村上隆ニューヨークガゴシアンギャラリーで個展開催中！NFT メタバースの波に乗って An Arrow through History

ニューヨークのアッパーイーストサイド、マディソンアベニュー沿いにある、ガゴシアンギャラリー (Gagosian Gallery) では、日本を代表するコンテンポラリーアーティストの一人、村上隆の特別展、An Arrow through History が開催されています。村上隆といえば、アニメやフィギュアなど日本のサブカルチャーをモチーフとした作品で知られるアーティストで、可愛らしい花のキャラクターがトレードマークになっています。最近は、すっかり隆盛のNFT、メタバースの世界にどっぷり浸かっているようで、そんなデジタルと現実の狭間のような面白い作品の数々が展示されています。特に中国の若者たちに人気が高いようで、今回の特別展にもたくさんやって来ていました。

パンデミックにより人々の行動が大きく変化したここ数年、アート界の大きなトレンドとなっているのが、仮想通貨とそのインフラ、ブロックチェーンを背景にした NFT です。そんな NFT の流行に伴い、オークションハウス大手のクリスティーズが、NFTのオークションをはじめたりと、ブローカーも波に乗り遅れないように、NFTやメタバースの世界に参入をはじめています。

ニューヨークを拠点とする大手ギャラリー、ガゴシアンのアッパーイーストサイドのギャラリーでは、日本の著名現代アーティスト、村上隆の NFT/メタバースの特別展が開催されていて、普段とはちょっと違った客層の人々が集まり賑わっています。

アッパーイーストサイドのマディソン街沿い、76 と 77ストリートの間にある、ガゴシアンの2ヵ所のギャラリーでは、5月中旬から6月25日まで、村上隆の特別展、An Arrow through History (Part1 & Part2) が開催されています。
村上隆さんといえば、まず可愛いお花のキャラクターが思い浮かびますが、アニメやフィギュアなどサブカルチャーをモチーフとした作品で知られる、アメリカでも人気のポップアーティストです。

そんな村上隆さんの今回の特別展のテーマを一言で表現したのがこちらです。NFT は、どちらかと言うとデジタルアートに特化した新世代のアーティストたちが中心になっていますが、既にコンテンポラリーアートマーケットにおいて、しっかりとした立場を築いているアーティストが、堂々と参入しているのは珍しいケースだと思います。

一つ目のギャラリーは、オフィスビルのような雰囲気の建物内にあり、正面左手のエレベーターに乗って会場に向かいます。
最初のお部屋では、陶芸に描かれるような感じの古風な作品が飾られています。アニメやキャラクターなど普段見かける作品とは全然違った雰囲気でびっくりします。特に、中国の若者に人気が高いようで、中国系の人々が続々とやって来ていました。ドレスアップして、作品を背景に自分たちの写真撮影にやって来ている人も多く見かけます。

お皿のような丸いキャンバスに、魚がダイナミックに描かれています。陶芸のような美しい青色が映える綺麗な作品です。

二つ目のお部屋のギャラリーに向かうと、そこには、NFT 用の花のピクセルアートのコレクションが部屋いっぱいに飾られています。

色々な色使いや背景、小物アイテムを登場させたりなどした、たくさんのバージョンがあります。

全部同じお花に見えるけど、実は、それぞれ違う表情をしています。みんなくぎ付けです。

大きな花から小さな花へ。違うサイズの花でグラデーションになっています。

アッパーイーストサイドのガゴシアンギャラリは、二つの建物にあります。
二つ目のギャラリーは、一旦建物を出て、左手にある、ギャラリーショップがあるところです。こちらのギャラリーでは、メタバースで使用されるアバターのようなキャラクターがずらりと並んでいます。こちらは、村上隆さんとRTFKTのコラボで作られた、Clone X と呼ばれるコレクションです。

こちらは、村上阿羅漢と名付けられたシリーズ第一号、#1 Murakami Arhat。村上隆さんの作風は、NFTやデジタルアートと親和性が高いことに加え、現在は多くの層を惹きつけるようになった、アニメやフィギュアがオタクたちの狭い世界のものだけではなくなっています。日本のサブカルチャーの世界への浸透というトレンドの先見の明があった村上隆さんは、現在のNFT、メタバースのトレンドにも一早く参入しています。

村上隆さんのキャラクターグッズや様々なアート関連グッズなども販売されています。

ガゴシアンギャラリー・アッパーイーストサイド
Gagosian Gallery
980 Madison Avenue, New York. 980 Madison Avenue New York, NY Map
営業時間：火曜―土曜 10am-6pm

LA の人気現代アート美術館、The Broad では、2022年9月25日まで、Takashi Murakami: Stepping on the Tail of a Rainbow が開催されています。こちらは、パンデミック以前からの妖怪風の作品が中心となっています。

ザブロードロサンゼルス人気新コンテンポラリー美術館 The Broad

株式同様、仮想通貨やNFTも、急に増えた自由な時間とお金により、しばらくバブル状態が続いていました。アメリカをはじめ世界各国によるパンデミック対策の金融政策や経済刺激策による影響が大きかったので、そんな国のサポートも下火となってきて、最近は、値動きが不安定になってきています。とはいえ、NFTは、アーティストやクリエイターにとって、コストも低く、一攫千金の余地は十分あるので、今後もたくさんの人が参入していくのではないかと思います。
ところで、NFT って何という人は、こちらをどうぞ。