この日は、ようやく春らしい、いいお天気の日だったので、ガンズボート・マーケットを訪れた後は、久しぶりのハイラインへ向かいます。最近すっかりニューヨークの名所となっているハイラインは季節が違うと、景色も異なり、違った楽しみ方ができます。前回、夏にハイラインへ訪れた時には見られなかったものも発見しました。ミートパッキングディストリクトとチェルシーはどんどん開発が進んでいる地域、季節のよくなるこれからの時期、ますます活気づいていくだろう思います。実は、アッパーイーストにあった現在閉館中のモダンアートのミュージアム、ホイットニーミュージアム (Whitney Museum of American Art) の新しい拠点もこのハイラインの真隣に建設中で、もうじき移転してきます。新天地でのオープンは5/1、1ヶ月後です。そんな発展中のミートパッキングエリアとハイラインの新しいスポットや変化をみてみましょう。
ガンズボートマーケットからとことこ歩いてくると、お店や高層の住居に囲まれた、ハイラインの一番南側の入り口に着きます。
そのハイラインの下に、とてもおしゃれなレストランができたのです。名前は、Santina。リグリア州や、アマルフィ、トスカーナ、ヴェニスなどイタリアの沿岸沿いの代表的な美食の地域のお料理を取り入れたシーフードや野菜中心のイタリアレストランです。このお店の立地もマンハッタンの沿岸沿いにあるからコンセプトにぴったりでしょ、ということです。こんなに綺麗なお店です。
Santina
820 Washington St, New York, NY 10014 (Gansevoort St & Little W 12th St)
この美しいレストランは、実は、新しくできるホイットニーミュージアムに隣接していて、その美術館の建築デザインをしたレンゾー・ピアノ (Renzo Piano) さんのデザインしたガラス張りの建物の中に入っているレストランなのです。
ハイラインの最南端と隣接した場所にできるホイットニー美術館新館。
まさに Renzo Piano さんらしいデザインで、とても明るく開放感がある素敵なミュージアムです。Morgan Library & Museumのリノベーションといい、テキサス、フォートワースのKimbell Art Museumのデザインといい、Renzo Pianoはミュージアムデザインでも引っ張りだこのようです。
Whitney Museumによる新しい美術館の館内の紹介ビデオです。
“Whitney Unpacking in the Meatpacking May2015”
ホイットニーミュージアムは2015年5月にミートパッキングディストリクトへ引っ越してきますよー、という宣伝で、引越しを連想させる梱包用のプチプチ(エアクッション)でカバーされた看板。なかなかいいセンスです。
こちらは、完成後に訪れた時の様子です。素晴らしいミュージアムに変身していました。
ミートパッキングエリアはもともと精肉業者が入っていた建物がどんどんおしゃれなレストランやブティックに変わっていった場所なのですが、今でもホールセールの精肉業者としてがんばっているところもあるようです。
ハイラインはいつ訪れても、撮影や中継が行われています。
ハイラインを歩いていると、ニューヨークらしいアートを売っている出店にもあいます。
ぽかぽかした気持ちのいい日は、ベンチは満席。
ニューヨークアートの出店がまた登場。夏になるとアイス屋などもっといろいろ出店がでてきて、にぎやかになります。
廃墟だった鉄道駅もこうしてみると綺麗に維持されています。
憩いの場、ハイライン。
行きかう人々を見ながら、のんびりする場所。
新しいアートもあるけれど、昔のままの壁のらくがきも残されて、新旧が共存しているハイライン。
古き良きマンハッタンのビル。
一方こちらは、ハイラインに隣接して新しく建てられた未来型のクールビル。
まぶしいくらいキラキラして、かっこいいビルがいくつか建っています。
昨年の秋に完成したハイラインの最終区画周辺は現在アパートの建設ラッシュ中。ものすごいスピードで完成に向かっています。ひとつ残念なのは、住宅バブル崩壊後でリスクの高いコンド建設には資金が貸し出されにくかったこともあり、今完成に向かっている建物はみんな個性のないレントアパートばかりだということ。ハイライン沿いで今まで見てきたようなおしゃれでクールなこだわりのデザインのビルではなく、経費をおさえて一気に建てられる定型のアパートばかりがみられます。
ときどきみつける古いビルに描かれたアートがおもしろいです。
夏に来ると、緑がいっぱいなので、隠れてしまってよくみえなかったアートもこの季節だとよく見えます。
最終区画の部分のおもしろい点は、やっぱりたくさん電車がみられること。グランドセントラルと並びニューヨークの巨大な交通のハブの一つ、ペンステーションがそのまま普通に機能しながらもHudson Yardsの開発は進んでいきます。