アリゾナ、スコッツデールのオールドタウンの近くの素敵なリゾートホテルに滞在中、スコッツデールのオールドタウンを散策してみました。街中には、アメリカ西部を感じさせる彫刻が数多く置かれていて、ギャラリーもたくさんあるとてもアートが溢れた雰囲気の街です。オールドタウンには、そんなスコッツデールの雰囲気を体現したアメリカ西部をテーマにしたミュージアム、Western Spirit: Scottsdale’s Museum of the West があります。同じアメリカでも東海岸からやってくるととても新鮮な、他では類を見ない個性的なウエスタンスピリットを感じることができる、見応えのある興味深いミュージアムです。
Western Spirit: Scottsdale’s Museum of the West は、2015年に、スコッツデールのダウンタウン、オールドタウンに新しく出来たミュージアムです。アメリカ西部にまつわる自然、文化、先住民、開拓、先住民と開拓者の対立の歴史など様々なテーマの展示が行われています。
フロアは、1階と2階の二つで、1階には、展示エリアの他、シアターと屋外の印象的な彫刻が飾られて庭があります。
こちらは、ボストン美術館の正面でも見覚えのある姿の先住民像です。
アリゾナをはじめ、アメリカ西部の自然を描いた風景画も数多く展示されています。
かつて西部劇は、アメリカ映画で、大人気のテーマでしたが、そんな時代の映画のポスターが数多く展示されています。
今まで見たことないようなミッキーマウスが描かれている昔のディズニーのポスターまであります(右端)。毛がふさふさしているミッキーマウスの時代もあったんですね。
このポスターに描かれているのはウォルトディズニーの Silly Symphony という、1929年から1939年に製作されたショートアニメシリーズで、Little Hiawatha という作品です。こんな可愛らしい作品なのですが、ディズニーは今も昔もディズニースピリットがぶれない、ディズニーらしい作品を作り続けているようです。
ミュージアムの建物の真中には、中庭があり、面白い彫刻が色々と飾られています。
アリゾナらしい色の印象的な作品もあります。
アリゾナ北部の先住民、ホピ族の美しい陶器も紹介されていました。陶器は、グランドキャニオン周辺でも、お土産屋さんで見かけることがあります。
カウボーイハットの人を見かけると、アメリカ西部へやって来た感じがします。テキサスでよく見かけましたが、屋内、レストランなどでの食事中でも、カウボーイハットは脱がない習慣のようです。
カウボーイハット、ブーツ、ベルト、などなど西部開拓時代にまつわる様々なものが集められ、美しく展示されています。
色々なデザインの乗馬用のサドルも壮観です。
アメリカ西部アートで著名な John Coleman さんの彫刻の展示セクションもあります。先住民の繊細な表情を捉えた作品群です。
John Coleman さんは、40歳を過ぎてから本格的にアートの活動をはじめたアーティストだそうで、こちらの映像では、アートの対象としている先住民の神話や歴史への関心についても語られています。
ミュージアム2階では、19世紀から20世紀初頭にかけての西部開拓をテーマに、アート作品や歴史的な遺品が展示されています。アメリカ西部で欠かせない動物、バイソンも数多く登場しています。
アメリカ西部が未開の地だった頃の探検の様子も人気のモチーフです。
Charles Marion Russell や Frederic Remington など、アメリカ西部アートで最も著名なアーティストの作品の数々も展示されています。
アメリカ西部アートは、以前訪れたことのあるテキサス州フォートワースの エイモンカーター美術館 も充実したコレクションを誇っています。
また、現在、ニューヨークの メトロポリタン美術館 でも、Frederic Remington の特別展が行われていて、こちらのようなダイナミックな作品が見られます。
アメリカ西部の近代アートのセクションでは、国立公園となっている美しい自然を描いた Thomas Moran の作品なども展示されています。こちらは、ヨセミテ国立公園。一階では、グランドキャニオン国立公園をテーマとした作品も展示されていました。
そして、イエローストーン国立公園。
こちらの映像では、イギリス出身のハドソンリバー派の画家、Thomas Moran の作品をはじめアートが、イエローストーンの世界初の国立公園の成立に大きな役割を果たしたことが紹介されています。
見れば見る程、愛嬌あるユニークな顔をしているバイソン。
珍しい先住民たちの衣装なども展示されています。
歴史を振り返る展示のお隣には、そのストーリーや歴史的な作品群に影響を受けたアメリカ西部のコンテンポラリーアートのセクションもあります。
絵と同じ彫刻を並べて展示する面白い展示方法。まるで絵から飛び出してきたみたいなんです。しかもこのインディアンと兵隊さんが向き合っているように展示するのも多く、他の美術館にはないストーリーのある展示手法が面白いです。
この他、1階ではアリゾナらしい風景を描いたローカルアーティスト、Marjorie Thomas のセクションもあります。
見る角度によって、形状の変化する面白いトリックアートもありました。自分が動くとアートも動く計算し尽された作品で、本当に釘付けになります。
ミュージアムのお土産屋さんでは、楽しいローカル工芸品がいっぱいでした。
見学の所要時間は、大体2時間程度でゆっくり見て回ることができます。アリゾナ州スコッツデールを訪れたらおすすめの、アメリカ西部らしい雰囲気を味わうことができるミュージアムです。
Western Spirit: Scottsdale’s Museum of the West
3830 N Marshall Way, Scottsdale, AZ 85251 MAP
スコッツデールはこんな素敵な雰囲気の街です。