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昨日、当初予定されていたSpaceXのロケットの打ち上げが、諸事情により、一日延期されました。そして、ついに今夜、フロリダのCape Canaveral Air Force Station から、SpaceX のロケット、Falcon9 が衛星を軌道に運ぶというミッションで、軌道スピードでの打ち上げが行われました。今回の打ち上げの目玉は、ロケット部分が地上に帰ってきて着陸するという所。
結果は、見事に成功です!ロケットは衛星を軌道に届けた後、無事、着陸に成功しました。
今まで、何度か着陸の失敗を繰り返してきて、今年の夏にも、実はこのSpaceXのFalcon9の打ち上げがあったのですが、悲しくも打ち上げ時に失敗。でもそんな数々の失敗を乗り越えて、今回ついに軌道スピードで打ち上げられたロケットが無事地上に着陸するという、史上初の快挙となりました。
言うまでもなく、打ち上げに使うロケットはとても高額な代物です。それにもかかわらず今まではロケットを毎回破壊してしまうことが前提で使われていました。これからは、どんどん優秀になっていく高額なロケットをもっと実用的に活用していくためには、毎回破壊するのではなく、再利用をしていくことが必要となり、そのために安定して着陸させる技術が必要となります。
先日、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスのロケット会社、Blue Originが軌道スピード以下での打ち上げ(suborbital flight)で、史上初の着陸を成功させ、注目を集めていました。しかし、本来の軌道スピードは非常に高速なもので、スピードを落したsuborbital flightでは、技術的に難易度が大きく異なるそうです。
SpaceXのイーロン・マスクがBlue Originの成功を祝福しつつも、ライバル心からかこんなツイートをしていました。
Congrats to Jeff Bezos and the BO team for achieving VTOL on their booster
— Elon Musk (@elonmusk) November 24, 2015
It is, however, important to clear up the difference between "space" and "orbit", as described well by https://t.co/7PD42m37fZ
— Elon Musk (@elonmusk) November 24, 2015
こちらがその着陸の様子です。針のようなロケットが、体操のフィニッシュのように、倒れずに見事に立って止まるシーンはなかなか感動的です。スタッフの喜びがとても伝わってきます。
前日には、今回のFalcon9打ち上げの背景についてブログで説明していました。無味乾燥な典型的なPRではなく、企業が自分から積極的に生の声で情報発信する姿勢に好感が持てます。
ジェフ・ベゾスもBlue Originの成功の先例をアピールしつつ、こんなお祝いのツイートをしています。
Congrats @SpaceX on landing Falcon's suborbital booster stage. Welcome to the club!
— Jeff Bezos (@JeffBezos) December 22, 2015
今後、この二人が競い合いながら、宇宙開発の最先端をさらに切り拓いていってくれるのでは、と期待させてくれます。
SpaceX、そしてテスラといくつもの革新的な会社を経営するイーロン・マスクについてはこちらをどうぞ。