アメリカで、ディズニーと言うとロサンゼルスのお隣アナハイムのディズニーランドとフロリダ州のオーランドにあるディズニーワールド、そしてニューヨークのブロードウェイのディズニーミュージカルなどが思い浮かびますが、実はもうひとつ、サンフランシスコにも、ウォルトディズニーファミリーミュージアム (The Walt Disney Family Museum) というディズニーファン必見のミュージアムがあります。ディズニーを創業したウォルト・ディズニーの人生を紹介する博物館で、ウォルト・ディズニーとその家族、そしてディズニーの大ヒット作、人気キャラクターなどがどうやって生まれてきたのかなど興味深い展示がいっぱいです。
ディズニーミュージアム (The Walt Disney Family Museum) は、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジのたもと、ゴールデンゲートナショナルレクリエーションエリア内の緑豊かなプレシディオ (Presidio) というエリアにあります。ミュージアムは、かつてスペイン領の時代に砦があった Main Post と呼ばれるプレシディオの中心部のレトロな雰囲気の美しい赤いレンガの建物に、2009年からオープンしています。ウォルトディズニーファミリー博物館というと、その名称から子供連れのファミリー向けの博物館なのかな、という印象を受けますが、実はそうではなく、ウォルトディズニーファミリー博物館のファミリーとは、ディズニー一家という意味で、ディズニーにまつわる数多くの貴重なコレクションが展示されている、子供から大人まで楽しめるミュージアムです。ウォルトディズニーファミリー博物館は、ディズニーの企業としてのミュージアムではなく、ウォルト・ディズニーの娘である Diane Disney Miller さんにより設立されたミュージアムです。本館ではウォルトディズニーを中心にディズニー一家の常設展が開催されており、本館の裏にある別館では、期間限定の特別展も行われています。
常設展は、ウォルト・ディズニーの人生を振り返る構成となっています。ウォルト・ディズニーはシカゴで生まれ、ミゾーリ州の農家と、カンザスシティで育ちました。その後も、シカゴとカンザスシティを行き来しながらイラストレーターとしてスタートしていきます。このレトロなフィルムがなかなかコミカルで、思わず釘付けになって見入ってしまいます。
ウォルト・ディズニーと、その家族、母親、兄弟などディズニー一家が写真で紹介されています。
幼少期からアート、イラストなどに興味を持っていたディズニーは、色々な作品を残しています。
ウォルト・ディズニーは、第一次世界大戦の起こった1918年には、陸軍に志願しましたが、年齢制限で受け入れられなかったそうです。でもそこで諦めず、こちら にあるように、年齢を偽り、何とか赤十字の救急車の運転手として採用されました。実際にヨーロッパに向かったのは第一次世界大戦の終戦後でしたが、フランスで一年程過ごしました。
フランスでの赤十字の仕事を終え、アメリカに戻った後、カンザスシティコマーシャルアートスタジオで広告用のイラスト製作でクリエイティブなキャリアをスタートさせます。会社の業績が振るわず、すぐにレイオフされ、友人の Ub Iwerks と共に、コマーシャルアートの会社を立ち上げますが上手くいかず、映像広告の会社 (Kansas City Film Ad Company) で働くことになり、アニメへ傾倒していきます。セルアニメーションが主流になっていくと考えたウォルト・ディズニーは、会社との方針が合わず、自分の映像会社を立ち上げます。こちらも、いくつかの作品を製作しますが、ショートアニメ、Alice’s Wonderland を最後に倒産してしまいます。
そして、心機一転、向かったのがハリウッドです。ウォルト・ディズニーがカリフォルニアへ渡る時、ポケットにはたったの40ドルしか入っていませんでした。それが数年後には成功の階段を上り始めます。
カンザスシティで最後に製作した Alice’s Wonderland の売り込みに成功し、1923年ハリウッドで弟のロイと共に、Disney Brothers Studio をスタートします。しばらくは、Alice’s Wonderland 頼みでした。
その後、Oswald シリーズを経て、大ヒットとなるミッキーマウス (Mickey Mouse) の登場となります。ウォルト・ディズニーがミッキーマウスのキャラクターを思いついたのは、なんと、ニューヨーク旅行からの帰りの電車の中だったそうです。ニューヨークで見かけたネズミがきっかけだったのかもしれませんね。
当時のミッキーマウスグッズも色々と展示されていますが、最初の頃のミッキーマウスと今のミッキーマウスではだいぶ変化しました。
ミッキーマウスが映像作品として初めて登場したのは、1928年の11月28日、Steamboat Willie でした。ミッキーマウスは、今年で90周年を迎え、ディズニーランドでは、‘World’s Biggest Mouse Party’ が予定されています。
その後、1933年の3匹の子豚 (The Three Little Pigs)、1937年の白雪姫と7人の小人 (Snow White and the Seven Dwarfs)、1940年のピノキオ (Pinocchio) など大ヒット作を連発していきます。イラストをはじめ、これらの作品に関するものとその時の家族としてのメモリーが一緒に展示されています。第二次世界大戦時など厳しい時代もあったようですが、時代に応じ、ディズニーならではの作品を生み出し続けてきた様子が紹介されています。
館内には、ゴールデンゲートブリッジが美しく見えるスポットもあります。
ディズニーランドの園内に電車が走っていますが、実はウォルト・ディズニーは電車が大好きだったそうです。
ディズニーは、数々の素晴らしい映像作品を生み出してきましたが、そんな映像作品に登場するキャラクターを間近で楽しめるディズニーのテーマパークが初めて誕生したのが1955年です。
カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドのミニチュア模型です。あまりに可愛らしいディズニーの世界がそこにあり、子供たちも大人たちもぐるりと取り囲んで見入ってしまいます。
ディズニーランドの眠れる森の美女のお城です。
ちょうど昨年アナハイムのディズニーランドを訪れましたが、まさに夢の国の楽しいところです。
ウォルトディズニーさんは、1966年に亡くなられましたが、ウォルト・ディズニーの築き上げたディズニーの影響は今でも世界中に溢れています。
ウォルトディズニーファミリー博物館のギフトショップは、ディズニーランドなどとは違う、このミュージアムならではのグッズ揃えでおすすめです。
レトロなミッキー&ミニーもいます。
子供たちにおすすめのディズニーの名作シリーズ。
イラスト画など、デザインやアニメーションに関するものも見られます。
レトロなポストカードもかわいいです。
本館地下では、リトルマーメイドや美女と野獣などのアニメーターの Glen Keane さんの作品を紹介する特別展、Make Believe: The World of Glen Keane が2018年9月3日まで開催されています。
またウォルトディズニーファミリー博物館の本館を出て、裏手に歩いて行くと別館があります。
こちらでは、Walt Disney’s Nine Old Men: Masters of Animation と題された特別展が2019年1月7日まで開催されています。
ウォルト・ディズニーが信頼していたディズニー作品の製作に携わった9人のアーティストたちが紹介されています。ディズニーキャラクターのイラストからそれぞれのアーティストたちの個性的な作品がエピソードとともに紹介されていて、ウォルト・ディズニーを支えてきたアーティストたちについてわかる興味深い展示となっています。
ウォルト ディズニー ファミリー ミュージアム The Walt Disney Family Museum
104 Montgomery St, San Francisco, CA 94129 地図
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