石油 前代未聞のマイナス価格に!お願いだから引き取って?!

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なんと原油の5月先物の価格が、史上初のマイナスになっています!明日で期日を迎える WTI の5月先物は、昨年の12月は、60ドル以上の価格でしたが、現在なんと大急落の -300% で、終値は -$37.63 でした。世界中の人々の動きが止まり、あまりに急激に石油の需要が減り、需給の変化に対応できず、5月に引き渡し予定の石油は貯蔵スペースもなく受け取っても困る状態で、お金を払うから、お願いだから引き取って下さい!というような前代未聞の状態になっています。

ニューヨーク マーカンタイル取引所 (NYMEX) で取引されている WTI (West Texas Intermediate) の 5月の先物 (CLK20) をはじめ、世界各地の石油先物価格がマイナス価格になっています。WTI の5月先物は、$18 程からスタートしましたが、なんと終値は、-$37.63、と300% 近く急落しました。5月先物は、明日が、取引の最終日となり、6月のものは、18% 程下落し、$20前後で取引されています。

石油の将来の取引価格と取引量を決める先物取引は、実際に石油を買う約束をする人だけでなく、株の取り引きのように投機やヘッジなどとしても使われます。そのため、実際に石油が欲しい人は現物の受渡しが行われますが、数字的な取引をしている人は売買して清算するか、または、そのままのポジションを保持して満期日前後に翌月のものにロールオーバーしたりします。
現在のマイナス価格は石油の貯蔵スペースがなく、お金を払うから、引き取って下さいという状態ではあるのですが、現実的には、ほとんどが受渡しなしに現金で清算されることになり、ほぼ買い手がいない中、ポジションを閉じるための混乱で、こんな前代未聞のマイナス価格になっていると思われます。

アメリカの石油業者的には、全体的には、半年程はヘッジしているとされているので、直近で、心配はないと思います。こちらでは、現在の石油業界の様子が紹介されています。

マーケットがあまりに大きく動くとどこかで大きな損害が発生してしまうのは避けられません。世界同時の経済シャットダウンにより、石油の実需が激減しています。投資ファンドの投機だけならいいですが、航空会社などは、燃油代の将来の取引価格を前もって予約してヘッジしている所が多く、今回のような価格の急落時には大損となってしまいます。適切なタイミングで、ポジションを解消しているか、もしくは燃料の貯蔵施設をしっかりと確保していればいいのですが、そうでなければ大変なことになってしまいます。

アメリカでは、連邦政府により航空会社への援助が確定しています。アメリカの航空会社への救済策の詳細は、こちらで詳しく紹介されています。

アメリカは現在経済活動がほぼシャットダウン中ですが、将来にむけて、アメリカはこんな経済対策を立てています。

史上最大220兆円のアメリカ経済救済法 現金給付1人$1200 失業保険拡充など盛りだくさんの支援に期待 The CARES Act

石油 前代未聞のマイナス価格に!お願いだから引き取って?! was last modified: 5月 4th, 2022 by mikissh