ヨセミテ国立公園 (Yosemite National Park) は、アメリカ西海岸のカリフォルニア州にある世界遺産にもなっている人気のアメリカ国立公園です。切り立った断崖の底には清流の流れる緑いっぱいのヨセミテバレー、その周囲には登ることもできる、ハーフドーム (Half Dome) や、世界一の大きさの花崗岩の一枚岩、エルキャピタン (El Capitan) など絶景の巨大な岩山や、春から初夏にかけては清涼感溢れる美しい滝の数々も見られ、アメリカの数多くの美しい絶景スポットの中でも、特にその大自然のスケールに圧倒され、心に残る国立公園です。ヨセミテ国立公園の絶景スポットへの行き方、見どころ、楽しみ方を紹介します。
ヨセミテ国立公園
ヨセミテ国立公園は、世界遺産のアメリカ国立公園で、スケールの大きな大自然の美しい絶景に感動させられる、大人気の旅行先です。
ヨセミテ国立公園は、1864年に連邦政府保護エリア (federal protection) となり、その後、イエローストーン国立公園に次いで、セコイア国立公園とほぼ同時期の1890年に国立公園となりました。1984年には世界遺産にも指定され、現在でもその美しい景観により、全米で最も人気の国立公園 の一つとなっています。大規模な山火事が起きて、夏の繁忙期にも拘らず、ヨセミテ国立公園が閉鎖 になってしまった時期などもありましたが、毎年とても多くの人が訪れる、人気のアメリカ国立公園です。
ヨセミテ国立公園のベストシーズンは春、夏、秋ですが、雪解け水の多い春から初夏にかけては、迫力のある滝が見られるベストシーズンとなります。例年5月頃から積雪のはじまる11月頃までハイキングを楽しめます。
ヨセミテ国立公園の行き方
ヨセミテ国立公園は、カリフォルニア州の中央部シエラネバダ山脈の西側にあり、サンフランシスコから車で4時間程、ロサンゼルスからは6時間程かかります。
(Map)
ヨセミテ国立公園へは、西側からは、州道120号線、140号線と二つの道があり、途中、緑いっぱいのヨセミテバレーの絶景を見ることができます。
この他、キングズキャニオン国立公園、セコイア国立公園、ロサンゼルス方面の南につながる州道41号線、ヨセミテとシエラネバダ山脈の西側をつなぐ夏季限定の道路、Tioga Road もあります。広大なエリアの公園ですが、観光の中心となるのは、ヨセミテバレー周辺です。ヨセミテには、Tioga Road など雪解け後の夏季のみオープンの道路もあるので、夏以外にヨセミテ国立公園を訪れる場合は前もって こちら でチェックしておくのがおすすめです。ヨセミテ周辺の地図は、こちら (PDF) です。
ヨセミテ国立公園 入場料 営業時間
ヨセミテ国立公園 入場料
ヨセミテ国立公園の入場料は、車一台に付き、35ドルです。
この入場料は、一度払えば、7日間有効となります。
ヨセミテ国立公園の入場は、入場予約も必要となっています。
詳細は、ヨセミテ国立公園 入場予約について をご覧ください。
アメリカ国立公園年間パス
グランドサークル巡りをする場合や、一年間のうちに何か所か国立公園を訪れる予定がある場合は、国立公園パス(America the Beautiful—National Parks and Federal Recreational Lands Annual Pass)の購入もおすすめです。
ヨセミテ国立公園 営業時間
ヨセミテ国立公園は基本的には毎日24時間オープンしている国立公園なのでいつでも園内を出入りできます。
ヨセミテ国立公園の楽しみ方
ヨセミテ国立公園の主な楽しみ方は、ハイキングです。園内には、有名な一日がかりのハーフドームトレイルなど大小数多くのトレイルコースがあります。キャンプなどで長期滞在でのんびりと大自然に浸ってみるのもおすすめです。
またハイキングがあまり得意でない人でも、ヨセミテ国立公園のグレイシャーポイントなどドライブで絶景スポットの数々を訪れることができ、壮大な大自然を体感することができます。あまり時間がない人でも、丸一日あれば、ヨセミテ国立公園の絶景ビューを巡るドライブといくつかの簡単なトレイルコースが楽しめます。
ヨセミテ国立公園の園内には、ヨセミテバレーを流れる Merced River をはじめ、滝、川、湖沼などが点在していて、水遊びも楽しめます。
グレイシャーポイント Glacier Point
ヨセミテ国立公園の見どころの中でも、最高の絶景スポットは、グレイシャーポイント (Glacier Point) です。
グレイシャーポイントの行き方は、谷底のヨセミテバレーから少しきついハイキングコースを歩いてグレイシャーポイントへ行くこともできますが、最も簡単なおすすめの方法は、例年5月から11月にかけてオープンしている、グレイシャーポイントロード (Glacier Point Road) をドライブして車で行くことです。ヨセミテ国立公園のハイライトが見られる最高のドライブコースになります。
グレイシャーポイントからは、ヨセミテバレーとその両側に切り立つ巨大な岩山の絶景が一望でき、吸い込まれそうになります。
ハーフドームから左方向、くるっとヨセミテバレーの方向を見てみると、2425 ft (739m) と、アメリカで最大の落差を誇る滝、ヨセミテ滝 (Yosemite Fall) があります。アッパーヨセミテフォール (Upper Yosemite Fall) の上までは、ほぼ一日がかりとなる ハードなトレイル で訪れることができます。また、ヨセミテフォールの下には、小さな ロウアーヨセミテ滝 (Lower Yosemite Fall) があり、その下までは、30分程の簡単なトレイル で訪れることができます。
ハーフドームから右方向奥には、上の ネバダ滝 (Nevada Fall)、その下には、バーナル滝 (Vernal Fall) があります。美しい滝の絶景は、雪解け水の多い春から初夏にかけてが、最も迫力があります。ヨセミテバレーから トレイル で訪れることができます。バーナル滝 (Vernal Fall) の下までは、1.5時間程、ネバダ滝 (Nevada Fall) の上までは、5-6時間程のハイキングです。
グレイシャーポイントには、1924年に建てられた歴史的な石造りの小屋が立っていて、ちょっとした博物館 (Glacier Point Trailside Museum) となっています。
トレイルを歩いていると可愛い鹿などの野生動物にも時々出会えます。
ヨセミテバレー
ヨセミテ国立公園の水に削られてできた谷底部分にあるのが、観光の中心となる、ヨセミテバレー (Yosemite Valley) です。ヨセミテバレーに入ると、すぐに現れるのが巨大な世界最大の花崗岩の一枚岩、エルキャピタン (El Capitan) です。
エルキャピタン以外にも数々の巨大な岩山に囲まれている、ヨセミテバレー内は、ヨセミテ国立公園の中でも最も混み合うエリアで、反時計回りの一方通行となっています。途中、空いていれば路上駐車し、周囲を散策することもできます。
ヨセミテバレーの中心には、大きな駐車場があり、ビジターセンター、売店、郵便教など様々な施設が集まっています。ガソリンスタンドは、バレーから少し離れ、バレーから西側の州道120号、140号に向かう途中に2ヵ所あります。
トンネルビュー
ヨセミテバレーからグレイシャーポイントロードに向かう途中のトンネルの手前は、トンネルビューと呼ばれる絶景スポットとなっています。ここからは、ヨセミテバレーの美しい全景が一望できます。
ブライダルベール滝
ヨセミテバレーの入口付近にある滝が、ブライダルベールの滝 (Bridal Veil Fall) です。ヨセミテにある数ある滝の中でも、最も簡単に滝壺に接近できる人気の滝です。こちらは、5月下旬の様子ですが、物凄い水しぶきが吹きあがり大迫力でした。
周りには、清涼感溢れる水辺の気持ちのいい風景が広がっています。
Cathedral Beach
ヨセミテバレーの中心に向かう途中には、Cathedral Beach という清流沿いビーチのピクニックエリアがあります。
涼し気なビーチエリアからは、遠くにヨセミテフォールが見えます。
ロウアーヨセミテフォール
ビジターセンター周辺で、ちょっと散策してみたいという時におすすめなのが、ロウアーヨセミテフォールトレイル (Lower Yosemite Fall Trail) です。30分程で、滝の下まで行くことができます。
トレイルでは、水の音を聞きにがら、気持ちのいい森林浴が楽しめます。
途中、美しい青い鳥や、
可愛いリスにも出会えます。
ハーフドームトレイル
ヨセミテを代表するハイキングコースが、ハーフドームトレイル (Half Dome Trail) です。転落事故による死亡者が出たりと危険が伴う一日がかりのトレイルですが、ヨセミテの象徴であるハーフドームに登頂できる大人気のトレイルで、許可証 (Permit) が必要となります。このハーフドームのパーミットは、人気のため抽選となっています。詳細は、こちら です。
アワニーホテル
ヨセミテ国立公園で最も有名な宿泊施設が、アワニーホテル (Ahwahnee Hotel) です。1926年から1927年にかけて建設された歴史的なホテルで、国家歴史的建造物 (National Historic Landmark) に指定されています。名前の使用権を巡る法的な争いが起こったため、2016年に、マジェスティック・ヨセミテ・ホテル (Majestic Yosemite Hotel)に変更されましたが、2019年に解決し、再びアワニーホテルとなっています。
人気のホテルで、泊まってみたいという人は、かなり早目の オンライン予約 が必要です。素晴らしい建物なので、宿泊者でなくても立ち寄ってみるのもおすすめです。
とても雰囲気のいい山小屋風スペースが広がっています。
この他、ヨセミテバレーには、ヨセミテバレーロッジ (Yosemite Valley Lodge) や、ハーフドームビレッジ (Half Dome Village)、そしてキャンプ場などの宿泊施設があります。名称問題の解決を受けて、以前、Yosemite Lodge at the Falls だったヨセミテバレーロッジのみ、2016年に名付けられた新しい名称をキープしますが、その他は、全てオリジナルに戻り、ハーフドームビレッジは、Curry Village となります。
売店
ヨセミテ国立公園には、お土産屋さんもあり、写真集やポストカード、Tシャツ、飾り物など、お土産の定番商品が揃ったお店もあります。また、それと合わせて、簡単な食料品や日用品が買えるような品揃えもあります。
ビジターセンター
ビジターセンターでは、スタッフに色々と質問することができます。
ヨセミテに関する展示も行われていて、ヨセミテがどのように出来たのかなどの説明がされています。
ヨセミテ国立公園の自然保護を唱え、国立公園の父とも呼ばれる John Muir さんについても紹介されています。
ヨセミテ博物館
1925年にオープンしたアメリカ国立公園初のミュージアムが、ヨセミテ博物館(Yosemite Museum) です。周囲の自然に溶け込んだ感じの素朴な Rustic Style 建築の建物です。
先住民のアートや遺品の展示の他、期間限定の様々なテーマの特別展も開催されています。
Yosemite Conservation Heritage Center
ヨセミテ内には、他にも歴史的な建物があります。こちらは、LeConte Memorial Lodge とも呼ばれる Yosemite Conservation Heritage Center です。アメリカ国立公園の父とも呼ばれる John Muir が創設した自然保護団体、シエラクラブ(Sierra Club)により建てられたチューダーリバイバル様式の建物で、National Historic Landmark に指定されています。
中では、シエラクラブの歴史や活動についての展示などがあります。
ヨセミテバレーには、中心に大きな駐車場があるので、混雑時は、そこに止めて、シャトルバスを利用して巡るのがおすすめです。また、トラムに乗って園内を案内してくれるツアーなどもあります。
Tioga Road
ヨセミテ国立公園から Mammoth Lake などがあるシエラネバダ山脈の西側に抜けるルートが、Tioga Road です。なんと標高3,031 m(9,943 ft)まで達する山岳ルートで、積雪の具合により季節限定でオープンしています。昨年は、かなりの大雪だったため、2019年は、ようやく先週の金曜日6月21日からオープンとなりました。ただし、まだ午前1時間、午後1時間の時間限定オープンとなっており、いよいよ7月1日から完全オープンの予定となっています。詳細は、こちらです。標高2,199 m(7,214 ft) の Glacier Point で高さを感じなかった人も、こちらの道では感じる人も多いと思います。高地のため天候が変わりやすく、注意して運転する必要があります。ドライブ好きにおすすめですが、途中、素晴らしい絶景ポイントやトレイルコースも色々あります。
途中、無数の線が刻まれた不思議な巨大岩があったり、
神秘的な湖、 Tenaya Lake があったり、
面白い配置の石が印象的な牧草地、湿地帯の Tuolmne Meadows があったりとドライブだけでも十分楽しめます。
3000m 近くの高地にある Tioga Lake では、5月下旬でしたが、まだたくさんの氷が浮かんでいました。
シエラネバダ山脈の東側も切り立った氷山が連なり、とても美しい景観が広がっています。リゾートエリアのマンモスレイク (Mammoth Lake) などに滞在してみるのもおすすめです。ただし、高地なので高山病の症状が出やすい人は、ヨセミテバレーでの滞在がおすすめです。
ヨセミテ国立公園へのロードトリップの途中で、ヨセミテ国立公園から近いところに泊まる場合は、Ascend Hotel Collection のホテルがよかったです。
最寄りの大都市、サンフランシスコも見どころいっぱいの美しい街です。
アメリカの人気国立公園は、こちらでも紹介しています。