また9月がやってきました。この時期になると思い出すのが2001年に起こったSeptember 11 attacksとその追悼式典です。今年もセレモニーが1週間後、11日に行われます。
この新しいワールドトレードセンターの目玉がワンワールドトレードセンター (One World Trade Center) です。当初はフリーダムタワーと呼ばれていましたが、ワンワールドトレードセンター (One World Trade Center) が現在の正式名称です。アメリカ独立の年にちなんで1,776 feet (541 m)と現在アメリカで一番、世界で4番目に高いビルです。ようやく外観的には完成したようですが、残念ながら今年も一般開放は間に合わなかったようです。
思えば中断を挟みながら10年間くらい工事をしているような気がします。当初の予定では、2008年完成予定だったので6年の遅れ、そしてコストも当初の見積もりの2倍でだいたい$4 billion。簡単に$1=100円換算で4000億円、すごいですね。最後まで妥協せずやりきる所はさすがです。最上階からの眺めを楽しみに待ちましょう!
そして、先月発表された新ワールドトレードセンターのロゴはこちら。
新しいワールドトレードセンターのブランディングのために、$3.57 million(約3億5700万円)が投入されたと言います。もちろんトータルブランディングのパッケージだと思いますが、すごいですね。
ロゴのデザインを担当したのは、Landor Associates という会社です。世界中の名だたる大企業のブランディングを引き受ける有名なデザイン・ブランディング会社です。セントラルパークのごみ箱もデザインしたようです。
そして、JR東日本、新東京駅のブランディングも。
World Trade Centerの完成したロゴに対して賛否両論があるようです。どう思いますか?
さほどインパクトがなくなんともシンプルなデザインに見えるロゴですが、実は色々な意味合いが込められているそうです。
要約すると、
- 上部の3本線は、三つ叉のほこを表し、強さと回復力の象徴。
- 上部の17.76度の傾きは楽観性の象徴。ワンワールドトレードセンタービルの高さ、1776ftを表す。
- 3本の黒い線に挟ませた2本の白い部分は崩壊したツインタワーの象徴。
- 黒い線を結んでできる「W」は、「World Trade Center」と、「Westfield World Trade Center」(敷地内にできるショッピングセンター)の頭文字。
- 下部の2本の線は、Septermber 11 Memorialのリフレクティングプールの象徴。
- 5本の線は、建設中のものも含めて将来的にワールドトレードセンターに立つ5本のビルの象徴。
ニューヨークを代表するサイトとしてブランディングは大切な部分なのでがんばっていって欲しいところです。
ところで、ブランド戦略において、ロゴはかなり重要な位置を占めると思います。
そこでちょっと調べてみると、
(from stocklogos)
GoogleやCoca Colaのロゴデザインにかかった費用はなんと$0!創業者などが社内で作成したようです。
Twitterのオリジナルの鳥のロゴは、iStockphoto を使ったのでたったの$15。
Nikeは、グラフィックデザインの学生さんと相談して決めたので$35。
ここらへんからすごくなってきます。Pepsiは、$1million。
Accentureは、$100 million。しかもこのシンプルなデザイン、Landor作!
BPは驚きの$211 million。
すごい世界ですね。ブランディングのロゴ、デザインでは相場は読めません。お金のある人、またはワケアリでリブランディングする人は高い値段を払うということなのでしょうか。ということでワールドトレードセンターのロゴ、とんでもなく高いと言うほどのことでもないようです。ただ、いくらかけるかはあまり関係なく、やっぱり本質で、どんなサービスを提供するかが大切ってことですね。
ところで、ニューヨークに来たら訪れるべきスポット、9/11メモリアル。
2001年9月11日の事件の跡地は、今では緑と水の綺麗な空間が作られています。
ツインタワーの跡地をそのまま石碑にし、中央には水が流れています。この光景が何とも言えないくらい幻想的。
周りの黒石碑には、犠牲者の方々のお名前が一人一人彫られています。
ワールドトレードセンターから西に進むとすぐにハドソン川があります。バッテリーパークシティーにはIrish Hunger Memorialなど、ゆっくりできる公園がたくさんあるのでこの界隈へ訪れた時の休憩にどうぞ。