93兆円の大規模アメリカコロナ経済救済法案第二弾とうとう国会で可決!現金給付$600 失業保険拡充 PPPなど

Washington DC Christmas (4)

アメリカでは、大統領選を挟み長い間交渉が続いていた、大規模コロナ経済救済法案が、今春の史上最大220兆円規模の経済救済法案の半分弱程度の規模となる93兆円で、昨日、冬至の12月21日、とうとう可決されました。新型コロナウイルスは、昨年末に発見されて以来、瞬く間に世界中に広がり、いまだに世界中で新型コロナが猛威を奮い続け、世界経済に大打撃を与えています。とは言え、株式市場をはじめとしたアセット市場は上がり調子で、パンデミックの影響はほとんどなし、むしろ調子がいいという業界や企業もあります。身近な経済では、都市部の不動産、ホスピタリティ、エンターテイメントなど大打撃を受けている業界や、資金に余裕がないスモールビジネスも多く、まだまだ失業者も多く、年内ギリギリ間に合った、待ちに待った救済法案です。

新型コロナウイルスによるパンデミックは、治まる気配はなく、現在でも世界中で猛威を奮っています。コロナ対策のために、世界各国では様々な制約が課され、人々の自由な活動が制限され、多くの人々の生活スタイルを変化させ色々な影響を及ぼしています。
アメリカでは、非常事態宣言が出され、実質、ロックダウン状態となってすぐの3月下旬、コロナによる経済的打撃を緩和するため、史上最大となる220兆円規模の新型コロナ経済救済法案、Cares Act が、驚くべきスピードで成立し、迅速に実行されました。当初は、新型コロナの収束を目的としたロックダウン期間中の当面3ヵ月を乗り切るための法案でしたが、結局新型コロナは収束せず、現在も猛威を奮い続けています。ただ、その規模が甚大だったため、株式市場をはじめとした金融市場やその他、様々なアセット価格を高騰させるなどその威力は現在でも続いています。

史上最大220兆円のアメリカ経済救済法 現金給付1人$1200 失業保険拡充など盛りだくさんの支援に期待 The CARES Act

秋から再び感染が拡大し、人々の移動に依存する交通や、都市部の不動産、リテール、ホスピタリティ、エンターテイメントなどの業界のスモールビジネスや、影響を受けたビジネスで働いていた失業者などは大打撃を受け、救済策を待ち望んでいました。
そんな中、ようやく今日、1.4 兆ドルの一般予算に合算する形で、可決されたのが、The Cares Act 第二弾となる、9000億ドルの Covid-10 Relief Bill です。なんと史上最長となる 5593 ページにも渡る法案で、12月21日午後2時に完成し、その数時間後には採決が行われるというかなり強硬なプロセスだったようです。下院では、359-53、上院では、深夜直前に、92-6で可決され、大統領がサインするのみとなっています。5593 ページもある法案、たった数時間ですべてに目を通せたのかという感じですが、前回の法案のように隠れ条項が色々と潜んでいるかもしれません。

アメリカコロナ経済救済法 The Cares Act 第二弾

アメリカコロナ経済救済法 The Cares Act 第二弾の内容は以下のようになりました。

現金給付

The Cares Act 第二弾では、第一弾同様、現金給付が行われます。
収入制限はありますが、すべての人に銀行口座入金で配布されます。
給付金額は以下のようになり、大人は1人$600、夫婦だと$1200、子供は1人に付き$600づつになります。
例えば、夫婦+子供2人の4人家族だと、現金給付金は $2400 です。
前回大人は1人$1200 だったので半分に。子供は1人$500だったのでアップです。

-大人$600 (夫婦合算$1200)、17歳以下の子供一人$600
-収入制限あり $75,000 (夫婦合算 $150,000) から給付金が減少し、$87,000 (夫婦合算$174,000) 以上はなし 2019年のタックスリターンの数字(確定申告の所得)で判断
2020年に収入が下がった人は、タックスリターン時に調整

失業保険の拡充

失業保険は、今現在ある制度での保障に加えて、さらに追加で 1週間あたり $300 が、12月末から3月14日までの11週間に渡って支払われるようになります。
従来は雇用されている従業員しか保障されていませんでしたが、今回、自営業者や、ギグワーカー(UBER などネット上で単発仕事をしている人たち)も受けられるようになります。

-それぞれの州の既存の制度による支払い + 一週間当たり $300 (11週間)
-既存の制度上は、従業員のみですが、自営業やギグワーカーにも拡張

スモールビジネス 条件付給付変換型ローン Paycheck Protection Program

スモールビジネスは、従業員を雇用し続けることを条件に低利のローンを組むことができます。

*スモールビジネス ローン予算は 2840億ドル
-300人以下、第1から第3の四半期の中で、売上が前年比で25%以上下がったスモールビジネスへの低利ローン
-従業員への給料やレントなど特定の使用目的の条件を満たせば返還免除条項あり
-従業員の雇用継続など条件付き
第二弾の Paycheck Protection Program (PPP2) は、前回同様、最大ペイロールの2.5ヵ月分の割当で、ローンの最高額は、$10 million から $2 million に下げられます。特例として、コロナの影響の大きい、レストランやホテルなどは、3.5ヵ月分のローンまで申請することができます。またこれまで、返還免除となったローンの使途は、税金控除不可とされていましたが、今回の法案で、必要経費の控除が可能となることが明記されています。

こちらは、第一弾の Cares Act の PPP の様子です。当初はかなり混乱がありました。

アメリカのコロナ経済支援策は結局どうなった?スモールビジネス救済 PPP の行方

劇場などライブエンターテイメント

25%以上売上減のライブエンターテイメント関連に 150億ドルの給付。

交通

全体で 450億ドル。内訳は、航空会社に 160億ドル、都市交通システムに 140億ドル、州の高速道路に 100億ドル、空港と長距離バスに 20億ドル、アムトラックに 10億ドルです。ニューヨークの MTAにも 40億ドル強が割り当てられるようです。

学校

幼稚園から大学まで学校の支援に、820億ドル。

医療関連(ワクチン・テスト・病院)

ワクチンの購入用に 200億ドル、州の新型コロナ検査に 200億ドル、病院の補助に 30億ドル。

この他、立ち退き禁止が、2021年1月31日まで延長され、困窮している人用に、強制立ち退きのレント補助に 250億ドル、食事補助に 130億ドル、インターネットアクセス補助に 70億ドルが割り当てられています。

また、少し変わり種では、アメリカでは、お客さんとの会食や出張中の食事などビジネス関連での食事代の税金控除は通常50%だけなのですが、2021、2022年は、100%控除可能となる模様です。まだパンデミック中のため、日本の Go to Eat のような扱いですが、収束後は、ある程度飲食業をサポートする効果はあると思われます。トランプさんが以前から強く押していた経済刺激策です。

今回の法案で、除外されているのが、州や市など地方政府への救済で、こちらは、1月に予定されているジョージア州での上院議員選の結果にも影響され、バイデン大統領就任後の懸案事項となります。

5593ページに渡る膨大な法案の詳細は、こちら です。

アメリカのこれまでのコロナ対策は、こちらで紹介しています。

アメリカの新型コロナウイルスの現状と対策 最新情報!

アメリカでは、驚くべきスピードで開発されたファイザー&ビオンテック、モデルナによる二つのワクチンが、緊急使用で承認され、既に接種がはじまっています。大統領に選出されたバイデンさん、現副大統領のペンスさん、ファウチさんも、ワクチン接種を公開で行っています。あと半年くらいで収束することを期待しましょう!

ニューヨークでコロナワクチン接種スタート!アメリカ承認第一号ファイザー&ビオンテック モデルナももうすぐ

93兆円の大規模アメリカコロナ経済救済法案第二弾とうとう国会で可決!現金給付$600 失業保険拡充 PPPなど was last modified: 12月 22nd, 2020 by mikissh