久しぶりのニューヨークのミュージアム訪問となりますが、先日、ホイットニー美術館へ行ってきました。今回のお目当ては、現在行われている映像アートの特別展です。映像という体験型の展示ということでとても賑わっていました。ニューヨークのミュージアムはどこもシーズンごとに様々な特別展が行われ、常設展に関しても模様替えされていたりと、訪れるたびに変化が見られ、毎回新しい気持ちで楽しめるのが嬉しいところです。
ホイットニーミュージアムが新しくミートパッキングエリアに移ってきたのは、まだ昨年、2015年の春のことです。それ以来、季節毎に訪れていますが、毎回、斬新なテーマの特別展や新しく登場する作品などに驚かされます。
今回、特に印象的だったのは、やはりワンフロアすべてが映像アート作品でいっぱいになっている特別展です。
これは、“Dreamlands: IMMERSIVE CINEMA AND ART, 1905–2016”と題された映像アートに焦点を当てた特別展で、2017年2月5日まで行われています。
1905年に作られた 当時コニーアイランドにあったテーマパーク Dreamland も登場する “Coney Island at Night” という作品から現在に至るまで、20世紀のエンターテイメントの主役であった映像を用いた様々な作品が展示されています。
不思議な夢の世界に迷い込んだようです。
それぞれの作品の部屋でそれぞれ独特の世界感がつくり出されています。
アニメの世界。
フロアいっぱいにフィルムが埋め尽くされているお部屋。
映像が流れ続ける真っ暗闇な空間。思わず、作品にのめりこんでしまうこの雰囲気は、先日、京都で宿泊したアンテルーム京都のコンセプトルームを思い出してしまいます。
ニューヨークのホテルをテーマにした絵では、ガラス張りの美しいバスルームからニューヨークの摩天楼が見える、そんな様子が描かれていました。
このコンビネーションは、ミスターブレインウォッシュの作品を思い出させませすが、正真正銘のアンディー・ウォーホールの作品です。
こちらも Andy Warhol。
特別展の映像作品以外にも印象に残る作品がたくさんあります。今までも展示されていたのかもしれませんが、定期的に展示の位置が変わっているためあらためて作品に目が留まります。
なんだかシュールな作品。ビンに閉じ込められたおじさん。
白黒モチーフのかっこいい作品も。
印象的な金の靴。Gary Simmons さんの Lineup という作品です。金の作品といえば、グッゲンハイム美術館に18金のゴールドのトイレが展示されていて、しかも実際そのトイレは利用できるということで、行列ができて話題になっていますが、金のアートは流行なのかもしれません。
また、靴を並べた作品といえば、以前クーパーヒューイットで見た Thome Browne さんのシルバーで輝くおしゃれな作品も思い出します。
ホイットニー美術館は、屋上展示スペースも楽しめます。こんなかわいらしい作品も飾られていました。
屋上からは、雲の流れが美しい、周りの景色も見られます。
今回の映像展示で印象的だったもののひとつは、Hito Steyerlさんの “Factory of the Sun” です。今回の展示では最も新しいものであり、2015年にヴェネツィア・ビエンナーレへ出品された作品だそうです。ここにいると近未来空間に引き込まれていく感覚になります。
アートとは自由に表現し、自由に楽しむものだ、ということを体感させてくれるミュージアムです。映像の進化形ということで、もうすぐバーチャルリアリティーのエンタテイメント、アートが人気となっていきそうですね。