先日、ニューヨーク5番街の有名高級デパート、サックスフィフスアヴェニュー (Saks Fifth Avenue) が、ニューヨークで二つ目の店舗となる、サックスダウンタウン (Saks Downtown) をワールドトレードセンターのすぐお隣、ブルックフィールドプレイス (Brookfield Place) にオープンしました。先月は、豪華なリテールブランドを一堂に集めたウエストフィールドのショッピングモールがオープンしたばかりですが、ここ最近のワールドトレードセンター周辺の発展には目覚ましいものがあります。
このダウンタウンにオープンしたお店は、5番街のサックスフィフスアヴェニューとはまたちょっと違った層をターゲットにしていて、アーティスティックな雰囲気のお店となっています。
ハドソン川沿い側の入り口から入ります。外から見た感じはいたってシンプル。
一歩入ってみると、解放感がある感じで、ゆったりとした作り。
店内のディスプレイがなんだか美しく、まるでミュージアムのようになっています。
典型的なデパートのコスメコーナーとは全然違う雰囲気。おしゃれ感が漂っています。
ニューヨークのデパートの一番の売り場と言ったら、やっぱりシューズ。素敵な靴がいっぱいです。
5番街にはないテイストのディスプレイが新鮮です。
ちょっとした長い通路の空間もうまく使って、まさに見せるデパートという感じでした。
こんな風に並んでいると、まるでショールームのよう。デパートからブティック感を押し出した感じになっています。
バッグや小物などアートの要素が入ったポップなデザインの商品が多めです。
5番街と違うのはやはり、ミレニアムを狙った売り場が多いこと。特に中国人はやはりいいお客さんのようです。
中国と言えば、今年の6月までの一年間でなんと “Travel Deficit” が$315 Billionだったというニュースが出ていました。今年のはじめに、中国では個人が外貨を購入できる限度額($50000)が導入されたのでその影響が来年には出てくると思いますが、2014年から急激な勢いで、旅行に関して国外へのアウトフローが増加しているようです。面白いのは、中国で発表される統計とアメリカなど旅行先で発表される統計には大きな開きがあるそうで、密かに高級品に費やされているのか、不動産、金融商品などの外貨資産に化けているのか、統計が間違えているのか、そのギャップはミステリーのようです。
訪れたとき、ちょうどオープン記念で、ブルックリン生まれの La Newyorkina の Paletas アイスが配られていました。ハイラインでもよく見かけるアイス屋さんで、ナチュラルな原料で作られた氷アイスがフルーティでとっても美味しいです。オープン記念にローカルのアイスショップを呼ぶのは、さすがニューヨークです。
アイスだけではありません。普段デパートで見かけることのないニューヨークローカルで活躍する新しいブランドの商品も扱われています。
サックスフィフスアヴェニューは、ニューヨークの老舗高級デパートで、5番街のお店は、毎年ホリデーシーズンになると美しく飾りつけられ、幻想的な光のショーを見せてくれます。
ところで、このサックスフィフスアヴェニューは、2013年に買収され、現在、カナダを本拠地とし、ロード&テイラーなど様々な有名デパートブランドを所有している Hudson’s Bay Company の傘下のデパートとなっています。
Hudson’s Bay Company のおおもととなる会社は、イギリスのロンドンで 1670年に誕生した、カナダで毛皮取引を行っていた会社で、なんと北米最古の会社だそうです。毛皮からデパート事業に転じた、Hudson’s Bay Company には、実はさらに上に親会社がいて、ニューヨークベースのリテール事業専門のプライベートエクイティー会社、NRDC Equity Partners に2008年に買収され、そのオーナーのもと、高級デパート事業の運営を続けています。
こちらのビデオでは Hudson’s Bay Company のそんな歴史が紹介されています。
長い歴史を通じ、その名前を残してきた Hudson’s Bay Company。現在、厳しい状況に置かれているリテール業界ですが、どのように変化し、経営していくのかに注目です。
新しく先月できたばかりのウェストフィールドのショッピングモールは、こちらです。
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