サンフランシスコ旅行で訪れたシリコンバレーでは、全米の大学の中でもトップレベルの名門大学、スタンフォード大学 (Stanford University) へ行ってきました。スタンフォード大学の美しい広大なキャンパスでは、学生ガイドさんが案内してくれるキャンパスツアーにも参加してみましたが、大学の魅力がとても伝わってくる楽しいツアーでした。スタンフォード大学には、それに加えて、充実した美術館が2つもあり、無料とは思えないクオリティの高いおすすめの美術館です。そんな魅力あふれるシリコンバレーのスタンフォード大学の見どころについて紹介します。
スタンフォード大学
スタンフォード大学は、サンフランシスコから車で40分程のシリコンバレーにあるアメリカ屈指、そして世界でもトップレベルの名門大学です。スタンフォード大学は、ゴールドラッシュに沸いた19世紀後半のカリフォルニアで、鉄道、不動産など幅広い分野で財をなし、州知事も務めた Leland Stanford さん夫妻により、10代で亡くなった息子さんのメモリアルとして、1891年に設立されました。スタンフォード大学が建てられた場所は、もともと、農場だったことから、現在でも、”the Farm” と呼ばれることのある大学で、自然が豊かで長閑な立地もその魅力の一つです。
かつては、ハイテク産業、コンピューター開発、そして現在のテックブームの中心地として知られるシリコンバレーの誕生や発展に大きく貢献してきた大学で、Times Higher Education World University Rankings (2018) や QS World University Rankings (2019) など世界の大学ランキングでも、トップ3にランクされるなど世界的に評価の高い大学です。
キャンパスは、カリフォルニア州らしく、スペイン風の低層コロニアル建築が多く見られ、キャンパスの中心部の Main Quad には、とても美しい教会、メモリアルチャーチ (Memorial Church) が立っています。
キャンパスは広々としており、それぞれの学部の建物の他、キャンパスツアーなどの出発地点となるビジターセンター、教会、周囲の絶景を見渡せる展望台、大学グッズなどが購入できる本屋さん、美術館など色々と見どころスポットが点在していて、訪問者もとても楽しめるキャンパスです。
スタンフォード大学 キャンパスツアー
スタンフォード大学のキャンパス内は、自由に各自見て回ることもできますが、毎日2回、11時30分と15時30分から、学生ガイドさんによる、70分間の キャンパスウォーキングツアー があります。アメリカの大学では、学生によるキャンパスツアーは定番で、学校紹介から、学生生活全般や受験に関しても色々と質問したりすることができ、将来の学校選びのために参加する人も多いですが、そうでなくても、色々と楽しいエピソードを交えながら、キャンパスの様子を分かりやすく説明してくれるので、時間が合えば、参加してみるのもおすすめです。
ビジターセンター
スタンフォード大学へ訪れたら、まず向かうのはこちらのビジターセンターです。ここから、スタンフォード大学の見学ツアーが出発します。週末のツアーとなると、同時間にいくつかのグループに分かれるほど、たくさんの訪問者がいます。一番多いのは、将来スタンフォード大学への入学を目指している親子・家族でやってくる人たちです。早い子は、小学生くらいから名門校見学に来ています(笑)。
もちろん、普通の旅行者も結構います。アメリカの大学は建築も素晴らしいところが多く見応えがあります。そういうわけで、誰もが参加しやすい雰囲気のツアーとなっています。ビジター用の駐車場は、ビジターセンター (地図) の近くにあります。ビジターパーキング情報は、こちらです。
Angell Field
大学見学ツアーのスタート時間までは、ビジターセンター周辺を見て周っていました。そのうちの一つがこちら、ビジターセンターの裏手にある Angell Field です。スポーツにもとても力を入れている学校だということが伝わってくる、素晴らしい広々とした施設です。Angell Field に隣接し、スタンフォード大学のスポーツ系グッズが集められた、お土産屋さんもあります。
そしていよいよ、見学ツアーの始まりです。ガイドさんは、現役の学生です。何人かの学生がいて、それぞれグループに分かれてツアーに出発します。
Hoover Tower
キャンパス内で最も存在感があるのが、フーバータワーです。スタンフォード大学の50周年記念の年、1941年に建てられた、アメリカ第31代大統領のフーバー大統領 (Herbert Hoover) の名前が冠された塔です。もともとは、塔の下の建物は、Hoover Institution Library and Archives となっています。毎日朝10時から夕方4時までの間、フーバータワーの展望台 に上ることができます。
Stanford Oval
Main Quad の南側には、青々とした芝生とその向こうに見える椰子の木 (palm tree) が並ぶカリフォルニアらしい景色が広がっています。
途中、スタンフォード大学の中でも人気の高い工学系のキャンパスなど、色々な学部の建物も通過します。
新しいキャンパスも周囲に馴染む形のデザインとなっています。
Memorial Church
スタンフォード大学の中心に位置する教会が、メモリアルチャーチです。Jane Stanford さんにより、Leland Stanford さんのメモリアルとして、1903年に完成したロマネスクとビザンティン様式が折衷されたデザインの教会です。平日、日曜日などは中に入ることが出来る他、ガイドさんによるツアーもあります。詳しい情報は、こちらです。
2005年のスタンフォード大学の卒業式で、今も語り継がれる有名な演説を行った Apple の創業者のスティーブジョブズさんですが、このメモリアルチャーチでお葬式が行われました。
よく知られている名言ですが、下の記事後半で、スティーブジョブズの名言集と有名なスピーチを紹介しています。
キャンパス内には、スペイン風の石の柱廊があったりと歴史を感じさせます。
キャンパスツアーは、ブックストアの近くで解散となります。
Stanford Bookstore
スタンフォード大学のブックストアは、お土産の宝庫です。スタンフォードユニバーシティのロゴ入りのあらゆる商品が揃うデパートのような充実の品揃えで、お手頃な文房具やTシャツなど色々あります。
スタンフォード大学のガウンを着た可愛いクマさんも。
クッションカバーから、ポーチ、タオル、など本当に何でもあって、お土産に困りません。
スタンフォード大学のランチスポット
スタンフォード大学を訪れたら、スタンフォードの学生さんたちに混じって、ランチタイムを楽しむのもいいかもしれません。本屋さんから南西の方に行った場所に、ランチスポットが並んでいます。
カフェでスタンディングデスクで働いている人もいます。
日本の学食という感じではなく、どこでも見かけるチェーン店が並んでいますが、そんな中、割と人気だったのがローカルなイタリア系のカジュアル店、The Treehouse です。
最近のアメリカ人は本当にヘルシー志向で、サラダが大好きなのですが、このスタンフォード大学の学生たちもサラダ好きが多いようです。
ケールサラダとサンドイッチを注文。特に、サラダがボリューム満点で、フレッシュケールとブルーベリー、ファロにドライフルーツやナッツが惜しみなくのっていて、栄養価の高いスーパーフード尽くしのサラダでした。
Iris & B. Gerald Cantor Center for Visual Arts
スタンフォード大学の総合美術館、カンターアートセンター(Iris & B. Gerald Cantor Center for Visual Arts) では、様々な地域の歴史的な遺品やアート作品が展示されています。
美術館には、スタンフォード大学の創設者、Leland Stanford 夫妻と、スタンフォード大学創設のきっかけとなった、若くして亡くなられた一人息子さんの絵画が飾られています。Leland Stanford さんは、ゴールドラッシュ時代にカリフォルニアへやって来ました。最初にはじめたビジネスは、ゴールドを掘るマイナー達に商品を提供するお店屋さんでした。そこで得た利益を、カリフォルニアからユタへと続く鉄道会社、Central Pacific Railroad などへと投資し、鉄道会社を経営することで莫大な財産を築きました。ゴールドを目指してやってきたマイナーたちは実は当時ほとんどの人たちがそんなに稼ぐことができませんでした。そんな中、自身はゴールドラッシュには身を投じず、そこにやってくる人の流れの大きな変化を上手く捉え、その人たちにサービスを提供するビジネスで成功したのが Leland Stanford さんだったのです。
北米先住民のアートに影響を受け、作られた新しい作品もあります。
アジアの歴史コーナーもあります。
韓国出身のアーティスト、Do Ho Suh さんの “The Spaces in Between” と題された面白い作品。
よく見てみると、小さな人形が連なって出来ています。
アフリカンアートの展示では、歴史的な遺品のほか、
ウィスキーの瓶を模した巨大なポップな現代風作品もありました。
美術館南側の入口を入ったエリアには、ロダンの考える人が展示されている他、館内には、ロダンのコレクションの部屋もあります。
ロダンの彫刻の庭
カーターセンターの南側の出口の外には、ロダンの彫刻が立ち並ぶ、スカルプチャーガーデン (Rodin Sculpture Garden) があります。ドラマチックな地獄の門や、
カレーの市民などロダンの有名なモチーフの作品が飾られています。
ちなみに、フィラデルフィアには、アメリカ最大の ロダン美術館 があります。
Anderson Collection at Stanford University
スタンフォード大学の二つ目の美術館はこちら、カンターアーツセンターの北側にある、近現代アートの アンダーセンコレクション (Anderson Collection) です。広々としたギャラリー風の美術館で、1階にも少しだけ展示スペースがありますが、主な展示は2階のフロアになります。
Jackson Pollock、Willem de Kooning、Mark Rothko など抽象表現主義有名アーティストをはじめ、抽象的、幾何学的な作品が数多く展示されています。
面白い素材を使った個性的な作品も色々あります。
スタンフォードのキャンパス内には、様々なパブリックアートをはじめ、数多くのアートスポットがあります。Stanford Arts Map では、そんなスポットが地図上で紹介されています。
今回、紹介したコースを一通り回ると大体半日程度かかります。素晴らしい気候のカリフォルニアにあり、ちょっとキャンパスを訪れただけでもとても魅力が感じられ、通ってみたくなる大学です。
スタンフォード大学は、設立当時は学費無料で入学できる大学だったそうですが、現在では、全米の中でもかなり学費が高い大学として知られています。例えば、こちらのサイトにもありますが、普通の大学生(学部生)で、生活費は別にして、1年間で約5万ドル(約550万円)の学費がかかります。さらに、これが、入学中も、毎年上昇して行きます。
スタンフォード大学だけでなく、一般的にアメリカの大学では、奨学金や学費補助などもありますが、それでも高額な学費のため莫大な学生ローンを生み出しています。そんな中、Vemo Education など学費ファイナンスにフォーカスした新しいスタートアップが登場しており、大学の中には、そんな企業と組んで、新たな支払い方法、ISA (Income Share Agreement) を受け入れる大学も登場しています。従来の学生ローンは、将来の収入にかかわらず定められた金額を返済していく形のものですが、新たな支払い方法では、学生の将来の収入の中から一定の % で支払うため、収入が多い人は多くなり、少ない人は少なくなるという形となっているようです。
Some colleges offer an alternative to loans, paying students' tuition in exchange for a percentage of their future salaries. But how risky is the proposition? https://t.co/CTsDYNd59X
— AP Eastern US (@APEastRegion) July 20, 2018
アメリカの大学はキャンパスも美しく、建築など見どころが多いですが、スタンフォード大学同様、ニューヨーク周辺にあるプリンストン大学やイェール大学も素晴らしいところです。
スタンフォード大学観光と合わせて、こちらのシリコンバレー & サンフランシスコ観光の記事もおすすめです。