大統領選前のニューヨーク!板張りのお店も目立つ緊迫した街の様子 明日はいよいよアメリカ大統領選2020 トランプ vs バイデン

United States Presidential election

アメリカは、明日、11月3日、いよいよ大統領の選挙の日を迎えます。2016年の大統領選で大方の予測を裏切り、僅差で勝利したのが、これまで政治とは全く関係のなかった、リアリティTVスターで、不動産経営者だった、トランプ大統領。その後4年間、予想を裏切ることのない、前例のない大統領となり、良くも悪くも政治がエンタメ化し、国内で煽動や分断が進み、ファンとアンチに大きく分かれ、多くのアメリカ人が強い信念を持つ中、いよいよ明日、現職共和党のドナルド・トランプ (Donald Trump) 対 民主党のジョー・バイデン (Joe Biden) の大統領選を迎えます。選挙前投票では、既に、前回の投票者数を上回る州も出ており、アメリカの歴史的な投票率となることが予想されています。さらに、勝者の決定が先延ばしとなる可能性もあり、そのような選挙後の不安定な状況を予期して、ニューヨークの街中では、警備が一層厳しくなっており、お店屋さんのショーウィンドウを板張りにするなど厳戒態勢となりつつあります。

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いよいよ11月の第一火曜日、明日、11月3日に、注目のアメリカ大統領選の日を迎えます。4年前の2016年11月、予想を裏切り、驚きの勝利をおさめたのが、トランプ大統領でした。その後4年間、物議を醸す様々なコメントや膨大な数のツイートを発信し続け、まさにトランプさんによるリアリティ大統領ショーが続いて来ました。

アメリカ大統領選2016 ようやく終了! そして驚きの結末

リアリティTVスターというエンターテイメントのバックグラウンドからか、単純で分かりやすい、ドラマチックなメッセージでコミュニケーションを取るのが上手で、熱烈なファンとアンチを作り出し、常に大きな注目を集め続けてきたこともあり、多くの一般の人たちの政治や社会への関心を大いに高めてくれました。直観的で思い切りがよく、自分の目的達成のために既存制度上で様々なハックを考え続けるクリエイティブな人物であると思いますが、同時に大統領の権限の大きさと制度の不安定さも明るみにしたと言えます。
いずれにしても、アメリカだけでなく世界を舞台に大きな影響を与えるアメリカの大統領としてのトランプ時代がもうすぐ終わるのか、今後も続くのかを決定する注目の選挙となります。

今回のアメリカ大統領選は、大変な注目を集める大イベントとなっており、ニューヨークでも、様々な場所で、投票を呼び掛ける Vote を目にします。お店屋さんのショーウィンドウでよく見かける “Vote”。

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お花屋さんも呼び掛けてます。”Vote!”

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若者から年配の人まであらゆるアメリカ人たちが今選挙に高い関心を示していますが、実は子供たちもなんです。Vote! と呼びかけながら街中を歩いていました。

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意外と見かけないのは、大統領候補者自身の宣伝です。これは、大統領選の勝者は、アメリカ市民の一般投票 (Popular Vote) では決まらず、州毎に選ばれた選挙人投票(Electoral College) で決定するというアメリカ大統領選挙の独特の制度のためです。例えば、ニューヨーク州はリベラル派が多いので、民主党候補者のバイデンさんの勝利がほぼ確実と考えられており、そんな州では両陣営共に選挙活動をあまり行いません。

州毎に選ばれた選挙人投票 (Electoral College) というのは、各州の人口数に比例した代表となる選挙人の数があらかじめ決まっています。
多くの州では、一般投票による勝者が、その州に割り当てられた全ての選挙人分の票を獲得できます。例えば 51% vs 49% のようにギリギリの僅差で勝った場合でも、その割合の分の票が入るのではなく、その州が持つすべての票を獲得できてしまいます。
このように、どちらが勝つかわからない接戦になりそうな州を、スウィングステート (Swing States) と呼び、特に選挙人数が多い州での選挙戦が激化することになります。今回の選挙で、スウィングステートとして注目されている接戦の州は、フロリダ州、ペンシルバニア州、オハイオ州、ミシガン州、ノースカロライナ州、アリゾナ州、ウィスコンシン州、アイオワ州、ジョージア州、テキサス州などです。
単純に国民一人一人が投票した票の総数で戦えばいいのでは?!と思ってしまいますが、そうはいかないようです。現行の選挙制度では、一般投票で勝っても、選挙人投票で負けるケースもありうるので、以前から制度を改正しようという動きはあるのですが、現行制度でメリットの多いグループや州も多く、制度の変更は中々難しいようです。そんな制度のことがこちらのビデオで解説されています。

大注目の大統領選なので、ニューヨークでも選挙前投票の大行列が出来ていました。郵便投票と会場投票を合わせた、選挙前投票の数が、既に、前回の大統領選の総投票数の 2/3に当たる 9400万票が投じられているそうです。選挙は、それぞれ投票時間など 州毎に個別のルール がありますが、選挙当日は、アメリカ東海岸時間の午後7時から10時位の間に激戦州の投票が締め切りとなります。ニューヨーク州は、他より遅く、午後9時まで投票が受付られています。その後、各州での開票により、選挙人投票 (Electoral College) の総数538の過半数、270をどちらかの候補が獲得した時点で勝敗が決定します。早ければ当日、遅くとも翌日には、勝者が決定することが多いですが、今回はウィズコロナで郵便などによる選挙前投票も多く、接戦であれば勝者が決まらないまましばらく時間がかかる可能性もあります。状況によっては、最高裁での判決に委ねられた、2000年の大統領選、ブッシュ対ゴアの時のように、11月中に決定しないという可能性もあります。
様々なグループが、選挙結果の予測を行っていますが、こちらが、そんな様々なところが出した予測結果を総合した最新の予想地図となります。青い州が民主党のジョー・バイデン (Joe Biden) 派。大都市に多いです。赤いところが共和党のドナルド・トランプ (Donald Trump) 派です。そして、茶色の州が、どちらに転ぶかわからない、スウィングステート (Swing States) です。

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また大統領選と合わせ、現在、共和党が過半数を占める上院議会、民主党が過半数を占める下院議会の一部の議席の選挙も行われ、こちらも勢力に変動があるか注目を集めています。

現在、特に明確な脅威があるわけではありませんが、大統領選に伴って、どちらが勝っても、どちらが勝者になるかなかなか決まらなくても、どちらにしても、デモ活動が活発になる可能性があり、ニューヨークをはじめ、アメリカ各地では、明日の選挙日以降、ジョージフロイドさん事件後のデモ時 に起こったような略奪などを警戒し、お店屋さんは大事をとって板張り(ボードアップ)をする所も出て来ています。
メイシーズの板張りは、シックに黒塗りとなっています。

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5番街沿いのお店もボードアップをはじめています。高級デパートのサックスフィフスアベニュー。

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同じく五番街、セントラルパーク近くの高級デパート、バーグドルフグッドマン。
バーグドルフグッドマンサックスフィフスアベニューメイシーズ と言えば、毎年、クリスマスウィンドウで楽しませてくれています。今年も期待していますが、どうなるか少し心配です。ニューヨークの 5番街の他、SoHo などで、デパートや小売店など、板張りにして備えるお店が増えていて、嵐の前のような感じになっています。

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BLM運動の時も板張りするお店が激増し、そんな板をキャンバスにして、様々なアートやメッセージが描かれました。今回ももしかしてまた板張りアートが登場するかもしれません。

ニューヨークの街中がギャラリーに大変身!SoHo & LES のストリートアートの今

すっかりコロナ一色となってしまった 2020年ですが、今年の大イベントである大統領選が無事終了し、来年2021年から平和な次の4年間がスタートすることを期待したいですね。大統領選がどうなるのか、結果を楽しみに見守りましょう。

アメリカ大統領選2020速報 どちらに転ぶか分からない僅差の接戦が続いています

大統領選前のニューヨーク!板張りのお店も目立つ緊迫した街の様子 明日はいよいよアメリカ大統領選2020 トランプ vs バイデン was last modified: 11月 4th, 2020 by mikissh