ブロンクス美術館では、現在、70年代後半から80年代にかけてニューヨークで盛り上がった、グラフィティを中心としたストリートアートを詳細に記録した写真家、Henry Chalfant さんの特別展が開催されています。地下鉄の車両に描かれた色とりどりの地下鉄アートやウォールアートなど、当時、ニューヨークで、違法に描かれたグラフィティの作品の数々が、写真や地下鉄の原寸大モデルなどで紹介されていて、とても面白い展示になっています。
ブロンクス美術館は、ヤンキースタジアムにも近い、サウスブロンクスの大通り、Grand Concourse にあるミュージアムで、入館無料で見学することができます。
ブロンクス美術館で、現在、開催されている目玉の特別展が、先月からスタートした “HENRY CHALFANT: ART VS. TRANSIT, 1977-1987” で、2020年3月20日まで開催されています。展示の中心となっているのが、70年代末から80年代にかけて、地下鉄に描かれた数々のグラフィティです。展示のはじまりは、映像作品で、当時の状況が紹介されています。
当時のストリートアートの歴史が年表で詳しく紹介されています。
サウスブロンクスといえば、ヒップホップやグラフィティなど今ではすっかり人気となっているストリートカルチャーの誕生地で、どちらもそのルーツは、70年代に遡ることができます。ギャラリーに入ると、そんな当時の様子が垣間見られる巨大な写真が出迎えてくれます。
ギャラリーは、いくつかのコーナーに分かれています。
展示の中心となっているのが、地下鉄の一車両を丸ごと撮影した細長い写真です。当時、地下鉄の車両や駅、街中の壁に落書きすることは、当然違法でしたが、そんな中、競うように盛り上がっていったのが、グラフィティでした。その後、世界中に広がっていく、グラフィティムーブメントに大きな影響を与えることになります。
今でも街角で見かけるようなデザインが色々ありますが、全て70、80年代に描かれたものです。その影響力の大きさが感じられます。
こちらはスケッチに描かれたグラフィティの下絵です。
地下鉄アートだけでなく、ウォールアートのグラフィティも色々あります。
当時のストリートカルチャーの様子が伝わってきます。
お隣のギャラリーでも、まだまだ地下鉄アートが続きます。実物大に近い地下鉄アートなので、とても巨大です。
スクリーンでは、可愛らしい地下鉄アートが走り抜けて行きます。
また地下鉄アートが、実物大の地下鉄モデルをキャンパスに展示されていて、迫力があります。
その他、最近のストリートアーティストたちの作品のコーナーもありました。
Henry Chalfant さんらが撮影した地下鉄アートを集めた写真集 Subway Art は、その後の多くのグラフィティアーティストたちのバイブルとなり大きな影響を与えました。こちらの映像では、Henry Chalfant さんらが登場し、Subway Art について紹介しています。
また、ブロンクス出身で、ニューヨークで活躍したフォトグラファー、Alvin Baltrop さんの特別展も開催されています。
ALIFE による、Henry Chalfant さんの特別展をテーマとしたストリート系ポップアップショップも登場中。
こちらでは、グラフィティと並ぶ、サウスブロンクス発のストリートカルチャー、ヒップホップの歴史が紹介されています。
ニューヨークらしい面白い展示なので、ストリートアート好きは、ブロンクス美術館まで足を伸ばしてみるのもおすすめです。
ブロンクス美術館 Bronx Museum of the Arts
1040 Grand Concourse, The Bronx, NY 10456 地図
以前ブロンクス美術館を訪れた時のアート展も面白かったです。
ニューヨークにはまだまだ魅力的な場所が色々あります。こちらもどうぞ。