サグラダファミリア (Sagrada Família) は、スペイン、バルセロナのシンボルになっている、アントニオ・ガウディ建築の代表作で、一目見たら忘れることができない圧倒される美しい彫刻のバシリカです。サグラダファミリアの建設がはじまったのは、なんと19世紀後半、建設中にもかかわらず、世界遺産に登録され、ガウディ没後100周年となる2026年完成を目指し、現在も急ピッチで工事が進められています。サグラダファミリアの聖堂と、クリプト、生誕のファサード (Nativity facade) と、受難のファサード (Passion facade) の塔やミュージアムなどを見学することができる、スペインで最も訪問者の多い大人気観光スポットとなっています。サグラダファミリアの見どころと楽しみ方、チケット購入など訪問前に準備しておきたいポイントなどを紹介します。
サグラダファミリアとは
スペイン、バルセロナの象徴となっている、サグラダファミリア (Sagrada Família) は、日本語で「聖家族教会」と呼ばれることのあるカトリック教会で、曲線使いが印象的なアールヌーヴォー、カタルーニャ建築の代表的建築家、アントニオ・ガウディの代表作です。サグラダファミリアが着工したのは1882年、ガウディは、1883年から生涯を閉じた1926年までの43年間もの間、携わった大プロジェクトで、途中、休止の時期もありましたが、ガウディの遺志をついて、現在も建設が続けられています。ガウディがデザインした、グエル公園やカサミラなどのガウディ建築群は、1984年に世界遺産に指定されましたが、2005年には、その範囲が拡大され、サグラダファミリア、特に、ガウディのデザインが色濃く反映されている、生誕のファサードとガウディのお墓がある地下のクリプト部分が世界遺産となっています。
サグラダファミリアは、荘厳な外観が印象的ですが、聖堂内のステンドグラスもとても美しいです。
受難のファサード側のステンドグラスは、赤とオレンジを基調としており、西側にあるので、午後に特に赤く輝き美しくなります。
生誕のファサード側のステンドグラスは、青と緑を基調としていて、東側にあるので、午前中により美しく輝きます。サグラダファミリアの聖堂は、訪問時間によって、少し違った雰囲気が楽しめるのが面白いです。
サグラダファミリアは、15分毎の時間指定のチケットを販売することによって、入場者数をコントロールしていますが、内部は、驚く程、混み合っています。スペイン一の大人気観光スポットなので、当日や数日前には、売切れとなっていることも多いため、早目に訪問予定日時を決定し、チケットを購入しておくのがおすすめです。サグラダファミリアは、神聖な教会なので、肩を出さないなど肌の露出に気を付けた服装の注意も必要です。

サグラダファミリアの大聖堂の他、生誕の塔 (Nativty)、受難の塔 (Passion) の二つのファサードの塔があり、上に登ることもできます。サグラダファミリアの塔のチケットは限定数で、売り切れるのも早いので、少なくても一週間前までにはチケット購入するのがおすすめです。塔は二つあり、チケット購入時にどちらの塔に登るか選ばなければいけません。どちらの塔にするか悩むところなのですが、どちらかと言うと、最近完成したばかりの受難のファサード (Passion) より、ガウディがデザインした、生誕のファサード (Nativty) の方が人気があります。どちらも十分独特の雰囲気が楽しめると思います。塔への入場時間を指定すると、次は、サグラダファミリアの聖堂への入場時間をを決めます。30分前か、45分前の2択です。聖堂や博物館などの見学は、塔へ上る前後にできます。退出の時間の指定はないので、好きなだけゆっくりと過ごすことができます。サグラダファミリアの見学所要時間は、塔を上る場合は、全体で、3時間前後みておくといいと思います。塔に登って降りてくるまでの塔の所要時間は大体45分くらいなので、それ以外の人は2時間もあれば十分だと思います。
サグラダファミリア チケット 入場料と営業時間
チケットは、以下の選択肢があり、サグラダファミリアの公式サイトから購入できます。チケット(9人以内)の購入は、こちら です。
サグラダファミリア チケット料金・入場料
・サグラダファミリア + 塔 (オーディオツアー付き) 32 €
・サグラダファミリア + ガウディの家ミュージアム(グエル公園近く) 27 €
・サグラダファミリア ガイドツアー 26 €
・サグラダファミリア + オーディオツアー 25 €
・サグラダファミリア 17 €
サグラダファミリア 営業時間
11月 – 2月: 9 am to 6 pm
3月 & 10月: 9 am to 7 pm
4月 – 9月: 9 am to 8 pm
12/25, 1/1, 1/6: 9 am to 2 pm
サグラダファミリアのオープン時間は時期によって変わります。日が沈んでくると、聖堂内が暗くなってくるので、チケットを予約する時は、閉館時間の少なくても2-3時間前までが望ましいかな、と思います。
この他、土曜日の午後8時から、日曜日の午前9時から1時間、ミサ (Mass) が、行われています。詳細は、こちら。地下のクリプトは、ミサの時間など時間限定でのオープンとなっています。
サグラダファミリアへの行き方
Sagrada Familia
Carrer de Mallorca, 401, 08013 Barcelona, Spain(地図)
サグラダファミリアは、地下鉄 L2、または、L5 で Sagrada Família 駅下車後、すぐの場所にあります。ゴシッククオーターなどバルセロナの中心から10‐20分程かかります。一般入口、グループ入口、共に、大きな池のあるガウディ公園の目の前です。

サグラダファミリア内へ
事前に購入した、サグラダファミリアのチケットの入場時間に合わせて、入口へと向かいます。簡単なセキュリティチェック後、オーディオガイド付きのチケットまたは、塔を訪れるチケットを購入した場合は、オーディオガイドの貸し出しエリアへ立ち寄り、オーディオガイドを入手後、いよいよ見学に出発です!

生誕のファサード
さっそく上を見上げてみると、繊細な彫刻がたくさん施されていて思わず見入ってしまいます。最初に目にする入口は生誕のファサードです。生誕のファサード (Nativity facade) は、主にガウディがデザインしたもので、1894年からはじまり、ガウディの死後、1930年に完成したファサードです。典型的なゴシック建築の雰囲気を残しながら、ガウディらしいモダン建築となっています。中に入る前からその凄さに圧倒されてしまいますが、教会内にもたくさんの感動ポイントがあります。
サグラダファミリア内の地図がこちらです。入場口があるのが紫のエリアです。水色のエリアの聖堂の中に入ってきたら聖堂内の見学をして、塔のチケットを持っている人は塔に登ります。次に、オレンジのエリアへと移動し、ミュージアムを見て、ギフトショップに寄ったら、出口から出ていきます。敷地自体はそんなに広くはないので、たくさん動き回るわけではないのですが、中に見どころがギュッと凝縮されて存在するので、一つ一つを丁寧に見て感動していると、あっという間に時が経ってしまう感じです。
サグラダファミリアの聖堂の中はこんなに美しく、みんな見上げてしまいます。聖堂は、ブラジルなどでも多く見られる、20世紀中頃風モダンスタイルのカトリック教会となっています。
サグラダファミリアは観光地になっていますが、本来は教会です。聖堂の真ん中には席が並んでいて、観光の人も入ってきていいのですが、このエリアは神聖なエリアとされているため、行いが悪いと色々注意されます。注意ポイントのひとつ目は、服装。ノースリーブや短パンで肌を露出していないか。二つ目は、このエリアに入ったら、立ったまま写真撮影などをしてはいけません。きちんと席に座って、落ち着いたら、天井や正面など写真を撮っていて構いません。三つめは、お行儀よく座っていること。前の椅子に足をかけたり、だらしない恰好で座っていると、スタッフが飛んできます。サグラダファミリアへやってくる旅行者たちは、完全に観光地のつもりでやってきている人が大半です。なので、本当にたくさんの人が注意を受けていました。サグラダファミリアでもそうですが、スペインでは、それぞれの場所に独自のルールが存在することが多いのですが、外から来た人たちのために注意ごととして表示はされていないので、周りの雰囲気で察しながら行動する感じです。サグラダファミリアの職員たちは、かなり厳密にその役割を遂行していました。
大聖堂の正面には、まるで天井に向かって飛んでいるかのようなイエスキリストがいます。
サグラダファミリアの大聖堂の天井の美しさは必見です。
世界各国から人々がやってくるサグラダファミリアには、様々な言語で描かれた彫刻の壁もあります。探してみると、日本語もあります。
美しすぎる青いステンドグラス。これでも十分綺麗だけど、午前中に来ると、もっと幻想的なのかもしれません。
夕日が赤いステンドグラスを照らすと、燃えるような真っ赤な幻想的な世界になります。夕方は、大聖堂の美しいステンドグラスの反射が床に映りこむ、本当に美しい最高のタイミングです。その分人気の時間帯で、人もいっぱいになります。
サグラダファミリアへ訪れる、おすすめの時間帯は、いつかと聞かれたら、やはり、この閉館時間2時間前くらいの夕方です。朝一番の時間帯は一番最初に売れ切れてしまいますが、人も少なく光も綺麗でとてもいいみたいです。

サグラダファミリアの塔
サグラダファミリアには、 生誕のファサード、受難のファサードとそれぞれに塔があり、上ることができます。教会の塔というと、階段を上っていかなければならない、と思ってしまいますが、サグラダファミリアには、エレベーターがあり、一気に最上部に到着することができます。

今回、サグラダファミリアの塔で上ってみたのは、ガウディのデザインがより残されている「生誕のファサードの塔」です。ファサードの装飾と一緒に、バルセロナの街並みも一望できます。こちらは、北東方面の光景です。眼下には、ガウディ公園の池が見え、とても綺麗でした。
東側には、ロンドンでも見かけたような高層ビル、遠くには、地中海も見渡せます。
木々の中には、たくさんの鳩が飛び回っています。ガウディのモットーの一つが、自然と融合した建築です。バルセロナでは、1888年に、万博の Barcelona Universal Exposition が開催されました。ガウディは、そんなイベントやその後の活躍により、自由な発想のモダン建築という方向性に大きな影響を与えました。後に、アメリカの自然の景観に合わせた、アメリカならではの建築スタイルを築いた フランク・ロイド・ライト も大きな影響を受けたのではないかと思います。

尖塔の上には、フルーツのようなメルヘンチックな装飾がされています。
途中、バルコニーへ寄り道し、外の景色を見渡したりして楽しめます。
階段を下りながら、所々で、ユニークな装飾を間近で見ることができます。

サグラダファミリアの塔は、実は、下りは、エレベーターがありません。カタツムリのような美しいらせん階段を下りていきます。帰り道の印は特にないので、気がついたら、帰り道のルートに入っている感じです。この帰り道に入ったら、ひたすら下へ下へとクルクルクルクルこのらせん階段を下りていきます。サクラダファミリアの一番上から階段で降りてくるので、当然ながら、結構長いです。下りなので、疲れることはないのですが、自分の現状の位置がよくわからないまま、ただひたすら同じ景色の中、降りてくるので、一体いつまで続くのー?って感じになってきちゃいますが、サグラダファミリアへ行くなら是非塔に上って景色を楽しんで欲しいと思います。ヒールのあるお洒落靴を履いてきていた女の子は、降りてくるのも大変そうでした。塔に登る人はスニーカー必須です。

クリプト
今回の訪問時は、残念ながら地下のクリプトは閉鎖中でしたが、サグラダファミリアのクリプトは、世界遺産となっており、ガウディの墓もあります。こちらは、聖堂の裏からクリプトを覗き込んだ様子です。クリプトは、ミサの前後に、オープンしています。
礼拝スペース
受難のファサード側の聖堂裏には、ミサの時間以外にも、使用できる礼拝スペースがあります。
回廊と聖具室 Cloister of Dolours and sacristy
スペインでは、教会の隣に、回廊(クロイスター)があることが多いですが、サグラダファミリアには、少し変わったものがあります。受難のファサード側の出口の手前右手には、ゆるやかに曲がった回廊があり、両脇には、家具や聖具などが展示されています。
回廊の奥には、お庭はなく、教会ならではの聖具が、置かれている聖具室があります。
受難のファサード
1954年に建設がはじまり、2017年に完成したのが、西側にある受難のファサードです。ガウディとは、また雰囲気の違った、モダンアートな感じの彫刻群で飾られています。
聖堂のドアには、文字が埋め尽くされていて迫力があります。
キリストが十字架に架けられ、亡くなったことを悲しんでいる人々が描かれています。
サグラダファミリアのファサードは、生誕のファサード、受難のファサードの二つの他に、実はもう一つあります。それは、聖堂の南側にある、栄光のファサード (Glory facade) で、現在建設中です。
サグラダファミリアの博物館
受難のファサードを出て、道なりに進んで行くと、地下部分にサグラダファミリアの博物館があります。ガウディをはじめ、サグラダファミリア建設に携わった建築家やアーティストたち、そしてサグラダファミリアの建設に関する展示が行われています。
サグラダファミリアの模型なども展示されています。

2026年の完成を目指し、現在も工事が続けられているサグラダファミリア、今後、さらに高くなり、最終的には、高さは、170m 程となります。気になるのが、現在、どんな風に進んでいるのかというところです。こちらの映像では、サグラダファミリアの最終形、完成の形や、現在の建設の様子などが詳しく紹介されています。
最後は、物館内のギフトショップでお土産を買えます。
サグラダファミリアのライトアップされた夜の景色もとても美しくておすすめの見どころです。

バルセロナには、他にもたくさんの見どころがあります。
今回のスペイン旅行の全体像は、こちらです。