夏のアメリカ旅行のおすすめコース、ロッキー山脈の美しい景色を楽しむロードトリップへ行ってきました!ニューヨークから飛行機で4時間程飛んだところにあるデンバーの街を満喫した後は、4000メートル前後もある標高の山や、大自然いっぱいの広大なアメリカ国立公園を巡り、最後はソルトレイクシティの街を楽しんでニューヨークへ戻ってきました。標高の高い山々は高原の涼しい気候だったため、戻ってきて、あまりの気温の高さにびっくりしています。
ロッキー山脈周辺は、アメリカの広大な美しい大自然を楽しめる最高のドライブコースです。国立公園だけでなく、途中途中、街遊びもできるのですが、今やブルックリンもびっくりなおしゃれでクールなスポットがたくさんあり本当に楽しかったです。今日はその旅のハイライトをちょっと紹介したいと思います。ロッキー山脈のドライブ旅行を計画するモデルコースのひとつとして参考にしてください。
今回のアメリカ旅行は、コロラド州のデンバーからスタートし、ネブラスカ州、サウスダコタ州、ノースダコタ州、モンタナ州、ワイオミング州、アイダホ州、そしてユタ州のソルトレイクシティがゴールという2週間程の長距離ドライブ旅行でした。アメリカからカナダまで連なるロッキー山脈の中央部分を周りました。ネブラスカ州、サウスダコタ州、ノースダコタ州、アイダホ州は、初めての訪問となります。拠点の街から色々と見どころを巡ったのでトータルで2000マイル以上走った長距離ロードトリップの旅でした。
アメリカのカントリーサイドの旅行で心配なのが食事ですが、今回、思った以上に充実していました。最近ではクラフトビールを醸造するブリュワリーも増え、合わせて食事も楽しめるクールなグルメスポットも登場してきていて楽しめるようになっています。
デンバー
今回の旅の出発地は、コロラド州の州都のデンバー。アメリカ山岳エリアで最大の都市です。デンバーというと、アウトドアやウィンタースポーツの印象がありますが、最近では、フードホールやブリュワリーも増え、グルメ、そしてミュージアムなど様々な楽しみ方ができるクールな大都市となっています。
ロッキーマウンテンズ国立公園
デンバーから車で北西に1時間程の場所に、ロッキー山脈国立公園 (Rocky Mountains National Park) があります。拠点となるのは、東側のエステスパーク (Estes Park)、または西側のグランドレイク (Grand Lake) で、どちらにも歴史のある素敵なリゾートホテルがあります。デンバーにも近い東側の方に、より多くの見どころやトレイルがあります。大西洋と太平洋と水の流れの分岐点となる大陸分水嶺を挟み、公園の東側と西側で景観が少し異なる印象を受けます。そんな公園の東側と西側を結ぶ Trail Ridge Road という人気のドライブコースがあり、その途中に、NPSのビジターセンターの中で最も高い場所にある Alpine Visitor Center があります。そこに頂上へ上るトレイルがあるのですが、なんと標高3500m程という、かなりの高地となるので、高山病にならないよう気を付けていましたが、坂道を登るときはさすがに心臓がバクバクいっていました。
マウントエバンス Mount Evans
デンバーから車で西に1時間半程の場所に、標高4350m (14,271ft) という、あの富士山よりも標高の高い山、マウントエバンス (Mount Evans) があります。マウントエバンスには、絶景の楽しめるマウントエバンスシーニックバイウェイ (Mount Evans Scenic Byway) があり、車で気軽に、4000m級の山の頂上を目指すことができます。この道路は全米で最も高い場所にある舗装道路となっていて、物凄い高い標高にあるため、アクセスできる時期が、メモリアルデーからレイバーデー頃までの夏季限定となっています。
山の下から上までかなりの標高差を車で一気に上って行くのですが、その途中、森林限界や、ツンドラ、湖、そしてマウンテンゴートやビッグホーンシープなどの野生動物も見ることができ、とても楽しめます。ただし、マウントエバンスは、4000m以上と、かなりの標高のため、一気に上がって、一気に下がってくると、さすがに少し高山病っぽい症状になったりします。
デンバー周辺の4000m級の標高の高い場所といえば、デンバーの南にあるコロラドスプリングスからすぐの場所に、標高 4302m のパイクスピーク (Pikes Peak) という人気の高山スポットがあります。以前訪れた時は、頂上まで電車 (Pikes Peak Cog Railway) で訪れることができ、車窓の景色を楽しむことができたのですが、実は今年から電車は運休となっていて、代わりに車で頂上に向かうことができるようになっています。そこもおすすめです。
ネブラスカ州西部
次に訪れたのが、ネブラスカ州です。コロラド州のデンバーからサウスダコタ州のラピッドシティに向かう途中、アメリカ中西部に広がる大平原 (Great Plains) の西端に位置するネブラスカ州の西部を通って行きました。ドライブ中、険しい高山の続くロッキー山脈とはまた違った、ネブラスカの大草原地帯が広がる景色を楽しむことができました。途中、いくつかの見どころにも立ち寄ってみました。
Scotts Bluff National Monument
アメリカのナショナルモニュメントのひとつ、19世紀にアメリカ西部へ向かう開拓者たちの通り道だった場所が、Scotts Bluff National Monument となっています。車で小高い山の頂まで上ることができ、素晴らしい景色が眺められます。ビジターセンターでは、開拓者たちの歴史が紹介されています。車で簡単にロードトリップができる時代になりましたが、開拓者たちの時代は、今よりも整備されていない道を、馬車や牛車で走っていたんですね。こんなにも長い距離を牛や馬で走っていたそうで、そんな苦労が偲ばれます。
チムニーロック国立史跡
プレーリーのただただ一面に広がる大平原のエリアを越えると、ダイナミックな地形へと変化してくるのですが、そのあたりになってくると、煙突状の面白い形をしたチムニーロックが出てきます。雷や竜巻などがやって来れば、今にも壊れそうな岩ですが、長い年月その形状を保っているという驚きの岩です。かつてアメリカ西部を目指した開拓者の心を捉えたチムニーロックは、アメリカの国立史跡となっていて、ビジターセンターでは、そんな歴史を学べます。
カーヘンジ
ネブラスカ州のインスタ映えスポットは、カーヘンジです。広大な土地に突然現れるパブリックアートで、なんとイギリスのストーンヘンジを模したという面白いものとなっています。ストーンヘンジの岩の変わりに車の車体が使われ、車が地面に刺さっていたり、埋まっていたり、色々な形で配置され、岩色のものからカラフルなパステルカラーのものまであり、面白い光景となっています。
サウスダコタ州ラピッドシティ周辺
色々な見どころが点在するサウスダコタ州西部の中心都市がラピッドシティです。マウントラシュモアのお膝元ということで、街中には歴代アメリカ大統領の像が飾られている面白い街です。ラピッドシティで、とてもかわいいおしゃれなカフェに出会いました。
マウントラシュモア
巨大な顔の彫刻の岩山の公園、マウントラシュモアへも訪れました。
19世紀後半から20世紀前半にかけてアメリカで建造された有名な巨大建築の一つで、岩山をキャンバスに、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファソン、セオドア・ルーズベルト、アブラハム・リンカーンの著名な4人のアメリカ大統領の顔が刻まれています。
顔の岩山を見るだけなのかと思っていたのですが、夜にはライトアップと上映もあり、なかなか楽しめたマウントラシュモアでした。
バッドランズ国立公園
次に訪れたアメリカ国立公園は、ラピッドシティから東に1時間程の場所にある、バッドランズ国立公園 (Badlands National Parkl) です。草原と侵食によって出来た崖という独特の景観が広がる国立公園です。可愛いプレイーリードッグや、バイソンなどの野生動物が見られます。
デビルズタワーナショナルモニュメント
まるで巨大な木の切り株のようなタワーの岩がどーんと立つ、デビルズタワー (Devil’s Tower National Monument) は、ラピッドシティから北西に車で1時間半程の場所にあります。朝一番にデビルズタワーを訪れてみると、なんだか神聖な空気に包まれ、自然の迫力が感じられるパワースポットのような場所でした。先住民にとって神聖な場所であるデビルズタワーは、周りを一周トレイルすることができます。また、デビルズタワーの頂上を目指してロッククライミングをする人もおり、ロッククライマーにとっては憧れのスポットになっているそうです。
ノースダコタ州・モンタナ州・ワイオミング州・アイダホ州
セオドアルーズベルト国立公園
ノースダコタ州には、ニューヨークと関わりの深いセオドアルーズベルトの名前が冠された国立公園があります。セオドア・ルーズベルトはニューヨーク出身で、マンハッタンには セオドア・ルーズベルトの生家 があったり、アメリカ自然史博物館の正面に像があったりとニューヨークと関係の深い人物ですが、アメリカ第26代大統領であるセオドア・ルーズベルトが一時期暮らしていた場所が、セオドア・ルーズベルト国立公園周辺で、園内には、ルーズベルトが暮らしたキャビン (Maltese Cross Cabin) も残されています。公園は、主に南部と北部の少し離れた2カ所から構成され、バッドランズ国立公園と似た雰囲気の草原と侵食により削られた崖が広がっており、バイソン、プレーリードッグ、鹿 (Mule Deer) などの野生動物が多く見られます。
イエローストーン国立公園
アメリカ最古の国立公園が、ワイオミング州を中心にモンタナ州、アイダホ州にかけての広大なエリアに広がるイエローストーン国立公園です。イエローストーン国立公園は、地殻活動の激しいエリアで、水蒸気や温水を噴き上げる間欠泉、熱湯の湧きあがる美しい色の泉など大地の力を感じることができる公園です。イエローストーン国立公園は驚くほど巨大な公園なのですが、実はデラウェア州やロードアイランド州などよりも広い敷地となっていて、園内には、渓谷、湖、川、平原、温泉など一つの公園で色々な景観が楽しめる、非常に面白い国立公園です。野生動物もたくさんおり、バイソン、狼、キツネなど色々な野生動物を観察することができます。
グランドティトン国立公園
イエローストーン国立公園の南にあるのが、氷河の残る切り立った岩山の光景が美しいグランドティトン国立公園です。イエローストーンと近いにも関わらず、景色や雰囲気が全然違い、美しい山々の絶景が楽しめます。綺麗な湖が点在していて、そんな湖と山の景色が美しい優雅な公園で、周囲には素敵なホテルも多くおすすめです。
アイダホポテトミュージアム
ワイオミング州にあるグランドティトン国立公園から最後の目的地であるソルトレイクシティーへ向かう途中、アイダホ州を通りました。アイダホと言えば思い浮かぶのがポテトです!ロードトリップの途中、アイダホポテトミュージアムにも立ち寄ってみました。小さなミュージアムなのですが、アイダホポテトのメニューが食べられるカフェもあり、ご当地ポテトの味を楽しめます。びっくりするくらい大きいポテトで、ほくほく美味しく、楽しい立ち寄りスポットとなりました。
足を伸ばすなら、モンタナ州の北西部にあるグレイシャー国立公園 (Glacier National Park) という素晴らしい公園もあります。アメリカの国立公園としてあまり知られていない場所のようですが、私のお気に入りのアメリカ国立公園のひとつです。
ソルトレイクシティ
ロッキー山脈の西側の都市、ソルトレイクシティは、何もない大平原に築かれた街です。現在では、高層ビルが立ち並ぶ綺麗な街で、長いロードトリップを終えて、久しぶりに大きな都市に帰って来た感じで楽しめました。街の中心のテンプルスクエアには、西部を開拓しソルトレイクシティを築いたモルモン教の巨大な教会が印象的となっていて、街にはクールなレストランやミュージアムなどの見どころも色々あり楽しめます。
ソルトレイクシティーは、冬は、スキーリゾートとしても人気の都市で、街の西側のパークシティ周辺には、人気スキーリゾートも点在しています。街の西側には塩湖、グレイト・ソルトレイク (Great Salt Lake) があり、この湖は、死海のようにかなり塩分濃度の高い湖です。
ロードトリップでアメリカの大自然をすっかり堪能できた旅となりました。それぞれの見どころの詳しい情報については、あらためて紹介したいと思います。
ソルトレイクシティからさらに南へ向かうと有名なグランドサークルがあり、こちらも自然が長い年月をかけて造り出した美しいアメリカらしい絶景が楽しめます。