新型コロナがパンデミックと宣言されてから約一年が経とうとしていますが、以前としてコロナ収束の目途は立たず、実体経済に、大きな影響が出ています。アメリカでは、そんな経済的打撃を緩和するため、昨年3月下旬の史上最大規模となる220兆円の新型コロナウイルス経済救済法案 (The CARES Act; the Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act)、昨年末の93兆円規模の第二弾経済救済法案などの経済対策が取られて来ましたが、バイデン大統領になってから初の経済救済法となる、206兆円($1.9 trillion) 規模の第三弾経済救済案が上院で可決されました。一人当たり$1400の現金給付、失業保険拡充期間の延長、子供に対するタックスクレジット、3500億ドルの州や市など地方政府への支援などが含まれています。提案されていた、最低賃金時給$15は除外されています。法案成立の実質的な鍵を握っていたのが、民主党と共和党の勢力が均衡する上院で、下院で成立した案が、上院で修正後に可決されたため、来週には、民主党優勢の下院で再び決議され、バイデン大統領によりサインされる見込みです。バイデン大統領によると、一人$1400 の現金給付は、さっそく今月中に配布開始になるそうです。
コロナがパンデミックとなり、約一年となりますが、アメリカでは、株式市場など特定のアセットマーケットが絶好調な一方、実体経済は、大打撃を受けています。昨年3月下旬に成立した史上最大220兆円規模の第一弾経済救済法を皮切りに、昨年末の93兆円規模の第二弾が成立し、現在に至っていますが、第二弾の効力が切れる3月を迎え、第三弾となるバイデン大統領による経済救済法が、党派毎に分かれ、50対49で上院で可決されました。通常の法案は、議事妨害(Fillbuster)を終了するには、60票が必要となりますが、予算の調整(Budget reconciliation)としたため、過半数で可決することが可能となりました。
アメリカ経済救済法案2021
昨年3月下旬の第一弾となった220兆円規模の経済救済法案と同レベルとなる、バイデン大統領のアメリカ経済救済法案2021 (American Rescue Plan Act of 2021) が、今日、上院で可決されました。内容については、賛成と反対が党派によってはっきり分かれ、現在の勢力を反映し、50対49で可決されました。来週には、民主党優勢の下院で可決され、バイデン大統領がサインし、成立となる見通しです。
一般への現金給付
収入制限はありますが、すべての人に現金給付が行われます。給付金額は以下のようになり、大人は1人$1400、夫婦だと$2800、子供も1人当たり$1400づつになります。例えば、夫婦+子供2人の4人家族だと、現金給付金は $5600 です。
-大人$1400 (夫婦合算$2800)、子供や扶養者も一人$1400
-収入制限あり $75,000 (夫婦合算 $150,000) から給付金が減少し、$80,000 (夫婦合算$160,000) 以上はなし 2020年または2019年のタックスリターンの数字(確定申告の所得)で判断
失業保険拡充期間の延長
失業保険は、現在、3月14日まで、1週間あたり $300 の割増となっていますが、その期間が延長され、9月まで継続します。また、2020年の失業保険の受給に関しては、最初の $10,200 には、収入$150,000以下の世帯には、課税されません。
子供の養育に関する支援 タックスクレジット
子供に関するタックスクレジットを$2000 から$3000 に増額、6歳以下は、$3600。
この他、ワクチンや検査などコロナ対策のオペレーションと研究開発の支援、オバマケアにおける補助の拡充、州や市など地方政府に対して 3500億ドル、学校(K-12)に対して 1300億ドル、空港に80億ドル、各地の交通システムに305億ドル、航空会社に140億ドル、中小のレストランに対して 250億ドルなどの支援が含まれています。
膨大な法案の詳細は、こちら です。
上院での可決を受けたバイデン大統領の会見は、こちらです。
上院で可決された修正法案は、2021年3月10日に下院でも可決され、翌3月11日、バイデン大統領がサインし、成立しました。
第一弾と第二弾は、こちらです。
史上最大220兆円のアメリカ経済救済法 現金給付1人$1200 失業保険拡充など盛りだくさんの支援に期待 The CARES Act