pão de Açúcar(ポン・ジ・アスーカル)行きのバス 511番 に乗って訪れます。最初のロープウェイでは、Morro da Urca(ウルカの丘)へ到着。
まさかのロッククライミング中。
そこでぐるっと景色を楽しんだ後、Pão de Açúcar の頂上への第二のロープウェイに乗ります。
この第二のロープウェイ、Pão de Açúcar(ポン・ジ・アスーカル)行きは、なかなか迫力満点で、激突するんじゃないかというくらい崖に急接近します。
頂上からの景色はすばらしく、目の前を速い風に流されて動いていく雲や、霧がかかったキリスト像などが見られ、とても幻想的な光景となりました。ここからの景色は、訪れるタイミングによって、本当に色々な素敵な光景が見られる場所だと思います。
リオにはおすすめビーチがいっぱい
イパネマ海岸 (Praia de Ipanema) や、コパカバーナビーチ (Copacabana) など、ブラジルのリオには世界的にも有名な風光明媚なビーチがたくさんあります。週末などは、地元の人たちもたくさんビーチに遊びに来ていて、サッカーをしたり、バレーボールをしたりと思い思いに楽しんでいる姿もみられます。
Pao de Acucar が目の前にそびえたつビーチ、フラメンゴビーチ(Flamengo Beach) も、美しい景色が見られます。
メトロポリターナ 個性的な大聖堂
ペトロブラスのオフィスビルなど高層ビルの建ち並ぶダウンタウンのエリアには、美しいカトリックの大聖堂、カテドラル・メトロポリターナ (Catedral de São Sebastião do Rio de Janeiro) があります。リオデジャネイロの守護聖人、サン セバスチャンに捧げられた教会でサン セバスチャン大聖堂とも呼ばれています。1976年に建造された、モダン建築の素敵な教会で、ステンドグラスの美しさには特に感動します。
ニテロイ現代美術館
正確にはリオデジャネイロではありませんが、リオからフェリーで訪れることができる対岸のニテロイという町には、水辺に建つ宇宙船風な一風変わった美術館、ニテロイ現代美術館 (Niterói Contemporary Art Museum) があります。
ゆったりとフェリーの景色を楽しみ、ニテロイに到着後は、ニテロイ美術館行きのバスに乗って訪れます。
建築家のオスカー・ニーマイヤー (Oscar Niemeyer) の有名なモダン建築で、形は宇宙船っぽく見えますが、ニーマイヤー自身は花をイメージしたそうです。
展示作品の数は多くはないのですが、ひとつひとつの作品が個性的で、例えば、実物の展示はなく写真展示でしたが、椅子の作品で生肉を巻いた椅子というものまでありました。
1階の自由スペースは、周りの景色が見渡せ、ゆっくりとくつろげます。
ちなみにオスカー・ニーマイヤーさんはモダニズム建築の代表的な建築家で2012年に104歳で亡くなられましたが、こんな人です。
ニテロイの町には小さなダウンタウンがあり、通り道にはヤシの実がなっていて、小さな教会などもあり、ほのぼのとしたところです。
かわいいトラムに乗ってリオの下街めぐり
ブラジル、リオを訪れる観光客の間で人気となっている、リオの下町をトラムに乗って観光できるという、サンタテレサ (Santa Teresa) のトラムに乗ってみました。このトラム本当は観光用ではなく、地元民の交通網のトラムなのですが、駅へ到着してみると、観光客の大行列。。。なんと、40分待ちでした。そんな人気のトラムに乗ってみましたが、グラフィティアートがたくさん描かれていたりと、町中を走り抜けるトラムはなかなか楽しいものでした。
サンタテレサの小さな町では、ローカルの人々の日常の様子も垣間見ることができます。トラムで終点に到着したところ、ほとんどの乗客が観光客だったようで、みんなそのまままた引き返します。ちなみに帰りはまた運賃を払います。
旧市街(セントロ)の街歩き
旧市街(セントロ)、リオのダウンタウンエリアは古くから街の中心だった場所で、古くに建てられた教会、修道院、図書館など歴史ある建物が多く残っていて、ポルトガルやカトリックらしい雰囲気を感じることができます。
リオ最古のカトリック教会、カンデラリア教会(Igreja Nossa Senhora da Candelaria)です。1993年に警官グループによるストリートチルドレン虐殺があった場所です。ストリートチルドレンによる治安の悪化を懸念した市民が多く、リオには、「死の部隊」と呼ばれるグループがあったなどという暗い現実を知ることとなりました。この子達の救護活動をしていた一人の女性が国際的に声をあげたことによりようやく事件の有罪が決定付けられました。発砲した警官グループの一人は有罪、禁固309年判決でした。
サン・ベント修道院は、ブラジルコロニアル様式でとてもポルトガルらしい建築となっています。聖堂内はとても厳かな雰囲気になっています。
歴史、建築好きであれば街を歩いているだけで楽しめ、ふらっと気になる建物を訪れてみるのがおすすめです。
ブラジル リオデジャネイロの治安 やっぱり危険なの?
ブラジル リオデジャネイロの治安は、多くの人にとって、危険な街のイメージがある街ですが、実際はどうなのでしょう?
実は、ブラジルの旅行へ旅立つ前に、ブラジルのリオデジャネイロはかなり危険な街だから、とニューヨークに住むブラジル人からも念を押されたほどでした。そして、実際にリオへ訪れてみたところ、リオの危険さを到着後わずか3時間で知ることとなりました。
リオに到着し、ホテルから出てきてバス停へ向かう途中、コパカバーナの大型ホテルも並ぶような普通の大通りなのですが、なんと、目の前で事件が起こったのです。
犯人は小学校高学年くらいの子供です。被害者は旅行者のおじいさん。
男の子がものすごい速さで、おじいさんにアタックして、手に持っていた貴重品を奪い、車道へと飛び出し一目散に逃げていったのです。本当に一瞬の出来事でした。
男の子がものすごい速さで車がビュンビュン走る道路を走り抜けていったと思ったら、その瞬間、おじいさんの持っていた、旅行資料などが、バーッと道に降ってきたのです。
真昼間なので普通に人通りは多く、それを見ていたブラジル人のおばさんが追いかけようとしましたが、ビュンビュン走る車通りの多い車道の中へと逃げていったので誰にも追いかけることができませんでした。
おじいさんは、思いっきり突き飛ばされてしまったので、ぶつけてしまった腕を痛そうに擦りながらようやく起き上がりましたが、何が起こったのかわからないような途方にくれた様子でした。本当に一瞬のできごとだったので無理もありません。
まだブラジル到着1日目、というか、ブラジル到着3時間で、目の前でそのような事件を目撃してしまったこともあり、”危険なブラジル” の意味を実感し、旅中は本当に気をつけながら行動しました。
これはブラジルが BRICS ともてはやされていた頃の話ですから、現在の経済状態を考えると、オリンピックの厳戒態勢の中でも、犯罪の数は多くなっているのではないかと思います。
貴重品をしっかり管理する、一目のない場所はうろつかない、遅い時間はタクシーを利用するなど気をつけながらも、素晴らしい街なので、楽しんで欲しいと思います。
リオデジャネイロは、本当に自然に恵まれ、歴史もある魅力的な街なだけあり、たくさんの美しい映像作品がつくられています。