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スコットランドを通じて学ぶ

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人種のるつぼニューヨークで暮らしていると様々な英語に出会います。相手が言っていることを聞き取れないこともありますし、逆に相手がこちらの言っていることを聞き取れないという経験はよくあると思います。
買い物中の店員との会話、カスタマーセンターへの電話等様々な場面で苦労したことのある人も多いのではないでしょうか?Indian English、Russian English、どこだか分からないEuropean、Arabic、South American、Caribbean、等々、地域の数だけ英語があり数え上げたらきりがありません。

American Englishに慣れているとBritish Englishがちょっとおかしく聞こえます。逆もきっと同じですよね。そしてそれぞれの中でさらに地域に応じてアクセント等、使う単語等により雰囲気が変わってくるのです。
また、さくっと飲んで帰るアメリカ的な集まりなら理解できますが、なぜイギリス人はおつまみを食べずにひたすらビールを飲み続けるのでしょうか、などカルチャー的な違いも面白いですね。言語を始め、カルチャー、地域の一体感等、同じラベルでくくられていても、実際に中身をよく見てみるとけっこう違うものなのです。

tartan

イギリスの一部であるスコットランドが、イギリスから独立するかどうかを決める住民投票を木曜に控え、世界中が注目しています。
ニューヨークをはじめアメリカ、カナダには結構多くのスコットランド系の人々がいます。スコットランドというとタータンキルト、バグパイプ、スコッチウィスキーなどが思い浮かびます。Saint Patrick’s Dayパレードなどでおじさんが格子柄のスカートをはいてバグパイプを演奏しながら行進していく姿を見たことのある人もいるでしょう。蒸気機関のワット、電話のベル、経済学のアダムスミス等を輩出したように文化のレベルがとても高いところのようです。ところでこのスコットランドの英語って一体どんな感じなんでしょうか?

下の動画は、音声認識で動くエレベーターを必至に操作しようとする二人のスコットランド人を描いた作品です。大げさにつくられていますが、英語といっても場所により大きくアクセントが異なること、そして音声認識テクノロジーへの風刺が笑える動画です。
この動画を見ていると、カスタマーセンターに電話した時のことを思い出します。用件を言って下さい、という自動メッセージが流れるのですが、音声認識が理解してくれず何度も何度も同じ事を繰り返し、先に進めなかったり、音声認識機能を使おうとスマホに向かって何度も同じ言葉をリピートしたりした経験があるのではないでしょうか?この苦労、日本人だけではないんです。そして、音声認識テクノロジーも多くのバリエーションをサポートするのは大変なんでしょうね。最近はかなり進歩してきた気がしますが。

ちょっと長いですが世界中の様々なアクセントが面白、おかしくマネられてます。Japanese Englishのマネはちょっと下手ですね。同じ言語でも地域によるアクセントをなくすのは大変です。他の言語が第一言語の場合はなおさらです。ということで、必要以上にアクセントを気にするより、慣れることの方が大事ですね。そして大きな声で堂々とゆっくり相手に伝わりやすいようにしゃべること、分からない場合は聞き直すことが大切です。

ちなみに真面目に世界中の人々の発音を集めて比較したサイトもあります。興味がある人は、International Dialects English of English Archivesをどうぞ。

capebreton

そしてScotlandと言えば、アニメ赤毛のアンでもおなじみのScotland The Braveという有名な曲があります。
今夏に訪れたプリンスエドワード島とケープブレトン島周辺は、特にスコットランド系の子孫が多いそうです。特にケープブレトン島は景観がスコットランドにとても似ているような気がします。ケルトミュージックセンター、スコッチウィスキーの蒸留所、スコットランド出身の電話を発明したベルのミュージアム、そういえばケープブレトン島があるのは、Nova Scotia、ニュースコットランドっていう名前がついているくらいですからね。
https://youtu.be/PSH0eRKq1lE

いよいよ Scotland independence referendum ですが、どうなるでしょうか。短期的な損得勘定ではどう考えても理にかないませんが、個々のアイデンティティー、自分らしさが大切な世の中になってきたということでしょうか。独立を目指すスコットランド、投票を許したイギリス。まさにどちらもBraveです。考えて見れば、世界を巻き込んでの一大マーケティングイベント。Noならば短期的な損はなし、かつUKでのプレゼンスもアップ、またどちらに転んでも世界中のスコットランドに対する認知度は間違いなくアップしていくのではないでしょうか。

イギリスにゆかりのある人以外、普段はわざわざ食べたいと思うことのないイギリス、スコットランドの食料品、料理。こんな機会に食文化を試してみたい人は、ウェストビレッジのMyers of Keswickへ。スコットランド名物Haggisは試したことありませんが、Shepherd’s pie、Cornish pie、イギリスの紅茶などおいしかったですよ。
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スコットランドを通じて学ぶ was last modified: 7月 12th, 2024 by mikissh