where-to-invade-next-moore

マイケル・ムーア監督の新作トラベログ映画『Where to Invade Next』

where-to-invade-next-moore
(Twitter/WhereToInvade)

アメリカ社会の問題点を鋭く、皮肉を交えながら、ちょっと大袈裟に描いたドキュメンタリー映画を製作することで定評のあるマイケル・ムーア監督の新作『Where to Invade Next』が、来月、2月12日からアメリカで公開されます。
今回の作品は、そのタイトルから軍、戦争関連の話なのかと思わせながらも、実はそうではなく、ヨーロッパ各国を周るトラベログ形式の作品です。イタリア、フランス、フィンランド、ドイツ、アイスランドなどヨーロッパ各国を周り、それぞれの国の社会のスタンダードや経済政策について知り、アメリカ社会と比較しながら、いいアイデアを持ってこようといったテーマの作品です。ということで、今回の新作『Where to Invade Next』は、旅行好きの人や国際文化に興味がある人にも楽しめる作品ではないかと思います。

現在、マイケル・ムーア監督は、ミシガン州フリント出身ということもあり、同市で問題となっていて、全米でも注目されている、鉛による水質汚染問題に対しても、こんなキャンペーンで声を大きく上げているようです。
そんなマイケル・ムーア監督の最新作である『Where to Invade Next』は、アメリカの金融危機を描いた前作の『Capitalism: A Love Story』以来の久々の作品となり、昨年、トロントやニューヨークの映画祭、その他、いくつかの場所で特別に上映されていました。それが、いよいよ来月から一般に公開になります。マイケル・ムーアさんは、ドキュメンタリー映画として最も興行成績がよかった作品である、9/11事件後のアメリカを描いた『Fahrenheit 9/11』をはじめ、物議を醸す題材に取り組んでいる映画監督です。取り上げたい問題点を際立たせる構成なので、バランスに欠ける側面があり、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、それを理解した上で、社会の問題点などを知るのにいい作品だと思います。

こちらが新作『Where to Invade Next』のトレイラーです。美食の国、フランスの小学校の子供達に、アメリカの給食の写真を見せた時、どんな反応をするか?フランスの子供たちのリアクションに思わず笑ってしまいます。

アメリカの給食といえば、学校のカフェテリアですが、アメリカの大学など学校のカフェテリアで食事をした経験がある人なら分かると思います。日本やフランスなど日常の食事のスタンダードが高い国から来た人には、アメリカのカフェテリアの食事は、最初大きなカルチャーショックを受けると思います。

meals-comparison
(Twitter/WhereToInvade)

子供の頃は当たり前だった学校給食も、今思い返してみると、日本の給食のレベルは栄養面もしっかりと考慮されていて、かなりの高水準ですね。最近では、アメリカ全般で、グルメブームが起こっていて、食に対する興味、こだわりも強くなりつつあるので、昔に比べたらアメリカの学校のカフェテリアのレベルも味、材料、栄養など様々な点で良くなっていっているかもしれませんね。

アメリカの社会制度的な問題として、必ず挙げられるのがヘルスケアです。そんなヘルスケアの問題についても、オバマケアが成立する以前ですが、2007年に公開された作品『Sicko』で描いています。
こちらはそのトレイラーです。なかなか良くできた作品で、オバマケアの登場などで少し事情は変わって来ましたが、アメリカのヘルスケア事情を知るのにおすすめの作品です。

こちらの記事でも紹介しましたが、アメリカでは、それぞれの保険会社が医療機関と値段の交渉をするため、保険がないと大変な金額を請求されることがあります。

旅行中ニューヨークで出産、そして驚きの診療費!恐ろしいアメリカの医療制度

インターネットのない時代は、メディアのチャネルが限られていたので、偏った一方向からの見方の報道ばかりで、物事を多角的な視点から理解するのが困難でした。インターネットの登場により、今まであまり伝えられることのなかった事実や問題などを探求する “Investigative Journalism” も盛んになり、ブログなどウェブ上で様々な視点からの情報発信も増え、各々が色々な情報に簡単にアクセスできるようになりました。

マイケル・ムーア監督は、映画という媒体を使って社会問題を取り上げメッセージを送っていますが、最近では、例えば、企業の隠れトリック、悪行などを調査し、オンライン上でそんなリサーチを発表するといったグループも出てきて、悪は野放しにされない社会になりつつあります。
昨年、特に話題となったのは薬価問題。こちらの記事でよくまとめられていますが、多くの製薬会社は、アメリカ内で、すごいペースで値上げを行っていて、中には、5000% 値上げしたという例もあり、あるグループのレポートがきっかけで、急成長中であった製薬会社、Valeant Pharmaceuticals の値上げトリックの一部が注目を集め、株価は暴落、大変な話題となっていました。近々、ValenantのCEOらは、国会に呼ばれ証言するようです。
薬を5000%値上げし、一躍、‘Pharma Bro’として悪名をあげ、最近、別件で逮捕されているMarin Shkerliも呼ばれているようです。

とは言え、一番の原因は悪用されやすい制度な気がしますが。

マイケル・ムーア監督の新作トラベログ映画『Where to Invade Next』 was last modified: 10月 1st, 2020 by mikissh

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。