アメリカの物価の上昇、インフレは、最近驚くほどの状況はなくなり、だいぶ落ち着いてきています。
昨年は、消費者物価指数 (CPI) が 7% 以上という、40年振りの高水準のインフレが起こり大変でしたが、アメリカのインフレの象徴になっていた食品価格の代表的なもの、卵の値段などもかなり安くなり、アメリカらしい大胆な大セールもよく行われるようになっています。
9月頃から再び原油価格が急激に上昇したり乱高下する中、長期化しているウクライナ侵攻に加え、ガザ地区での紛争も起こり、インフレ再燃の懸念も出て来ていましたが、逆に原油価格が下落し、エネルギー関連価格全般が少し落ち着いて来ています。
そんな中、今日、アメリカの物価・インフレ率を表す、10月の消費者物価指数 (CPI) が発表されました。
消費者物価指数 (CPI)
消費者物価指数 (CPI) とは、モノやサービスなど、アメリカの物価の動きを捉える経済指標で、アメリカ労働統計局により毎月中旬頃に発表されています。全ての物価を総合した「消費者物価指数 (CPI) 」と、価格変動の大きいエネルギー関連と食費を除いた「コアCPI」があります。
消費者物価指数 (CPI)
10月の消費者物価指数 (CPI) は、昨年11月から今年10月までの一年間の数字です。
消費者物価指数 (CPI) は、市場の予想を下回り、3.2% となりました。7月は、14ヵ月振りに上昇に転じ 3.2%、8月もさらに上昇し 3.7% と2ヶ月連続で上昇し、9月は横ばいになっていましたが、10月は、再び下がって来ています。9月1ヵ月間の消費者物価指数 (CPI) の上昇率は、ガソリンをはじめエネルギー関連の下落により、食費、住宅費などその他の項目の上昇が打ち消され、四捨五入で0.0%となり、久しぶりにほぼ物価上昇がない状態となりました。
コアCPI
変動の激しいエネルギー関連と食費を除いたコアCPIも下降傾向が継続しています。
コアCPIは、10月は 4.0% となり、7月の 4.7%、8月の 4.3%、9月の 4.1% に続いて、緩やかな下降トレンドが続いています。
アメリカの金利の上昇
CPIの動向が、大きな影響を与えるのが、アメリカの政策金利の水準です。パンデミック以降、FF金利(フェデラル・ファンド金利)がゼロの状態が続いていましたが、インフレ抑制のため、この一年間で、急激な利上げが行われ、現在、FF金利は、5.25-5.50% となっています。直近の9月と11月の政策金利を決定する会議、FOMCでは、2回連続で利上げは見送られていましたが、ドットプロットからは、今年中にもう一度利上げを行う可能性が示唆されています。10月は、アメリカ国債価格が急落し、長期金利が上昇しました(利上げ効果)が、11月に入り少し落ち着いて来ています。
また長く停止されていた学生ローンの返済が10月から再開し、こちらも利上げ的な効果が見込まれます。
次回のFOMCは、12月12日から13日にかけて行われ、現状維持、または、25bp の利上げが予想されています。
インフレの加速によりその抑制のために、アメリカで金利がどんどん上がり、モーゲージレート、ローン、クレジットカードなど借入金利が上昇する一方、
預金の金利も上がり、利子が上昇し、アメリカに預金がある人たちにはうれしい恩恵もあります。
消費者物価指数 (CPI) 2023年10月の詳細
アメリカ労働統計局 (Bureau of Labor Statistics) は、今日11月14日、2023年10月の消費者物価指数 (CPI) を発表しました。10月のCPIは、市場の予想値、3.3% を下回る 3.2% となっています。1ヵ月間の上昇は、0.0% となり、久しぶりに物価上昇なしとなっています。
価格変動の激しいエネルギーと食費を除外した、コアCPIに関しても下落が継続しています。
10月のコアCPIは、1ヵ月月間で 0.2% で、1年間では 4.0% となっています。
10月のCPIの主な要因
10月のCPIの最大の要因となったのが、ガソリンの 5% 下落で、エネルギー関連全体は、2.5%下落しています。住宅費、食費などはこれまで通り若干上昇を続けていますが、全体では、ほぼ物価上昇なしとなっています。
食費・住宅費の物価上昇
多くの人々の生活に影響を与える、食費 (自宅 0.3%、外食 0.4%) は、0.3% 上昇で、ここ数ヵ月同様、若干上昇しています。1年間で、3.3% の上昇となっています。
そしてもう一つ、住宅費 は、0.3% の上昇で、こちらは1年間で 6.7% の上昇となっています。
アメリカのインフレ絶頂の時は、スーパーマーケットに買い物に行くたびに値段の高騰を目にし驚いていましたが、その頃と比べて、最近はアメリカのスーパーでの食料品の買い物もだいぶ安くなってきています。食費のインフレの代表であった卵の価格は下落し続けていて、最近、卵の値段が本当に安くなりました。これまで長い間、上昇が続いていた、シリアルやパン製品などもようやく下落に転じています。
旅行費用・交通費・航空券
交通費は、ここしばらく高い水準で推移していますが、10月も 0.8% となっています。航空券は、 8月は 4.9% 上昇しましたが、9月は 0.3% でしたが、10月は -0.9% と下落に転じています。
10月のCPI に関する詳細は、こちら です。
アメリカの消費者物価指数 (CPI) の変化
アメリカの消費者物価指数 (CPI) は、今回のインフレサイクルで初めて 7% を越えた2021年12月以来、以下のように推移してきています。
2021年12月のインフレ率 は、1年間で 7% 📈
2022年1月のインフレ率 は、7.5% 📈
2022年2月のインフレ率 は、7.9% 📈
2022年3月のインフレ率 は、8.5% 📈
2022年4月のインフレ率 は、8.3%、📉
2022年5月のインフレ率 は、再び上昇 8.6% 📈
2022年6月のインフレ率 は、今回のインフレサイクルで最高となる 9.1% 📈
2022年7月のインフレ率 は、8.5% 📉
2022年8月のインフレ率 は、8.3% 📉
2022年9月のインフレ率 は、8.2% 📉
2022年10月のインフレ率 は、7.6% 📉
2022年11月のインフレ率 は、7.1% 📉
2022年12月のインフレ率 は、6.5% 📉
2023年1月のインフレ率 は、6.4% 📉
2023年2月のインフレ率 は、6.0% 📉
2023年3月のインフレ率 は、5.0% 📉
2023年4月のインフレ率 は、4.9% 📉
2023年5月のインフレ率 は、4.0% 📉
2023年6月のインフレ率 は、3.0% 📉
2023年7月のインフレ率 は、3.2% 📈
2023年8月のインフレ率 は、3.7% 📈
2023年9月のインフレ率 は、3.7%
アメリカのインフレの原因
パンデミック中は、サプライチェーンの問題、労働者の逼迫、需給のミスマッチなど様々なインフレ要因がありましたが、現在は、それらのほとんどは解消し落ち着いて来ています。
パンデミックも終わり、インフレはいつまで続くの?と気になるところですが、ウクライナ侵攻に加え、ガザ紛争もはじまってしまい地政学的なリスクが高まっている現在、やはり最も大きな影響を与えているのが、石油や天然ガスなどのコモディティ価格です。石油をはじめとしたコモディティ市場、株式市場、債券市場の綱引きは続きそうです。
原油価格
原油価格の指標となっている、WTI原油先物は、昨年6月には驚きの 1バレル$120 まで上昇していましたが、その後、金融引き締めとそれに伴う景気後退の見込みにより 40% 近くも下落し $75 代付近に。そして3月に $70 以下に急落後、4月に入り再び、OPEC+ による減産発表があり $80 以上に再び上昇、その後 $70代が続いていましたが、夏頃から、再び急上昇し、10月は、$90 を越えた時期もありました。
現在は $80 前後と少し落ち着いて来ています。
アメリカのガソリン価格は、昨年2022年6月は 1ガロン $5 に達しアメリカの物価高にも影響を与えました。その後、$3.2 まで下がりましたが、再び上昇に転じ、夏真っ只中の8月は、$3.8 程まで達していました。現在では、ガソリンの平均価格は、下がって来ていて、$3.35 前後を推移しています。
石油価格は、もともと経済の見通し、減産、政治情勢など様々な要因で変化しやすいですが、エネルギー価格が、より安定するためには、ウクライナ侵攻、ガザの紛争などの終結が重要となります。
モノ消費の物価
モノ消費に関しては、在庫も増え、価格も落ち着き、デリバリーもスピーディで完全に正常化しています。一時期高くなっていた感があるオンラインの価格も、セールがとても増えていてお買い物がしやすくなっています。
旅行費用の物価
一方、久しぶりに自由を満喫できる旅行シーズンを迎え、ペントアップデマンドにより、サービス業セクターはホットになっていましたが、最近はオフィス通勤も戻りつつあり、人々の忙しい日常生活が戻ってきたためか、今はアメリカ国内を中心に少し下がってきています。
アメリカのインフレの経緯
今回の CPI のレポートで明らかになって来たことは、仮に、エネルギー関連価格の下落が継続したとしても、一旦、あらゆるものに波及してしまったインフレを抑えることは容易ではないということです。確たるマネタリーポリシーでの相当な努力と時間が必要となります。目標としている数字は 2%。達成までにはまだもう少し時間がかかりそうです。
高いレベルのCPIの推移により、2023年のソーシャルセキュリティの給付額は、8.7%の大幅アップとなっていましたが、2024年は、3.2%アップの調整 (COLA) となります。
パンデミックにより様々な物の需給が急速に変動し、金融緩和によるアセットバブルの状態が続きましたが、利上げがはじまり、株式市場をはじめ、様々な資産の価格も大きく変動しています。インフレ時には、インフレに連動したアメリカ国債、インフレ連動債もあります。I-Saving Bond は、利率が これまでで最高の9.62% となっていましたが、インフレの落ち着きと共に下降して来ていました。2023年11月から2024年4月までは、横ばいのインフレ連動部分に加え、固定金利部分の上昇により、利率5.27% と上がっていて、条件のいい預金口座やCDと比べてもコンペティティブな金利となっています。
年利5.27%にアップ!アメリカの低リスク インフレ連動預金用債券 I Bonds 2023年11月更新 固定金利部分1.3%に
アメリカのインフレによる物価高も、そろそろ落ち着いてきていますが、
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