ニューヨークは、現在、氷点下のとても寒い真冬日が続いています。2月に入ってからは、5年振りの大雪をもたらしたウィンターストームを皮切りに、何度か雪が降り、今後も雪予報が出ていて雪の多いシーズンになっています。ウィンターストームの合間の気持ちのいい晴れた日には、セントラルパークなどの公園は、大人気スポットになります。冬の寒いセントラルパークでは、鳥たちも元気で、完全に凍り付かない貯水池では、オウギアイサが気持ち良さそうに泳いでいました。雪の日のセントラルパークというと、園内南部のエリアを訪れることが多いのですが、先日、セントラルパーク北部まで足を伸ばしてみました。セントラルパーク北部は、人が少なく、森や池が広がり、どこか北の雪国へ旅行にやって来たかのようなアドベンチャー気分が味わえます。
セントラルパーク北部の庭園、コンサバトリーガーデン (Conservatory Garden) もすっかり雪景色です。コンサバトリーガーデンには、3つのテーマの異なるエリアがあり、中央は、イタリア風庭園、北側は、フランス風庭園、南側は、イギリス風庭園となっています。
北側のフランス風庭園の中央には、3人の女性が楽しそうに踊っている像に囲まれた美しい噴水 (Untermyer Fountain) があります。すっかり雪で覆われた庭園の周りのベンチでは、地元のニューヨーカーたちがのんびりとおしゃべりをして過ごしていて、雪がなだらかに積もり、とても美しい冬のガーデンの景色が見られます。
雪に埋もれた冬の姿からは想像できませんが、コンサバトリーガーデンは、春から秋にかけて美しい花々が咲き誇る憩いの庭園です。
セントラルパークで雪ぞりスポットといえば、Pilgrim Hill や Cedar Hill が有名ですが、コンサバトリーガーデンを出てすぐ北側にも、雪ぞりにぴったりな斜面になっている、スライダーが楽しめるスポットがあります。
セントラルパーク北部の池、ハーレムミア (Harlem Meer) は、凍り付いています。氷の池に美しく雪が降り積もり、そこにこんな足跡が残されていました。太陽が昇り暖かくなってきている日中はもう氷が溶けだしてきていますが、早朝なら、カチカチに凍った池だったのかもしれません。池のど真ん中を渡って行った見事な足跡が残されています。
セントラルパークで、アイススケート場といえば、南部にある、ウルマンリンク (Wollman Rink) が有名ですが、北部にもアイススケートリンク、Lasker Rink があります。このセントラルパークのアイススケート場はとても人気があり、行列ができていました。
Lasker Rink には、スケートリンクが 2面あり、スケート教室なども開催されています。
スケートリンクの南側のアーチ、Huddlestone Arch をくぐると、美しい小川が流れる森の中へと続く小道があり別世界が広がっています。
ノースウッドの小川、Loch の山道には、たくさんの人がやって来ていました。普段はこんなに人がいることはなく、雪の森の中がまるで観光地のような賑わいになっていてびっくりです。
雪が降った後の極寒の日は、リスを多く見かける一方、エネルギーを温存し、暖かい場所で隠れて過ごす、鳥たちの姿が少なくなります。エサをあげると、お腹を空かせた鳥たちが集まって来ます。こちらは、可愛い姿でお馴染みのエボシガラ (Tufted Titmouse) です。
ノースメドウの芝生部分は、雪がそのまま残っていて、美しい雪景色が広がっています。
セントラルパークでは、大雪のあと、スキー姿でやってきている人を時々見かけます。
広々として、人もそれ程多くない、ノースメドウ周辺は、クロスカントリースキーにもピッタリの場所です。
セントラルパークの人気ジョギングスポットであり、リザーバー (Reservoir) として知られる、ジャクリーヌオナシスケネディ貯水池 にやってきました。ここも周辺は雪道になっています。
今は、この雪道が凍りかけていてツルツルになっていたりするので、ランニングには向かない状態の日もありますが、池の周りをのんびりとお散歩を楽しむことはできます。子供たちが池に雪を投げ入れると、エサと間違えてたくさんのカモたちが物凄い勢いで集まって来ます。
草を好物としている水鳥たちは、草がすっかり雪で覆われてしまって、とてもお腹を空かせている様子でした。エサの雰囲気を察知するとびっくりするくらい素早く反応して、どんどん仲間たちが集まってきます。カモメは池の中央に集まっていることが多く、カモたちは、比較的水面が穏やかな池の南部で過ごしていることが多いです。
リザーバーには、カナダガンとマガモ、そしてカモメがいっぱいいますが、よく見ると違った種類の水鳥も混ざっています。こちらは、扇のような面白い形の頭が印象的なオウギアイサ (Hooded Merganser) という鳥です。アメリカ北部に生息し、日本ではほとんど見かけることがないカモの一種です。
可愛らしい、オウギアイサ (Hooded Merganser) のカップルたちが、伸び伸びと気持ち良さそうに動き回っている様子です。
先日、リザーバーへやって来た時には、ペンギンのような動きの可愛い ヒメハジロ (Bufflehead) も見かけました。
セントラルパークのノースメドウに、シロフクロウが登場して話題になっています。今もまだ NYC周辺に滞在しているようで、日没後、リザーバーや北側のテニスコート周辺で目撃されています。
Birding at night with Snowy Owl. #birdcp #birdwatching #birding #wildlife pic.twitter.com/QbwjOSnPXh
— RosalieQD (@mitzgami) February 6, 2021
なんとコヨーテまで目撃されています。セントラルパークが最近面白い野生の森になっています。コヨーテは、通常、人目を避けて行動し、襲ったりすることはありませんが、万が一見かけても接近せず、特に日没後は、子供や犬をあまりウロウロさせないなど基本的な注意をするに越したことはなさそうです。
I was out photographing birds this morning hoping to find a Road Runner and then this happened….the elusive Central Park Coyote! #birdcp #birdwatching #CentralParkConservancy #birding #birdphotography pic.twitter.com/oYpeb3gujF
— Ben Shyman (@BenShyman) February 12, 2021
極寒の冬のセントラルパークですが、気持ちのいいお天気の日には、たくさんの人たちがやってきて憩いの時間を過ごしています。
大雪前の冬のセントラルパークもとても綺麗でした。
紅葉の時期のセントラルパーク北部も、本当にゴージャスな美しさです。