今回のラスベガス旅行の大きな目的の一つは、未だ訪れたことのないグランドサークル上の、アリゾナ州とユタ州の境にある貴重な自然景観の広がるザウェイブ (The Wave) を訪れてみることでした。ザウェイブ (The Wave) は、波のようにうねった台地の景色が美しい絶景スポットの公園なのですが、その周辺は、自然景観の保護のために入場制限があり、一日に入場できるのはなんとたったの20人だけなんです。その20人というのは、早い者勝ちでも予約制でもなく、運も実力のうちというアメリカらしく抽選で選ばれます。抽選はオンラインで10人、現地で10人選ばれる形式で、今回は、最も当たる確率の高い冬のオフシーズンに、ザウェイブを訪れるべく現地の抽選会場へと向かってみました。
ザウェイブ (The Wave) は、アメリカ国立公園を管理する、ナショナルパークサービス (NPS) が管理する公園のひとつです。
ザウェイブは、コヨーテバットノース (Coyote Butt North) という場所にありますが、抽選会場となっている場所は、利便性のいい近くの町、ユタ州カナブ (Kanab) です。カナブに、連邦政府の土地管理局 (BLM) ビジターセンター (Kanab Visitor Center) という場所があり、そこに、ザウェイブのあるコヨーテバットノースへ訪れるための許可証(パーミット)を取るための抽選会場があります。カナブの町の周囲は、赤い岩山に囲まれたグランドサークルらしい風景が広がっていて、とてもきれいなところです。
抽選会場へ向かう前日、大雪が降っていたのですが、その雪の名残がいい具合に白と赤の美しいコントラストを作り出していて素敵な景色が広がっています。
ザウェイブの抽選へ訪れた日は、ちょうど金曜日でした。ザウェイブへの翌日の訪問許可の抽選会は、3月中旬から11月中旬にかけて毎朝行われますが、実はそれ以外の冬の期間は平日のみ抽選が行われるようになっています。つまり、金曜日に、土、日、月の3日分の抽選が一気に行われるのです。金曜日だと3回抽選が行われるということは、通常より3倍お得で、一番当たる可能性が高くなる気がしますが、やはりそういうおいしい日はその分、抽選への参加者も増える日となっています。
抽選プロセスがはじまるのは、8時半から。時間ギリギリに到着してしまい、急いでオフィスの中へ駆け込みました。ところが、会場の雰囲気はいたってのんびり。集合時間を過ぎてしばらくしてから、レンジャーさんから抽選会についての説明が始まりました。ザウェイブ (The Wave) は、一日がかりのハードなトレイルとなること、トレイルヘッドに辿り着くには未舗装の道路を行かなければならず、この日に関しては特に前日の大雪の関係で4WDの車が必要なことなど、様々な注意事項も説明されました。
ビジターセンターでは、天気予報の他、道路の状況、様々な危険性についても説明されています。
説明が終わると、抽選会場の部屋に移動し、グループで一つ申し込み用紙に記入していきます。二重に応募しない限りは、チームみんなで応募しても分かれて応募してもどちらでも構いません。
ザウェイブ (The Wave) に行けますように、と願いを込めながら、記入した用紙を順番に提出していきます。
ザウェイブ (The Wave) の抽選の説明は8時半頃にスタートしますが、抽選への参加の最終締め切りは9時のため、9時に間に合いさえすればよく、実はギリギリの参加でも構いません。この日、8時59分にかけ込みで抽選に参加する人もいて、抽選会のことを知らずにたまたまビジターセンターを訪れてきた人たちが途中から抽選会に参加する姿も多く見られました。
ザウェイブ (The Wave) の抽選会場にある座席は、いっぱいになっていました。50グループ程が抽選に参加しています。
ザウェイブ (The Wave) の現地抽選での1日分の当選者はたったの10人だけです。ただし抽選の結果、最後の残りの枠が1人だけとなった場合、もし最後に2人のグループが当たったら、特例として11人の当選となるルールになっています。
それでは、いざザウェイブ (The Wave) の抽選会がスタートします!
気になる抽選方法はこちら!
そう、何とも言えない可愛いらしいくるくる回すロッタリーでの抽選となります。出てきた玉の番号で当選者が決まります。
抽選会の始まりに、全員の名前と番号が呼ばれます。その番号を覚えておいて、その番号が出て来るのを待ちます。
玉が出てきた後、番号と名前と本人の意思確認が行われます。特に土・日・月の3日分の抽選をする日なので、この日はいいけど、この日は無理という人もいるはずです。そして何よりも、この日は、大雪の後で、ザブェイブの場所までのアクセスがあまりいいコンディションとは言えない日でした。私自身も土曜日が当たったらどうしよう、と思っていました。明日すぐ行くよりは、数日後の月曜日にできれば行きたい。そんな感じで希望は土曜日ではなく別の日がいいと思っている人がもし、土曜日行きの抽選で当たってしまった場合は辞退することができます。その場合は、もう一度その番号は抽選箱の中に戻され、日曜日と月曜日の抽選に再度参加できることになります。この日やはり、土曜日行きが当たった女性が辞退していました。
一人でザウェイブ (The Wave) の抽選にチャレンジしている人もいますが、5人とかグループで来ている人もいました。残り4人の枠の時に5人グループが当たった場合はどうなるでしょうか?これも意思確認になります。その後そのチームメンバー同士の関係はどうなるかは知らないけど、どうする?4人だけ行く?と聞かれます(笑)そのグループはその4人の枠で受け入れました。一人だけ置いてきぼりになります。
ザウェイブ (The Wave) のことを知らずにフラッと訪れて抽選に当たってしまうとんでもなくラッキーな人もいれば、何日も連続で抽選会に通って来ている人もいました。
当選者は、抽選会の後、フィー($7)を支払い、さらに詳しい説明を受けます。
ザウェイブ (The Wave) 行きが当たった場合は、トレイルは、人も目印も少ないため、それなりに準備が必要となってきます。例えば、こちらやこちらのサイトなどを参考に、前もってどんなコースを辿るか予習していく必要があります。
お天気次第ですが、こんな美しい写真や、映像も撮影できるかもしれません。
一方、抽選に外れてしまった場合は、どのように過ごすか再び練り直す必要があります。
外れたら外れたで、ザウェイブ (The Wave) 以外にもお楽しみがあります。ビジターセンターの職員が色々なトレイルを丁寧に教えてくれます。
そんなおすすめの中から、今回は、こちらのトレイルを歩いてみました。
ビジターセンター内には、周囲の地形や文化などに関するちょっとした展示もあります。
連邦政府管轄下の組織と言うことで、恐竜の向こうには、お馴染みの大統領の写真を発見。
ザウェイブ (The Wave) を目指してやって来ましたが、今回は、残念ながら抽選に外れてしまいました。
とはいえ、抽選に参加しながらも、大雪の後ということで、道路状況が悪いのが気になっていたので、それほどがっかりな感じではなかったです。
もし当たったら、タフな道を行かなければいけないので 4WD レンタルしなくては、とか色々考えていましたが、杞憂に終わりました(笑)。
真冬のザウェイブの抽選会はどれくらいの参加者がいるんだろう?ほとんどいないんじゃないか?なんて思ってましたが、今回50グループが参加していて、当選したのはそのうち10数組でした。一人の参加者、グループの参加者色々いましたが、当選確率は 25%位だったと思います。昨年、2017年は、一昨年より20%以上応募者が増え、なんと7300人の枠に16万人以上の人が応募したそうです。
ザウェイブ (The Wave) は、また次回このエリアを訪れた時のお楽しみに取っておきます。
抽選会場は、こちらです。
カナブビジターセンター Kanab Visitor Center
745 East Highway 89
Kanab, UT 84741 地図
ちなみに、オンライン抽選に参加する場合はこちらからです。4ヵ月後の月の訪問日の抽選に参加できます。例えば、3月中の申し込みであれば7月の訪問希望日を3つ選択し、翌月1日、つまり3月の場合、4月1日に抽選が行われます。オンラインロッタリーは、参加費として一グループ当たり9ドルかかり、当選した場合は、当日、1人7ドルのパーミットフィー(許可証料金)がかかります。一日20人限定なので、オンラインでの当選数も、1日につき10人です。ザウェイブ (The Wave) 当選への道のりはどちらもなかなか大変です。