フィラデルフィアは、東海岸の歴史ある、美術館や博物館に恵まれている街です。その中のひとつである、フィラデルフィアの科学博物館、フランクリン・インスティテュート (The Franklin institute) という科学館を訪れました。アメリカのミュージアムはどこもそれぞれ個性的ですが、このフランクリン協会科学博物館のミュージアムも、このミュージアムならではの力を入れたみどころが色々あります。ミュージアムの中に入ると、まず出迎えてくれるのは、ベンジャミン・フランクリン。一日に何度か華やかな光のショーも行われています。
フィラデルフィアの街を歩いていると、至る所にみかけるのは、ベンジャミン・フランクリンの像。アメリカ独立前後にフィラデルフィアを中心に活躍し、アメリカ建国の父の一人として、今でも愛され続けている人物です。
実は、この入口部分は、The Benjamin Franklin National Memorialとして国のメモリアルとなっています。像自体は、民間の資金で1938年に完成しましたが、その後、1972年にNational Memorialとなりました。
フランクリンインスティテュート自体の歴史もとても古く、1824年に設立されたアメリカで最も古い科学教育、発展を目的とした組織で、現在の建物は、1931年に完成したものだそうです。科学者そして教育者でもあったベンジャミン・フランクリンの影響を感じさせます。
ミュージアムに興味がなくても、チケット売り場の手前にある、このベンジャミン・フランクリンのナショナルメモリアルの部分だけでも立ち寄ってみてもいいかもしれません。
科学好きは、さらにミュージアムの中へ進んでみましょう。
アメリカの子供たちは、週末やお休みの日になると、こういう充実したミュージアムに連れて来てもらえて楽しそうだな、ってよく思います。
カラクリしかけも楽しそう。クリエイティブな発明はこういう遊び心の中から生まれるのかもしれません。
体の仕組みを学ぶコーナーには、なんと心臓の巨大模型があります。心房、心室の中を走る血液のように、自分たちも歩いて体感することができるという、なかなか面白いアトラクションです。
天体系も充実しています。
プラネタリウムもあり、色々なショーが交替で行われています。
天体系のエリアにはまだまだみどころがあります。屋上に行くと、とても立派な望遠鏡が設置されていて、ベテランのおじさん二人が至れり尽くせり、色々天体について教えてくれます。昼間は太陽の黒点観測ができます。
運動系アクティビティーも子供たちに大人気。
レースをしてみたり。
空中サイクリングをしてみたり。
フィリーの街中だけでなく、館内にも、たくさんのベンジャミン・フランクリン像があります。
ベンジャミン・フランクリンとは?
ベンジャミン・フランクリンは、もともとは、マサチューセッツのボストンの出身です。実は、10代の頃、お兄さんの経営する新聞社を手伝いながら、その新聞に寄稿していました。しかも、中年の未亡人、Mrs. Silence Dogood という名前で、隠れて寄稿していて、人気者になってしまいます。そんなベンジャミン・フランクリンの隠れた行いのせいか、兄弟喧嘩のせいか、家族のいるボストンを離れて、フィラデルフィアへ逃げてくることになってしまいました。
ベンジャミン・フランクリンは、フィラデルフィアでも新聞の仕事に携わりつつ、ロンドンに行く機会を得て旅立ちます。帰国後、今も続くThe Pennsylvania Gazetteを買い取り、オーナー兼投稿者として名声を高めていくこととなります。また、作家としても、”Richard Saunders”という名のもと、年に一度、”Poor Richard’s Almanack” というニュースや天候、パズル、ことわざや教訓など多岐に富んだ内容を含む本を出版していて、それが当時のベストセラーとなり、25年もの間、出版を続け、ビジネス的にも大成功をおさめることとなったのです。
ベンジャミン・フランクリンは、当時は、本当に好奇心のおもむくままに様々なことができたようで、資金を出し合って本を購入し、みんなでシェアするというサブスクリプション式の図書館を設立したり、科学者、発明家、郵便制度の効率化、消防団の組織、American Philosophical Society や University of Pennsylvania など科学や教育の組織設立、政治家や外交官としてなど、スーパーマン的な活躍をしていた人でした。また、有名なフリーメイソンのグランドマスターでもあったようです。
ベンジャミン・フランクリンの功績として、最も知られているは、独立宣言の起草や署名、アメリカの独立戦争へのフランスの協力を取り付け、1783年には、独立戦争の終結となるパリ条約を締結などで、アメリカ独立達成の中心人物の一人となりました。
こちらのビデオではそんなベンジャミン・フランクリンの生涯を紹介しています。
ベンジャミン・フランクリンは、健康と富と知性の秘訣ということで、こちらの 「13 Virtues(13の徳)」を実践していたようです。
1851年に行われた地球が時点していることを示した実験(Foucault’s Pendulum)を模した振り子もあります。
重力を体験して学んでいるところ、だけど、子供にとってはただただくるくる回る楽しい体験かも。
みんなで協力してつくるドミノとか。
大きな昔の電車もまるまる展示されていて、中をみたり、電車のつくりを学んだりすることもできます。
ニューヨークでもフィラデルフィアでも、おそらくアメリカ各地でだと思いますが、特にこの春の季節は、学校の課外活動の遠足でミュージアムに訪れている様子や、家族連れでミュージアムにきて楽しく学び遊んでいる様子をよくみかけます。アメリカのこういう形の教育は本当すばらしいと思います。フランクリン・インスティチュート (The Franklin institute) は、子供連れの家族に特におすすめなスポットです。
フランクリン科学博物館 The Franklin Institute
222 N 20th St, Philadelphia, PA 19103 MAP
フィラデルフィアの観光には、観光パスが大活躍です。