ホイットニーバイエニアル 2024!2年に1回 ニューヨークの歴史ある最新現代アート特別展

ニューヨークを代表するアメリカンアートに特化したミュージアム、ホイットニー美術館では、2年毎に開催される歴史ある現代アート展、ホイットニーバイエニアル (The Whitney Biennial) が開催されています。ホイットニーバイエニアルは、1932年にスタートした歴史ある現代アートの特別展で、直近2年間に制作された数多くのアーティストの最新アート作品が展示されます。スタイリッシュな空間に新しい実験的な作品が数多く展示され、多くの人が想像するアートとは異なることも多いですが、今の時代を反映するアート、新しいアイデアに興味がある、刺激を受けたいという人に、おすすめの特別展になっています。

ミートパッキングディストリクトにあるホイットニー美術館では、2024年3月20日から8月11日まで、2年に1度開催される最新のコンテンポラリーアート特別展、ホイットニーバイエニアル (The Whitney Biennial 2024) が開催されています。
ホイットニー美術館の5階と6階を中心に、常設コレクション展の7階、別の特別展が行われている8階を除く、全てのギャラリーが会場となり、総勢71人ものアーティストの最新作が展示されています。

今回のホイットニーバイエニアルで特に印象的だったのが、イマーシブエクスペリエンスのような記憶に残る体験型アートとなるように、囲い込んで独特の世界を作り出したり、展示スペースもアート作品の一部として工夫を凝らしたインストレーションアートの作品が多く見られたことです。
そんなトレンドが顕著だったのが、近年、存在感を増している映像作品です。中に何があるんだろう?と興味を抱かせる存在感のある入口です。

注目を集める個性的な照明を用い、ソファや椅子に座れたり、横になったりできるスタイルの映像作品のギャラリーが色々あり、思わずくつろいで長居している人も多かったです。

こちらは、展示スペースに入ると、いくつものスクリーン、彫刻作品などその他のアート作品まで飾られたり、演出にこだわり、おしゃれな別世界が作り上げられていた印象的な作品です。

展示スペースにこだわった作品は、映像だけではありません。広々とした空間に、ぽつりとヴィンテージのピアノがあって独特のリズムを自動演奏するもの、天井に電気ネットが吊るされている黄色いスペースのものなど色々なコンセプトアートの作品があります。
こちらは、巨大な写真用ネガフィルムという面白い素材を用いた作品で、いくつものフィルムが天井から吊るされ、不思議な空間を作り出しています。展示スペースには、人数制限があり、行列が出来ています。

アトラクションの中のような照明と坂の凹凸が印象的な展示空間が印象的な作品。最近は、巨大な空間を用いたイマーシブエクスペリエンスのアトラクションが人気になっていますが、そんなプロジェクトにかかわっていたり、影響を受けているアーティストも増えているのかもしれません。

巨大な展示スペースだけではありません。ギャラリーの壁に空いた不思議な形の穴の中という意外性のある小さな場所に隠された作品もあります。

面白い形状や、組み合わせだったり、素材だったり、思わず注目してしまう巨大な存在感のある抽象アートの作品も色々ありました。
見る人によって見え方が変わる、波を打つような、または動物の角のような金属の像から上に引っ張られるように伸びる風船のようなネットの対比が面白い作品。

巨大なアクリル素材にアクリル絵具でいくつものレイヤーに渡って色付けされた作品が大きなスペースに悠々と飾られています。

無機質な黒い石板と金属棒に二つの胸像が飾られているシュールな作品。奥には、写真がずらりと並んだ現代的な作品が飾られています。

すっかり現代アートの定番となっている、社会的なメッセージ性のあるアート作品も色々。

土で作られたホワイトハウスが傾いているという、こんな作品もあります。

その隣では、トランスジェンダーのアクティビスト、Marsha P. Johnson の像があり、そんな様子を見守っています。

インストレーションアートや映像作品が多い中、意外で面白かったのが、色合いや模様など近代アートのリバイバル風の作品もいくつか登場し、逆に新鮮でした。
抽象的な感じと色使いが、パウル・クレー (Paul Klee) を彷彿とさせる作品。

丸みのある個性的な模様、そして少し浮世絵風の色使いとフラット感が印象的な作品。

この日は、珍しく3階の劇場、ホイットニー美術館のイベントスペースもウェルカムな感じで開放され、くつろぎの空間になっていました。

今回、2024年のホイットニーバイエニアルは、前回と比べるとスタイリッシュで大人しい感じの作品が多かったような気がします。最新の現代アートを見てみたいという人におすすめです。

2022年に、2019年以来3年振りに開催されたお祭り感のある前回のホイットニーバイエニアルの様子は、こちらです。

ホイットニーバイエニアル 2022!最新アメリカンアート作品が勢揃い 大人の遊園地のようなギャラリーに

現在は、あらゆる分野でAIブームが巻き起こっていますが、ホイットニー美術館の8階では、そんなAIの先駆け、コンピューターアートで知られる、イギリス出身、アメリカで活動したアーティスト、Harold Cohenさんの特別展、HAROLD COHEN: AARON が開催されています。
Harold Cohenさんがアート制作のシステム開発をスタートしたのは、なんと1968年からです。カリフォルニア州立大学サンディエゴ校にいた頃で、その後、今回の特別展の題名にもなっている、AARON と呼ばれるシステムをスタンフォード大学にいた 1970年代に着手し、亡くなる 2016年まで改良を続けていました。そんな Harold Cohenさんの作品が多く残されています。
このAIアートで面白いのは、ランダムなアーティストの作品をまねる、いわゆるパクリ作品を基本とするAIアートとは異なり、自分で細かに設定するルールベースによるアルゴリズムなので、個性があり、人間らしさの残った作品に仕上がっていることです。

Harold Cohenさんらしい個性的な作風をキープしながら、自動でデッサンを描くシステム、AARON の実演も披露されていて、とても興味深いものでした。

AARON によるデッサンの数々も展示されています。

ホイットニー美術館は、美しい空間が広がるミュージアムで、おしゃれしてお出かけするのにおすすめのスポットです。
ホイットニー美術館の基本情報は、こちらです。

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ホイットニーバイエニアル 2024!2年に1回 ニューヨークの歴史ある最新現代アート特別展 was last modified: 4月 30th, 2024 by mikissh