ニューヨークのホイットニー美術館では、2年に一度行われる恒例のアメリカンアートの今を紹介する特別展、ホイットニーバイエニアル (Whitney Biennial) が開催されています。もともとは、2021年開催の予定でしたが、一年延期され、2019年以来3年振りの開催となり、久しぶりのアート鑑賞を楽しみにたくさんの人がやって来ています。日常を取り戻した喜びを表現しているようなお祭り気分の会場で、花火や観覧車のような作品、映像・体験型など空間を重視した作品が多く登場し、まるで大人の遊園地のような面白い雰囲気になっています。
ホイットニー美術館は、ニューヨークのオシャレな人気エリア、ミートパッキングディストリクトにある、アメリカアートのミュージアムです。1930年に設立された歴史ある美術館で、2年に一度のアメリカンアートの今を伝える特別展、ホイットニーバイエニアル(Whitney Biennial) は設立されてからすぐ1932年から始まりずっと開催されている恒例イベントです。
通常は、2年に一度のスケジュールですが、今回は一年延期され、3年振りのイベントとなります。今年2022年のホイットニーバイエニアル (Whitney Biennial 2022) は、”Quiet as It’s Kept” というテーマの下、63組ものアーティストやグループによるアメリカらしい多様な作品が展示されています。
ホイットニーバイエニアルの主な会場となっているは、5階、6階とアウトドアスペースです。5階と6階のギャラリーは、ガラリと雰囲気が異なっていて、明と暗な感じで対照的になっています。
5階は、Renzo Piano がデザインした ホイットニー美術館の広々とした空間美 が、際立つようなギャラリー構成になっていて、広い空間にアート作品が点在し、アートフェアのような雰囲気です。
アメリカらしい抽象表現主義的な作品も色々飾られています。
多数のコインを積み上げた面白いアイデアのもの、工事現場を再現したものなど、多種多様な作品が展示されています。アメリカで活動するアーティストが中心ですが、メキシコやカナダのアーティストも含まれている他、世界各国出身のアーティストも多く含まれています。
コミカルな赤い鳥に思わず目がいってします。隣にある、天井から伸びるいくつものスクリーンには、ディズニーやネットフリックスなど大企業をターゲットとしたアート作品が並びます。前回のホイットニーバイエニアルと比べて、社会的なメッセージが込められた作品は、全般的には、少なくなっていますが、強大になり過ぎた感のあるテクノロジー系大企業への批判をテーマにした作品などが登場していました。NFT 系アート でも、よくテーマになっているモチーフです。
5階のアウトドアスペースには、先日、メトロポリタン美術館の特別展で見かけたばかりのアーティスト、木など様々な素材を使用したリアリズム彫刻で知られる、チャールズ・レイ の作品が飾られています。
6階のギャラリーは、5階とは一転し、映像や写真作品が映える、ブラックで統一されています。ニューヨークに新たに登場した写真美術館、フォトグラフィスカ のような雰囲気です。
前回と比べ、圧倒的に存在感を増して来ているのが、映像作品です。特に6階のギャラリーには、寝転がって上を見上げて鑑賞するものから、映像に合わせて音や風で臨場感を持たせたものなど様々な趣向を凝らした作品が色々と上映されています。
空間を利用したインストレーションアートも色々あり、作品を順番に鑑賞するため、行列が出来ているものもあり、なんだかテーマパークの人気アトラクションに並んでいる気分になります。
“An Introduction to Nameless Love” と題されたメッセージ、文字をモチーフとした作品は、存在感がありました。
黒を基調としたクールな抽象アートの作品も、ブラックの背景に映えています。
ビジュアルアートだけでなく、文学にビジュアルを組み合わせた感じの作品もあり、幅広いアートが紹介されています。こちらは、Steve Cannon さんの A Gathering of the Tribes と題された作品です。
6階のアウトドアスペースには、まるで花火のような作品が登場しています。
ホイットニー美術館の7階や8階からは、ニューヨークの絶景も楽しめます。
2019年に開催された前回のホイットニーバイエニアルはこちらです。
ホイットニー美術館の基本情報は、こちらです。金曜日の夜は、特に夜10時までやっていて、美しい夕焼けや夜景も楽しめます。
ニューヨークのまだあるおすすめミュージアムはこちら。
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