フィラデルフィア美術館 印象派展 開催中!モネ ゴッホら有名アーティストの作品が勢揃い The Impressionist’s Eye

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フィラデルフィア美術館では、現在、ミュージアム所蔵の印象派作品が一堂に会した人気の特別展、”The Impressionist’s Eye” が開催されています。歴史ある美術館が誇る膨大な印象派コレクションの中から普段あまり展示されないものを含め、モネ、ゴッホ、ルノワール、セザンヌ、ドガをはじめ代表的な印象派・ポスト印象派アーティストの素晴らしい作品が勢揃いし、見応えのある展示となっています。

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フィラデルフィアは、ニューヨークとワシントンDCの間にある都市で、1776年に、アメリカの独立宣言が出されたことでも知られています。そんなフィラデルフィアの人気ミュージアム、フィラデルフィア美術館 では、“The Impressionist’s Eye” と題された印象派アーティストの企画展が、2019年8月18日まで開催されています。

会場となっているのは、黄金のダイアナ像のある1階左手にある特別展用ギャラリーで、風景、人物、静物、動物、街の情景など印象派らしい何気ない日常をモチーフとした作品が、テーマ毎に展示されています。絵画が中心ですが、彫刻やデッサンなどの展示も色々あります。

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多くの人が目にしたことがある印象派の有名アーティストの人気モチーフの作品が多く、活気溢れたギャラリーになっていました。今では印象派というと、20世紀以降、現代アート以前の西洋美術の中で最も人気のある分野となっていますが、もともとは19世紀に主流だった、特定の美術学校や展覧会(サロン)を中心とした、モチーフや描き方に決まりごとがあったアカデミックアートに対して反旗を翻した革命的なアートムーブメントとして生まれたアートでした。

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モネ

フィラデルフィア美術館の印象派展で、最も多くの作品が展示されているアーティストの一人が、印象派の代表的存在のモネ (Claude Monet) です。モネの代表的なモチーフの一つ、睡蓮をはじめ、モネらしい美しい作品がたくさんあります。こちらは、1899年に描いたジベルニーの庭の光景、睡蓮と日本の太鼓橋の景観 (Japanese Footbridge and the Waterlily pool) です。

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モネが、1881年に住んでいた、ヴェトゥイユ (Vétheuil) の景観の作品、Path on the Island of Saint Martin。

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こちらの作品も美しいジベルニー周辺の川の様子を描いた1888年の作品、Bend in the Epte river near Giverny。

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ゴッホ

フィラデルフィア美術館で、最も有名な作品の一つが、こちらのゴッホのヒマワリです。37歳と若くしてなくなったゴッホですが、晩年、南仏のアルルで、数多く描いたモチーフが、ヒマワリでした。テーブルと背景が同系色の作品がよく知られていますが、こちらは、壁が淡い青色になっています。

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ゴッホが南仏のアルルに移住した後に数多く描いたのが、頻繁に手紙を届けてくれることから仲良くなった郵便局員家族の肖像画です。こちらは、1888年に描いた郵便局員の奥さんと子供を描いた作品、Portrait of Madame Augustine Roulin and Baby Marcelle。

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ゴッホお馴染みのモチーフ、干し草 (Haystack) のデッサンも飾られていました。

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ルノワール

フィラデルフィア美術館には、モネと並んでルノワール (Pierre-Auguste Renoir) の作品も数多く展示されています。ルノワールと言ったら女性が登場する作品が有名ですが、珍しい静物画や街の風景を描いた作品なども展示されています。こちらは、可愛らしいまだ幼い少女を描いた1875年の作品、Portrait of Mademoiselle Legrand。

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美しい2人の少女を描いた1892年の作品。

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こちらは、ルノワールが、1884年から1887年にかけ、3年以上かけて描いた大作、The Great Bathers です。

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セザンヌ

セザンヌが晩年に過ごした南仏、プロバンス地方の山、Mont Sainte-Victoire を描いた作品。セザンヌは、ピカソやブラックらに影響を与え、キュビスムに繋がっていきます。

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こちらは、セザンヌの1898–1905年の作品、大水浴図 (The Bathers)。ルノワールの大作に影響を受けて、描きはじめたのかもしれません。セザンヌというと静物画や風景画のイメージがありますが、ロンドンのナショナルギャラリー の作品をはじめ、水浴びの作品はいくつか残されています。こちらは、その中でも最も巨大な作品で、最終形だと思われます。

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ドガ

ドガは、初期の頃、当時主流だったサロンにも出展したことがあるアーティストです。ドガといえば、バレリーナと馬のモチーフが有名ですが、今回の展示では、それ以外の作品が印象的でした。こちらは、何かストーリーがありそうな部屋の様子を描いた1868-69の作品。

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こちらは、ドガの1896年の作品、水浴び後の女性 (After the bath)。

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ドガが友人だった女性アーティスト、メアリー・カサット (Mary Cassatt) をルーヴル美術館で描いたものです。

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メアリー・カサット

アメリカ人で唯一、印象派グループの展覧会に出展したことがあるアーティストが、メアリー・カサット (Mary Cassatt) です。フランスで絵画を学び、ドガ、ピサロ、ベルト・モリゾらと親交が深かったようで、そんな影響も感じられる作風です。モリゾと共に印象派の数少ない女性アーティストで、女性、子供、親子のモチーフの作品を数多く残しています。こちらは、1879年の作品で、劇場で真珠のネックレスをしたドレス姿の女性を描いています。

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マネ

アカデミックアートが隆盛だった19世紀中頃、当時のアート界の中心だったサロンと呼ばれる展覧会に出展しながらも、当時の常識破りのモチーフや色使いで、後の印象派のきっかけを作ったとも言える先駆的なアーティストが、エドゥアール・マネ (Édouard Manet) です。こちらは、何気ない日常の光景、船の出航の様子を描いたマネの1868-72年の作品です。

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カイユボット

ギュスターヴ・カイユボット (Gustave Caillebotte) の清涼感溢れる涼し気な川で飛び込んで遊ぶ少年たちを描いた1879年の作品、The Diver。印象派の中では、写実的ですが、現実以上にその場の雰囲気が伝わってくるような作風が特徴です。

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ベルト・モリゾ

印象派の数少ない女性アーティストの一人、ベルト・モリゾ。カサットと同じく、女性や親子の作品を多く描いています。こちらは、バスケットを持った少女を描いた1892年の作品。マネの弟と結婚したこともあり、マネが描いたモリゾの肖像画が多く残されています。

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ロートレック

こちらは、パリの有名なキャバレー、ムーランルージュの様子を描いたロートレック (Henri de Toulouse-Lautrec) の1889年頃の作品。

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この他、カミーユ・ピサロ (Camille Pissarro)、アルフレッド・シスレー (Alfred Sisley)、ポール・ゴーギャン (Paul Gauguin)、そして点描で有名なジョルジュ・スーラ (Georges Seurat) や、ポール・シニャック (Paul Signac) らの作品もあります。
ギャラリーを出ると印象派グッズが色々あるお土産屋さんもあります。

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印象派展の隣のギャラリーでは、幕末から明治初期にかけて活躍した浮世絵師、月岡芳年の特別展、“Yoshitoshi: Spirit and Spectacle” が開催されています。フィラデルフィア美術館は、日本国外では、最も多くの月岡芳年の作品を所蔵しているそうで、70点程もの作品が展示されています。画号は、大蘇芳年と銘打たれた肖像画が出迎えてくれます。

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こちらの作品では、弁慶が義経と出会った五条大橋の様子がドラマチックに描かれています。

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合戦などの歴史画の他、当時の著名人の肖像画、妖怪、美人画や役者絵など様々なジャンルの絵が展示されています。

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フィラデルフィア美術館は、現在、拡張リノベーション工事中で、一部エリアは閉鎖されていますが、常設展も色々あり見どころいっぱいのミュージアムです。

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