「幸せな国ランキング」 2022年 世界一幸せな国、世界の幸福度が高い国のランキングが発表されました!昨年、2021年は、世界中の人々の生活に大きな影響を与えた、新型コロナのパンデミック2年目となりました。人々の幸福感にどう影響し、世界の幸せな国ランキングがどう変化したか、結果が気になるところです。幸せな国ランキング2022年で一位に輝いたのは、日本人の旅行先としても大人気の国です。世界の国々の幸福度を調査した、World Happiness Report 2022 (世界幸福度レポート 2022)によると、5年連続1位に輝いた、世界一幸せな国は、フィンランドでした。
では、日本やアメリカは、幸せな国ランキングで何位になったでしょうか?
世界幸せな国ランキングとは
毎年 3月20日は「国際幸福デー」(International Day of Happiness) です。
世界一幸せな国ランキングは、毎年この幸福の日である、3月20日の「国際幸福デー」に発表されます。
2012年から世界の国々の幸福度に関する調査と、世界一幸福の国のランキングの発表が毎年行われていて、今年で10周年目を迎えました。
2022年度の世界の国々の幸福度を調査した結果レポート、World Happiness Report 2022 が、週末前の3月18日に、今年も、世界の幸福な国のランキングの結果とともに発表されました。
今年のワールドハピネスレポートでは、昨年に引き続き、長期に渡り継続しているパンデミックによる、世界の人々の幸福感への影響が論じられています。今年のレポートでは、直近の戦争、ロシアのウクライナへの侵攻については、まだ触れられていません。
幸福度ランキングの幸福度の測り方
世界の幸せの国ランキングを決める、世界の人々の幸福度はどのように測られているのでしょうか?
World Happiness Report 2022 (世界幸福度レポート 2022)において、「世界一幸せな国」は、以下のような基準で順位付けされています。
2022年は、世界の国々 150か国以上を対象とし調査されました。
各国の人々に、人生に対する幸福度を、カントリルラダー (Cantril ladder) の指標を使って聞き取り調査を行います。
カントリルラダー (Cantril Ladder) とは、最良の生活を10、最悪の生活を0とし、10段階評価で表現したものです。
ギャラップワールドポール (Gallup World Poll) が行った調査結果に基づき、以下6要素の評価と幸福感の相関が、それぞれの国毎に分析され「世界一幸せな国」がランクづけされます。
・ 裕福度(国内総生産 GDP)
・ 健康寿命
・ 人々の寛容性
・ 社会福祉制度
・ 人生の選択の自由度
・ 社会の公正さ
幸せな国ランキング ベスト1位は?
世界の幸せランキングでトップに輝いた国は、北欧の幸せな国としてよく名前が上がる、フィンランドです。
実は、フィンランドは、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年と 5年連続、幸せな国ランキングの一位になっています。
フィンランドは旅行先としても人気がありますが、訪れて見ると、国の素晴らしさが伝わってきます。新型コロナ対策でも優等生な対応の国で、感染を低レベルに保っていましたが、現在は、ワクチン接種者の入国前検査をなくすなど旅行制限の緩和も行われ、通常モードへの移行もとてもスムーズに進んでいます。
世界幸せな国ランキング ベスト10
「世界一幸せな国はどこ?」といったテーマのレポートは、毎年、世界中の人々の興味を引いています。
最新の2021年を含む過去三年の結果を平均した2022年の幸せな国ランキング公式結果はこちらです。
世界幸せな国ランキング ベスト10 2022年の結果はこのようになりました。
今年は、イスラエルが、新たにトップ10入りしています。
ちなみに、昨年、2021年の世界一幸せな国トップ10は、こちらです。公式ランキングは、最新の結果を含む過去3年平均と言うこともあり、ほぼ同様の顔触れとなっています。
1位. フィンランド
2位. デンマーク
3位. スイス
4位. アイスランド
5位. オランダ
6位. ノルウェー
7位. スウェーデン
8位. ルクセンブルグ
9位. ニュージーランド
10位.オーストリア
一昨年2020年の世界の幸せな国トップ10は、こちら。
1位. フィンランド
2位. デンマーク
3位. スイス
4位. アイスランド
5位. ノルウェー
6位. オランダ
7位. スウェーデン
8位. ニュージーランド
9位. ルクセンブルグ
10位. オーストリア
最新調査結果 幸せな国ランキング 日本は何位?
以下は、2022年の世界の幸せの国ランキングの1位から60位までの結果グラフです。
日本は、一昨年の2020年は 62位、昨年2021年は、56位、そして最新2022年のレポートでは、54位と上昇傾向にあります。
パンデミック中でも幸福度が上がっているというのは、人々や社会など、恵まれている幸せな国なのかもしれません。
アメリカも幸福ランキングが年々上昇しており、2020年は 18位、2021年は 19位、最新2022年のレポートでは、16位となっています。
アジアの幸せトップ国というと、新型コロナ対策で素晴らしい成果を見せた優等生国、台湾です。一昨年2020年は、25位、昨年2021年は、19位だった台湾は、2022年は、26位となっています。
ちなみに、今回のレポートは、ロシアによるウクライナ侵攻の前に調査された結果でしたが、ロシアは 80位、ウクライナは 98位となっています。
幸せの国の常連国は、やはり北欧をはじめとしたヨーロッパ系の国々が多いです。
上位は、フィンランド、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなどの北欧の国々が目立ちます。
世界幸福度レポートへの新型コロナの影響
2020年に突如はじまった新型コロナのパンデミックは、世界中の人々の生活を一変させることになり、負の感情を感じた人もいたかもしれませんが、実は、全体的な幸せ感の自己評価にはそれ程大きな影響を与えなかったようです。これは、誰の責任でもない、人類共通の脅威であるという認識で、むしろ連帯感や思いやりの心が高まったのではと分析されています。
パンデミック前と比較し、パンデミック一年目の2020年は、心配やストレスが、8%と高まっていましたが、2年目を迎え、かなり状況が把握できるようになった昨年は、4%まで下がり落ち着いて来ています。またパンデミックにより、寄付やボランティアなど慈善行動をする人々が増え、幸せ感に良い影響を与えています。
一般的に、収入は、幸福度を測るときの大きな要素のひとつですが、今回の調査では、人生の満足度に対する、収入が与える影響は減少し、家族やパートナーと一緒に暮らしていること、寛容であることなど、別の幸せ要因が色々高まり、特に、60歳以上の人々の幸せ度が高まっていることがわかりました。その反面、自由な活動の制限のためか、若年層の満足度が低くなっているとされています。
最近の傾向によると、人生の満足度において、裕福度を測るGDPや収入などからの影響は低下し、それ以外の要素が大きな影響を与えるようになっているようです。
レポートでは、その他、ソーシャルメディアでのコメント分析をしたトピックや、生物学的な遺伝子の違いによる幸福度の変化など様々な要因による幸せに関する調査の最新情報についても触れられています。
幸福度調査の基準にある Dystopiaって何だろう?など、わからない点は、こちらの FAQ で説明されています。ちなみに Dystopia とは、ユートピアの逆の世界、ひどい世界のことです。次元の異なる幸せの要因をどのように点数化するかなど自明でない点も多く、それぞれの国民が調査に対してどう反応するかなどの国民性を考慮することが不可能のため、本当は同じくらいの幸せ度なのかもしれないですが、つい、幸せではないとネガティブな回答する人が多い国や、逆に常にポジティブな回答をする人が多い国もある中、どうやって順位付けするのか、という疑問は残りますが、毎回、同様の基準で測り続けることにより変化の傾向を掴むことはできます。また、全体的には、様々な社会を評価する上で、経済指標以外の新しい視点を提供する役割を担っています。
人々の幸せの基準って何?というのは、一般的には、国として所得がある程度高くなるまでは、経済的な発展が最も人々の幸せに影響を与えるようです。ですが、ある一定以上になってくると、経済的な指標よりも、むしろ助け合いができるコミュニティーの存在があるかなど、社会的な側面の方がより大切になってくると分析されています。
フィンランドやアイスランドなど、北欧の国々が幸せな国として上位になっている理由は、まさに、社会保障などの制度や社会的環境の良さと信頼に基づくものだと分析されています。
幸福度調査のレポートでは、「幸せとは?」という考察を、色々な面からアプローチした読み応えのあるレポートとなっています。
World Happiness Report の世界の幸福調査レポートの内容は、とても興味深いです。人々が幸せと感じるかどうかは、結局、自分らしく生きられているかどうか、ということが大切で、身の回りの環境や、社会など様々な要因が影響を与えているようです。新型コロナの中、各国政府の在り方や、社会やコミュニティの大切さが、より実感できるようになったと思います。「幸せな国」の調査結果が、これからさらに人々が暮らしやすいより良い世の中になる、よいきっかけとなり、幸せな国が増えていくといいな、と思います。