昨日アメリカ人の友人が振り込め詐欺にあってしまいました。
正確に言うと振込みの手続きまでしてしまったのですが、
その後無事にキャンセルすることができました。
私に会った時、めずらしく携帯のイヤホンをつけたままで
ごめんね、ちょっと大事な電話の途中でもう10分も待たされてるんだけど、と言い、
その電話待ちの間、こそこそと事情を話してくれました。
Federal Govermentのオフィサーから電話がかかってきて
未払いのタックス、1493ドルをただちに払いなさい。
このまま支払いを無視し続けた場合はFederal Crimeとなる、と
とても怖い口調で電話口でまくし立てられたとのこと。
こともあろうか、実際に彼女は追加で税金を納めなければいけない予定になっていて、
本人もそろそろだろう、と思っていた時期だったのです。
手紙も何も受け取っていない、と伝えるも
相手はいや、間違いなく何度も送っている、と返してくる。
彼女は手紙を受け取っていないとは言ったが、
ジャンク広告も多いので、毎日毎日全ての郵便物に目を通しているわけではありませんでした。
捨ててしまったり、家に放り投げてあったりしていたので
自分の言っていることに自信を持てなくなってしまったのです。
もしかしたら、私が手紙をチェックし忘れてたのかも。。。気づかずに捨てちゃったりしちゃったのかも。。。
Federal Officerを名乗る男は、
とにかくまくし立ててきます。
支払いの期限はとっくに過ぎている、ただちに支払いをしなくてはいけない。
そして、ついに彼女は銀行へ行き、窓口で送金の手続きをしてしまいました。
私が彼女に会ったのはその銀行へ行った帰りでした。
Govermentが送金を受け取ったというconfirmation numberをもらおうと
Federal Officerを名乗る男に電話をかけ、そのnumberを聞くのに長々と電話口で待たされているところだったのです。
私はその話を聞いて、ええ!?
ちょっと待って、それって詐欺じゃないの?!
その男の電話番号ちょっと教えて!!って、彼女の携帯に映っている番号を急いでGoogle検索しました。
そうしたら、
信じられないくらいあっけなく、載ってるじゃありませんか、彼の電話番号と山のような書き込みが。
どうやら先月末辺りからこの振り込め詐欺電話をすごい勢いでしているようで、まだ数週間しかたっていないのに書き込みがいっぱい。
彼女は銀行へ飛んでいきました。
送金処理には時間がかかるようで
幸運なことに、無事送金の手配は止めることができました。
戻ってきた彼女に、本当に感謝されました。
1493ドル借りができた、と言って
ジュースをおごってくれようとするのですが
つい先ほどお茶を飲んだばかりでお腹いっぱい。
どうしても今お礼がしたいのー!って盛り上がる彼女に折れ、
結局はジュースをおごってもらっちゃいましたがやはり飲みきれず。
でも、本当危機一髪のところだったけど実害がなくてよかったよかった。
まぁ、彼女の心はかなり折れてましたけどね。
でも、今回は私の方も驚きました。
第三者的に話を聞いたら、え?詐欺?って冷静な判断ができるけど、
実際に犯人から電話を受けている最中って何か暗示にでもかかったように相手のペースにのせられてしまうのでしょうか。
彼女は生まれも育ちもアメリカで、いわゆる典型的なアメリカ人。
英語に問題もないし、愚かでも頼りないわけでもない、本当にしっかりした人。
なので、何が起こったのか?
理解するのに苦しみました。
でも犯人はプロ。何か心理戦で相手の心の隙をつく技があるのでしょうか。
犯行に何回も同じ電話番号を使っているのだから
そんな犯人すぐ捕まえられそうなのに。。。って思いますよね?
電話番号はアメリカ国内の番号なのですが、
実際にはどうやら国外から行っている犯罪のようです。
私は毎回やってますが、知らない電話番号はまずGoogle検索!
病院とかそういう関係以外では、
知らない電話番号からかけてきた相手に、こちらから用があることはまずありません。
個人情報の流出は本当に怖いです。
今回の友達のケースでは、犯人がどこまで彼女の事情を知った上でかけてきていたのか本当に気になるところです。
彼女が追加でタックスの支払いをしなければいけないという事情まで知っていたのか。
それとも本当にたまたまだったのか。。。
最近平和なニューヨークで油断していたけれども、気をひきしめようと思いました。