ニューヨークには、様々なミュージアムがありますが、中でも珍しいのが、スパイをテーマとした体験型スパイミュージアム、スパイスケープ (Spyscape) です。スパイと言えば、例えば、ジェームズ・ボンド (James Bond) シリーズ、チャック (Chuck)、ホームランド (Homeland) など映画やテレビでよく見かける題材で、スパイに憧れたことがあるという人も多いと思いますが、スパイスケープでは、歴史上のスパイの活躍を学ぶと共に、ニューヨークでスパイ体験を楽しむことができます。レーザーをすり抜けながら俊敏性を競うゲームをはじめスパイに必要な能力を測る体験型アクティビティに参加したり、暗号を解いたり、性格分析を行ったりする中で、どんなスパイに向いているかまで知ることができる、面白いアトラクションです。
ニューヨークのスパイ博物館、スパイスケープ (Spyscape) があるのは、ミッドタウンで、タイムズスクエアから少し北側の 55ストリート & 8アヴェニュー です。入口は、8アヴェニュー沿いにあり、謎めいた、裏返しのクエスチョンマークが目印です。スパイスケープ (Spyscape) は、2018年2月に誕生した、新しいニューヨークのアトラクションです。
入口を進むとフロントデスクがあり、時間指定チケットを提示、名前を伝えて、チェックインします。それぞれのIDが認識される RFID (Radio Frequency Identification) バンドをつけ、出発します。
館内では、色々なアクティビティに参加するので、荷物があれば、ロッカーに預けておくと身軽に動けます。ロッカーも、自分の RFID のリストバンドを使用して開閉することができる優れものです。
スパイミュージアムの館内の様々な場所にスクリーンが設置されていて、自分の RFID のリストバンドを使用し、性格分析や、IQパズル、リスク対応の判断力をテストする様々なゲームを行っていきます。
エレベーターに乗り、2階へと向かいます。その間にも、すっかりデジタル化された現在の監視社会についての映像が上映され、さっそく引き込まれます。
ミュージアムがある2階は、とても巨大なフロアです。エレベーターを降りてすぐの場所には、珍しいスパイ関連のグッズが色々と集められたミュージアムショップがあります。トレイも2階にあります。
準備ができたら、矢印の方向に、いざ出発。カップルや子連れのファミリーたちなど、たくさんの人たちがスパイミュージアムを楽しみにやって来ています。
多くの人のスパイのイメージの元になっているのが、映画やテレビの作品だと思いますが、最初のセクションでは、映画のヒーローとその愛車が展示されています。
こちらは、映画の007でお馴染み、ジェームズ・ボンド (James Bond) の愛車、Aston Martin DB5 です。ジェームズ・ボンドの車は、1995年の作品、ゴールデンアイ (GoldenEye) で、実際に使用されたものだそうです。
お隣には、バットマン、Bruce Wayne の愛車、Ford のマスタング (Mustang) が飾られています。
最初のギャラリーは、暗号 (encryption) がテーマです。
第二次世界大戦時の暗号解読に関する遺品などが展示されています。ドイツが使用していた暗号機、エニグマの解読で大きな功績をあげた、イギリスのアラン・チューリングらが紹介されています。チューリングの暗号解読の話は、2014年に、The Imitation Game(予告編) で映画化されています。
暗号 (encryption) のギャラリーでは、暗号解読や暗号化の基本を体験できる面白いアクティビティがあり、みんな夢中で格闘しています。
次のギャラリーは、欺き (deception) がテーマです。
FBIのエージェントでありながら、1979年から2001年まで、ソ連のKGB、ロシアのためにスパイ活動を行っていたダブルエージェント、Robert Hanssen に関する展示が行われています。
合わせて、相手に見抜かれないように上手に嘘をついたり、相手の嘘を見抜くことができるかどうかをテストされたりし、思いがけない自分の才能を知ることができたりします。
Robert Hanssen が、逮捕に至った過程などが、トランクの書類などビジュアルも駆使し紹介されています。2007年の映画、Breach (予告編) は、この事件を元にした作品です。
3つ目のギャラリーは、監視 (Surveillance) がテーマです。
アメリカ政府による監視プログラムを告発した、元NSAの職員、エドワード・スノーデン (Edward Snowden) についてなどが紹介されています。
アクティビティでは、円形に張り巡らされたたくさんの監視カメラ(CCTV)の映像の中から質問に該当するターゲットを見つけるゲームを行います。
4つ目のギャラリーは、すっかりデジタル社会となった現在の主戦場、ハッキング (Hacking) と サイバー戦争 (Cyberwarfare) がテーマとなっています。
ずらりと並べられた、匿名のハッキング集団、アノニマス (Anonymous) の象徴のマスク。壮観です。
アノニマスをはじめ、アクティビストのように政治的な意図を持ったハッカー、ハクティビスト (Hacktism) について、紹介されています。
サイバー戦争では、コンピューターウイルスやマルウェアが取り上げられています。
NFTの代表作の一つ、Nyan Cat などデジタル文化の象徴も登場します。
キッズたちにも大人気、思わず何度もチャレンジしてしまう楽しいアトラクションもあります。
こちらのゲームは、アメリカの人気スパイコメディドラマ、Chuck (予告編) をはじめ様々な作品でよく見る、レーザーが張り巡らされた部屋が舞台となります。すっかりスパイ気分になります。レーザーに触れることなく、いかに素早く壁に張り巡らされた無数のランプにタッチすることができるかを競う、思わず夢中になってしまう楽しいゲームです。
中の様子は、外から見ることもでき、その日のランキングも発表されています。今日の最高記録が破られた瞬間です。
こちらは、特殊工作 (Special Ops) をテーマとした展示です。第二次世界大戦中に占領下のフランスに乗り込み、スパイとして活躍したアメリカ人女性、Virginia Hall さんなどが紹介されています。
最後のギャラリーは、諜報活動 (Intelligence) のテーマです。
1962年に起こったキューバ危機についての展示が行われています。旧ソ連が、キューバに核ミサイル基地建設を計画したことから、アメリカ、ソ連間で核戦争が勃発する可能性が高まり危機を迎えましたが、ぎりぎりの諜報活動の末、解決に向かいました。当時の諜報活動を元にした映画 The Courier (予告編) が、2021年に公開されています。
最後のお部屋は、Debrief で、アクティビティの結果発表が行われます。長所やスパイタイプの診断が発表されます。スパイマスター、インテリジェンスオフィサー、インテリジェンスアナリスト、ハンドラー、ハッカー、監視者、特殊工作員などなど様々なスパイの任務の中から自分に合ったタイプを教えてくれます。
アクティビティに参加しながら全体を見て回るには、2-3時間程見ておくといいと思います。
スパイスケープの常設展の他、バットマン特別展、Batman x SPYSCAPE も開催されているので、バットマンファンは、こちらもチャレンジしていみると面白いと思います。
2階のミュージアムショップは、色々なスパイ関連グッズが揃っていて面白いです。1階にも、スパイ本を中心としたショップがあります。
スパイスケープは、ニューヨークの観光パス を利用してお得に訪れることができます。
スパイスケープ SPYSCAPE
928 8th Ave, New York, NY 10019 地図
入場料(税込):大人 $42.46 子供 (6-12歳) $34.84 子供 (5歳以下) 無料
スパイ好きがはまる、ニューヨークのスパイ博物館、スパイスケープは、こんなところです。こちらの動画もご覧ください。
スパイ博物館は、ニューヨークだけでなく、ワシントンDCにもスパイミュージアムがあります。スパイ好きの人は、ぜひ訪れてみてください。
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ニューヨークのディスカウント情報 も参考に、ニューヨークの観光スポットを色々お楽しみください。