世界遺産 カールズバッド洞窟群国立公園 を午前中に訪れた後、3時間半ほどドライブしてニューメキシコ州南部のもうひとつの有名な見所、ホワイトサンズ国立公園 (White Sands National Park) へやってきました。ホワイトサンズ国立公園は、アメリカ国立公園になる前は、ホワイトサンズ国定記念物 (White Sands National Monument) と呼ばれていました。日中のホワイトサンズも美しいですが、ホワイトサンズ国立公園の見どころのハイライトの時間は、明け方や夕方で、その時間帯がゴールデンタイムと言われています。日程的にもちょうど合うため、がんばってなんとか日の入り前にホワイトサンズにすべりこむようにやってきました。
人はそんなに多くはありませんでしたが、みんながはしゃいで写真撮影をしています。
ホワイトサンズに入る前まではひたすら荒野の景色をドライブしてきます。公園内に入ってすぐ、そこに広がっているのは真っ白な別世界。雪国に迷い込んでしまったかのような真っ白さにただただ驚きます。訪れるまではどれほど広い公園なのかと心配しましたが、園内には、この Dunes Drive という1本の道路が走っているだけで、シーニックドライブとしては、往復で16マイル(26km)程です。車は普通車でOKです。
夕日が綺麗な時間にちょうど到着することができました。まるで新雪の降り積もったばかりの雪景色のような光景が広がっています。
真っ白な砂丘、ここは大昔は浅い海の中だったようで、実はこれ、アラバスターいう雪花石膏(gypsumの一種)の粒子の砂でできているんです。普通の砂は太陽が照り付けると熱を吸収して熱くなりますが、この石膏は熱を吸収しないのでかんかん照りの真夏でも砂丘を裸足で歩くこともできるのだそうです。す。
美しい白砂というとビーチを思い浮かべます。この粒子、とても水に溶けやすいので、行き着く先は、普通海となりますが、ここは盆地、雨があまり降らないこともあり、海からはるかに離れたこの場所にとどまっており、地上では世界最大の石膏の堆積物となっているそうです。
ホワイトサンズの楽しみ方のひとつに、そり遊びがあります。ビジターセンターでもそりの販売をしていて、新品のものと中古のものと選べ、帰りには、その使い終わったそりを買い取ってくれるシステムまであります。なかなかの傾斜でサラサラの砂丘なので、スピードが出てスリリングなようです。今回は時間がなかったので、再び訪れる機会があればぜひやってみたいです。
砂丘を越えて少し歩いてみると、そこに広がる幻想的な世界は絶景です。
この真っ白な砂漠の世界では、人間はとても小さく見えます。今回は夕方到着だったので、少し歩いただけで、本格的なハイキングをする時間はありませんでしたが、ここにはハイキングコースは4つあります。一番奥の最も長いハイキングコース、Alkali Flat Trailでは、出発時と戻ってきた時に記録をとって管理しています。道順も立っているポールを目印に見ながら進むように指示されますので、遭難してもおかしくないくらいの広大な白い砂漠が広がっているのです。
美しい世界の広がるホワイトサンズ、世界遺産になってもおかしくないように思いますが、どうして世界遺産にならないのでしょうか?
このホワイトサンズは、実は、2008年に、暫定的世界遺産のリストに加わったそうです。しかし、ホワイトサンズ・ミサイル実験場(White Sands Missile Range)というロケット発射実験の拠点と隣接していて、世界初の核実験も行われた場所でもあり、アメリカにとっては大切な軍事施設のひとつ、そのため、世界遺産になると保存などの新たな制約で、軍事演習等に影響が出る恐れがあるということで、アメリカの世界遺産リストから取り除く要請をしたそうです。真実を知ってしまうとちょっとびっくりですが、ホワイトサンズ国立公園は、本当に美しい絶景スポットで、夕日に輝く白砂の絶景に感動する素晴らしい場所です。
もう少しゆっくりと絶景を堪能していたかったのですが、厳格なスタッフが見廻りをしていて、閉鎖時間の30分前くらいから帰るように圧力をかけてきますので(笑)、ある程度余裕を持って到着することをおすすめします。ホテルは、ホワイトサンズ国立公園から近い町、Alamogordo のホテル に宿泊しました。ホワイトサンズ国立公園へ行く時の拠点としておすすめだと思います。
合わせて訪れたい国立公園、カールスバッド国立公園。まだまだある、テキサス・ニューメキシコ のおすすめ記事 もご覧ください。
ホワイトサンズの幻想的な映像です。今まで、世界の様々な所を訪れていますが、ここはなかなか他に似ている所が思い浮かばないくらいユニークな場所で、心に残る感動の絶景を堪能することができます。