来月8月21日は、アメリカで「皆既日食」が起こります。皆既日食とは、太陽と月と地球が一直線上に並び、太陽が月に遮られて見えなくなり、真っ暗になる現象です。アメリカで見られるのは、なんと38年振りと言うとても珍しい現象です。
今回の皆既日食は、西海岸のオレゴン州から東海岸のサウスカロライナ州まで14の州に渡り、見ることができます。太平洋側から大西洋側へとアメリカを縦断する形で見られる皆既日食は、前回あったのは 1918年、そして次回は 2045年 になるということで、さらに稀な天体イベントとなっています。NASAのサイト では、各地で行われる特別イベントや、安全な観察の仕方、皆既日食の起こるエリアの分かるインタラクティブマップなど、様々な情報が紹介されています。
こちらは、2012年のオーストラリアでの皆既日食の様子です。こんな現象を見ることができるんですね。とても盛り上がっている様子が伝わってきます。
太陽が消えるメカニズムを知らない時代の人々にとっては、この現象はまさに恐ろしく、とても印象的な出来事だったことから、歴史上の文献にも記述が残されていたりします。
かなり珍しい現象なので、最長でも2分40秒程の大変わずかな時間のイベントですが、是非、見てみたい所です。
太陽の全体が隠れる中心食が見られるのはごく限られたエリアとなりますが、アメリカのほとんどの地域で、太陽の一部のみが隠れる部分食を見ることができます。ニューヨークでは、午後2時から3時30分にかけて、最大で、太陽の75% 程度が隠れる部分食を見ることができます。それぞれの場所でどんな風に見えるかは、UC Berkeley と Google による こちら のシミュレーターが視覚的に分かり易く便利です。
アメリカで次回、皆既日食が起こるのは、7年後の2024年4月8日です。日本では、2035年9月2日に、この皆既日食が見られる予定になっています。
ちなみに皆既日食を観察する時は、目を傷めないように Eclipse Glasses という皆既日食観察のための専用眼鏡を使って正しい方法で観察をする必要があります。
ニューヨークでは部分日食が見られます。
太陽観察用の眼鏡がない場合でも、pinhole projection により太陽を間接的に観察することができます。段ボールなどの厚紙、アルミホイル、太陽を映すスクリーン部分となる白い紙を使用し、わりと簡単に自作することができます。こちらでは、眼鏡がない場合に、太陽を安全に観察する方法がいくつか紹介されています。