アメリカ独立宣言の街としても知られるフィラデルフィアは、アメリカ有数の歴史都市ですが、そんなフィリーには、アメリカ最古の自然史博物館でもある、自然科学アカデミー(The Academy of Natural Sciences of Drexel University) があります。19世紀には、世界で初めて恐竜の全身骨格を展示したという博物館で、そんな歴史を感じさせる迫力の恐竜ホールがあります。その他、蝶々を間近で観察できるバタフライガーデンや、標本やジオラマの美しい展示など、楽しみながら学べるキッズにも人気の博物館です。
フィラデルフィアの歴史ある自然科学アカデミー (The Academy of Natural Sciences of Drexel University) があるのは、美しい彫刻の噴水がある、ローガンスクエアです。
自然科学アカデミーのロビーでは、様々な動物の化石、標本、剥製が出迎えてくれます。自然科学アカデミーは、1812年に設立されたアメリカ最古の博物館であると共に歴史ある自然史研究機関で、1800万点以上の標本や貴重な自然科学系の蔵書を誇っています。2011年に、フィラデルフィアにあるドレクセル大学と提携し、自然科学アカデミー・ドレクセル大学となっています。
恐竜ホール
自然科学アカデミーの一番の見どころが、正面入口を入ってすぐ右手にある恐竜ホールです。そして、恐竜ホールの一番の目玉は、やはり T-Rex で知られる巨大なティラノサウルスです。
ティラノサウルスだけでなく、様々な恐竜の化石も展示されています。トリケラトプスに似た、カスモサウルス (Chasmosaurus belli) と、頭の突起部分に特徴がある、コリトサウルス (Corythosaurus)。
体長 10m 以上もある巨大な魚のような海生爬虫類、ティロサウルス (Tylosaurus) も展示されています。
2~4メートル程と恐竜としては、サイズが小さいのですが、二足歩行でかなりのスピードで走ることができ、集団で狩りをしていたという凶暴な肉食獣、デイノニクス (Deinonychus) も展示されています。
化石を抽出する作業の様子を紹介するラボコーナーもあります。
メザニン階にも展示が続きます。お馴染みトリケラトプスとティラノサウルスの頭蓋骨のキャストなどがあります。
メザニンからは、下の階を見晴らせる他、The Big Dig と呼ばれるキッズ用の砂遊びを楽しめるコーナーもあり、大人気になっていました。
恐竜ホールを見終わったら、グリズリーベアと北極グマが出迎えてくれている正面入口奥に進んでいきます。その他の全ての展示は、こちらにあります。
階段手前の左右には、アート作品のように美しく並べられた標本が飾られています。
昆虫から、魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類、植物など様々な生物が色々な姿で並べられています。
サイエンスライブ
館内には、講演などのイベントが、随時、開催されるサイエンスライブと呼ばれるシアターがあります。シアターの前にも青いロブスターなど珍しい標本が色々と飾られています。
シアターでは、この日も楽しいイベントが開催されていました。ミュージアムで開催される様々なイベントの予定は、こちら でチェックできます。
さらに奥に進んで行くと、ハドロサウルス (Hadrosaurus) の模型が、イラストと一緒に展示されています。アメリカで最初に発見された全身骨格の形跡を残した化石の恐竜が、ハドロサウルス (Hadrosaurus) です。ニュージャージー州の Haddonfield で、1858年に発見され、1868年に自然科学アカデミーで、世界で初めて全身骨格の姿をした恐竜として一般公開され、大人気となったそうです。
世界の動物のジオラマ
2階、3階では、世界の動物がジオラマで紹介されています。2階は、北米の動物コーナーで、巨大なムースなどが展示されています。
ロッキー山脈やグレイシャー国立公園など北米の高山でお馴染みのビッグホーンシープなどもいます。
3階には、サファリのような雰囲気のアフリカの動物コーナーがあります。
3階には、アジアの動物コーナーもあり、ヤクやパンダがいます。
自然史博物館で、必ず展示されているのが動物のジオラマ。そんなジオラマ作りを紹介するコーナーもあります。
バタフライガーデン
恐竜ホールの次に人気となっているのが、蝶々を近くで観察することができるバタフライガーデンです。出入り口は、チョウが体に付いて出て行ってしまわないように、ワンクッション置ける小部屋が用意されています。
バタフライガーデンでは、中南米、東アフリカ、東南アジアなど世界の様々な場所からやって来たチョウを観察することができます。
ヒューストン自然科学博物館 や、ニューオーリンズのバタフライガーデンでも見かけたサナギの成育室。世界各地から輸出されてきたもサナギがいっぱいで、チョウとなる瞬間や、庭を飛び回るチョウの姿を身近に観察することができるようになっています。
Outside In
3階には、別料金となりますが、キッズ用の体験型で自然と触れ合えるコーナー、Outside In があります。砂浜で遊んだり、生き物に触れたりできるようです。
特別展 神話の生き物
自然科学アカデミーでは、常設展の他、期間限定の特別展も開催されています。先日、訪れた時に開催されていたのが、Mythic Creatures というタイトルの神話上の生き物をテーマとした特別展です。
ユニコーンやドラゴン、マーメイド、日本の海坊主、巨大なタコのクラーケンなど様々な神話上の生き物が紹介された楽しい展示となっていました。
この特別展は、現在、終了していますが、2019年6月30日から、来年2020年1月20日にかけて、Dinosaurs Around the World という恐竜をテーマとする特別展が開催され、珍しい恐竜も色々と登場します。
図書館
歴史的な貴重な文献や遺品が所蔵されている図書館もあり、研究・調査用に利用することができます。ただし、事前の予約が必要になります。19世紀にアカデミーの館長だった Joseph Leidy は、ダーウィンと親交があったそうで、ダーウィンの手紙なども残されています。ダーウィンの子孫から、後に贈られた椅子もあるそうです。
ミュージアムは、1時間半程で、見て回ることができます。館内の色々な場所に、キッズが楽しく遊べるコーナーがあり、ファミリーに人気のミュージアムです。
自然科学アカデミー・ドレクセル大学 The Academy of Natural Sciences of Drexel University
1900 Benjamin Franklin Pkwy, Philadelphia, PA 19103 地図
ローガンスクエアには、科学博物館、フランクリンインスティテュート もあります。こちらもキッズに人気のミュージアムです。
その他にも、フィラデルフィアには素晴らしいミュージアムや見どころがたくさんあります。
先日のフィリー一泊二日旅行の様子はこちらです。