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イーロン・マスク世界を変える?もうすぐテスラで自動運転!

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こちらは、先日、ニューヨーク、コロンバスサークルのタイムワーナーセンターでディスプレイされていた話題の電気自動車テスラです。見た目は普通の車とたいして変わらない気がしますが、車のエネルギーは、給油ではなく充電になります。そんなこれからの車とは、どんなものなんでしょうか?
木曜日に行われたテスラのプレスカンファレンスによると夏までには、モデルSに、自動運転機能がワイヤレスアップデートで追加されるそうです。技術的には比較的単純な高速道路などでしたらオートパイロット(自動操縦)で運転することができるとのことです。テストドライブでは、サンフランシスコからシアトルまで運転手がほとんどタッチすることなく行くことができているそうで、驚きの時代になってきています。

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テスラをはじめ電気自動車の一番大きな変化は、エネルギー源がガソリンから電気に変わることです。
大局的に考えると石油などのエネルギー源は、埋蔵量に限界があり、大気汚染、温暖化など環境にも悪影響を与えるので、これらの制約のない電気に変えた方が望ましいことは明白です。ただ難しいのはガソリン車があたりまえになっているこの世の中で、どうやってその変革を進めていくかというところ。
テスラのCEOのElon Muskのマスタープランによると、最終的にはクリーンエネルギーによるゼロエミッションの方向を目指して、電気自動車をハイエンドからスタートしインフラを充実させながら、段階的に一般車へ移行させ加速的に普及させようという戦略のようです。巨大なSupercharger網をつくったり、取得した特許を誰もが使えるように公開したり、同業他社に対してもバッテリーを供給したり、と先陣をきって進め、狙い通りその流れはどんどん加速している感じを受けます。

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(Tesla Supecharger Map)

最近、石油の値段が急落したため、代替エネルギーへ変えようというモチベーションは少し下がってきているかもしれませんが、Energy.gov によるとガソリン一ガロンに相当する電気自動車の充電のコスト(eGallon)は現在の所$1.28とのことで電気エネルギーはやはりコスト的にも安いです。
今後普及フェーズで一般向け電気自動車のコストさえ下げることができれば、充分魅力的です。電気自動車、テスラの魅力はエネルギーコストだけではありません。このTeslaという会社はシリコンバレーの新しい会社ということで、従来の車という固定観念から離れて、車をハードとソフトの融合した一つの製品としてデザインすることができるのです。そう、つまり、パソコンやスマートフォンのイメージです。例えば車のソフトのアップデートもスマホのように”Over The Air”で無料で行うことができるようにしたり、バッテリー切れの心配をなくすためにスーパー・チャージャー・ステーションの位置と現在地からバッテリー切れになるエリアに向かう前に警告してくれる機能(“Range Assurance”)が提供されたりと、新しい様々な機能が追加されていくようです。

例えば、備えつけのカーナビの地図は簡単に更新できない、また可能であっても更新は毎回有料である、その上、更新したい時はどこかに修理のように持ち込まなくてはならない、そんな手間がかかる車は今の時代では普通かもしれません。でも本体とソフトが上手く連携がとれ、スマホのアプリのように、車のカーナビソフトも更新することができるようになったらどうでしょう。テスラがきっかけとなり、自動車業界が競争することにより、そういう部分もどんどん進化していくと思われます。

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オートパイロットはとても楽しみな機能ですが、現在、法律的には4つの州のみでしかメーカーによるテストドライブが認められていません。一般消費者が使うという前例がないため、現実的には今夏テスラの新機能がリリースされても自動運転機能は私有地など特別なエリアでしか試すことができないと思われます。
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(Cyber Law Stanford)

ところでテスラの顔と言えば、CEOのElon Musk。南アフリカ出身で、アメリカには留学でやってきたそうですが、スタンフォードの物理系の博士課程を途中で退学してしまいます。それから彼はインターネット会社Zip2を立ち上げ、売却、そしてPayPalの前身となる会社X.comを立ち上げ、同業のConfinityと合併、のちPayPalとなり、その後eBayに売却と、2つのビジネスを立ち上げ、成功裡に売却しました。ちなみにこの時のPayPal出身者は、その後Elon Muskだけではなく、例えばYouTube、Yelp、LinkedIn、Palantirなど多くの新しい会社を立ち上げたことからPayPal Mafiaと呼ばれています。

PayPalを売却した後のElon Muskは、SpaceXという会社を立ち上げました。人類を火星に送るというミッションのもとロケット開発などを行っており、現在でもCEOをやっています。SpaceXは、以前紹介した東海岸のOrbital Sciences Corpと共にNASAから国際宇宙ステーションへの物資の輸送などを受注したり、ロケットを供給したりしています。
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Elon Muskは、Teslaに主に投資家、開発・デザインの側面で参画していたようですが、途中から実務でも中心となり、2008年からCEOをやっています。さらに太陽光発電のSolarCityのチェアマンでもあります。途中、金融恐慌の時期などはSpeceX、Teslaともにかなり厳しい状態だったようですがどちらもあきらめず、現在では上手くまわっているようです。彼が手がけているTesla, SolarCity, SpaceXという会社は、まさに彼の問題意識そのもの、クリーンエネルギーの太陽光で電気をつくりだし、それで車を動かすことにより地球の環境を保ち、守る、そして人類の存在できる場所が地球だけというのは何かが起こった時に心許ないので他の惑星にも進出しようということでしょうか、Elon Muskの目指すものは壮大ですね。
そして、さらに新しい交通手段 Hyperloop も提案していて本当にどこまでもアイデアが沸いてきて尽きないようです。

イーロン・マスクは、アップルのスティーブ・ジョブズのなくなった現在、ビジョン的にも資金的にも近い将来、最も世の中に大きな影響を与える可能性が高い人かもしれません。

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(Time)

スティーブ・ジョブズ同様、イーロン・マスクも彼の個性をあらわす多くの名言を残しています。直近のこちらの記事によくまとめられていますが、いくつか紹介しておきます。

  • もし何か重要なことがあれば、たとえ成功の可能性が低くてもやるべきである。
  • ペイパルでの成功の後に考えたことは、どうやってよりお金儲けをするかではなく、人類の将来に対して最も影響を与える問題は何かということ。
  • 自分がすべてをコントロールできるのなら、一点がけしてもかまわない。
  • 他の人がやっているから、成功しているから、といってまねして物事を進めるのではなく、最も基本的な真実にたちかえり、そこから考え進めていくべきである。
  • 粘り強さはとても大切。無理やりやめさせられない限り諦めないことが大切。成功させるためには、毎週80~100時間、地獄のように働くべきである。
  • フィードバックループはとても大切なこと。周りからの批判を聞き、常に自ら振り返り、どうやったらよりよくなるか問い続け、次につなげるべきである。
  • 新しいものを創り出す会社では、思考を停止させてしまう定型業務プロセスはいらない。自分の会社では、MBAがあるから雇うのではなくて、むしろMBAがあるにも関わらず定型思考に頼らず一から考えることができる人物であるならば雇うというだけ。

ある程度成功したアントレプレナーの多くは、不安定でリスクの多い新しい価値を創り出す活動から、より安定している投資、自己ブランドを利用したリスクの少ない活動へと移行していくことが多いのですが、Elon Muskは真のアントレプレナーと言っていいでしょう。自分の信じる所に自己資金を注ぎ込み、自身も全力で関わり、まさに”Put your money where your mouse is”という感じで、重要だと思う問題に正面から向かい合う生き方をしています。

現在の電気自動車のマーケットが続き、今のラグジュアリーラインから手頃な値段帯の一般車のリリースまでスムーズにたどり着ければ、まさしく一気に電気自動車の普及が進み、Teslaがかなりのマーケットシェアをキープすることになるかもしれません。しかし、ここまでの流れを急ピッチでつくられては他の大手も黙っていません。昔からの自動車会社や、自動運転に特に集中して開発を行っているGoogle、そして2020年には販売予定かと報じられていたAppleも。直近では、UKのヴァージン・グループのRichard Bransonも電気自動車業界へ参入というニュースもあり、まさしくこの流れを止めることが逆に不可能になってきている感じがします。

冗談か本気か分かりませんがイーロン・マスクが言っているような”人間が車を運転をすることは禁止” なんていう世の中が本当にやってきたりするかもしれません。さらにイーロン・マスクの火星へ人を送り込むミッションが達成され、人類が火星に住むような世界がやってくるかもしれませんね。

イーロン・マスク世界を変える?もうすぐテスラで自動運転! was last modified: 7月 14th, 2024 by mikissh