先日、トイザらス (Toys R Us) がニューヨークのタイムズスクエアにホリデーシーズンに向けた期間限定のポップアップストアをオープンさせました。2年振りのタイムズスクエアへの復帰を果たしたトイザらス (Toys R Us) 、喜びの反面、経営面では自力で立て直すことができず、昨日、破産法(chapter 11) を申請 することとなってしまいました。債務の額は、50億ドル（約5500億円）で、借金のリストラクチャーなど主に財政面での再建となり、お店の営業はそのまま続ける予定のようです。
トイザらス (Toys R Us) は、ニュージャージー州に本拠を置き、世界に展開するアメリカ最大のおもちゃ屋さんチェーン店です。2005年に、プライベートエクイティーの Bain Capital や KKR などにより、当時流行していた巨額のレバレッジドバイアウトで買収され、非公開企業となりました。アマゾンをはじめとしたオンラインビジネスの躍進や、消費者の趣向の変化、レントの高騰など、リテールにとって厳しい経営状況が続いており、最近は、こちらの 2017年の破産企業リスト にあるように、多くのリテール企業が破産法を申請していますが、トイザらスもその仲間入りを果たすことになりました。破産申請は、アメリカとカナダのみで、日本を含めその他の国々のエンティティには影響がないようです。
トイザらス (Toys R Us) は、2年程前まではタイムズスクエアに巨大な店舗がありましたが、ニューヨークの老舗おもちゃ屋さんの FAO シュワルツ同様閉店してしまいました。どちらもファミリー層に大人気の欠かせないおもちゃ屋さんだっただけに残念に思う人もたくさんいましたが、ニューヨークから消えてしまったおもちゃ屋さんが、今年は、ポップアップストア の形で、ホリデーシーズンに向けて戻って来たということでうれしい限りです。破産法の申請があっても今後も店舗はそのまま営業を続けるようなので、どんな工夫が凝らされているか覗いてみたいと思います。
The #TimesSquare store is the place to be today! pic.twitter.com/H77xxQXgvt
— ToysRUs (@ToysRUs) August 26, 2017
ニューヨークで最も有名だった夢のあるおもちゃ屋さん FAO シュワルツ が閉店になったときは、ファンが多いお店だっただけに本当にみんなが悲しみました。
プレスクールやサマーキャンプ、アミューズメントパークなどキッズの学びや実体験に関する業界は、調子がいいだけに、おもちゃ屋さんも実店舗を上手く利用するビジネスモデルに移行するチャンスはあると思いますが、投資ファンド所有の大きな企業ということで、ビジョンがあまり見られない経営となっているのかもしれません。
American Apparel や RadioShack などのケースのように、アメリカの大手企業が chapter 11 による一度目の再生に失敗し、2度目の再生の試みとなる chapter 22 を申請するケースも増えているようです。
