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“Hidden city” ticketingって何?UnitedとOrbitzが訴えた航空券検索サイトSkiplagged 格安航空券の探し方

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来年はどんな年にしようかな?何をやってみよう?年末ということで新年の目標を考え始めている人も多いかと思います。そんな目標と共に、私の定番となっているのは、大まかな旅のアイデアを練ること。最近は、旅行計画もインターネットを介した様々なトラベルサイトのおかげで劇的に便利になっています。
旅行で最もコストのかかるものといったら航空券と宿泊費。最近では、格安航空会社 LCC (Low-cost carrier) や、民泊の AirBnB などの存在感も増し、適度な競争が生まれ消費者にとってはありがたいことではないかと思います。昔は旅行会社などに問い合わせをしないとわからなかったようなプライスの情報も、オンラインベースのトラベルサイトのおかげで、今では誰もが簡単に検索でき、透明性も格段にアップしてきています。

そんな中、旅行関係で、ここ数日、ちょっとした話題となっているのは大手の航空会社United Airline とオンライントラベルエージェンシーの Orbitz が、航空運賃検索サイトSkiplaggedをサイドプロジェクトとして一人で運営するニューヨーク在住の22歳の青年、Aktarer Zaman を訴えたという ニュース です。



問題となっているのは、”Hidden city ticketing”。真の目的地は途中の乗り継ぎ地点ですが、他の空港を最終目的地とすることで航空券を安く入手し、最後まで行かずに乗り継ぎ地点で降りてしまうという、利用方法です。
例えば、ニューヨークからサンフランシスコに行きたい時に、ニューヨーク発、サンフランシスコ経由ラスベガス行きのチケットを買い、ラスベガスまでは行かずに、途中で降りてしまうのです。マーケットプライスという言葉で一括りにされて説明され、航空会社のプライシングにどんな合理性があるかは分かりませんが、場合によっては、同じ飛行機を利用するにも拘わらず、経由便で最終目的地が遠い方が断然安いということもあり、遠くまでの航空券を買って途中の経由地で降りてしまうという裏技を利用する人もいるようです。法的には問題はないようですが、当然、航空会社としては、このような使い方は推奨しておらず、復路などその後のフライトが残っている場合は無効になったり、場合によってはマイレージのメンバーシップが剥奪されたりすることもあるようです。したがって、現実的にこの方法が使えるのは、片道チケットで、預け荷物がなく、さらに、予約も直接搭乗予定の航空会社でとり、マイレージを登録しない場合のみのようです。

今回、営利目的ではないとされる Skiplagged ですが、検索結果にこの “Hidden city airfare” まで含めたものを表示していることを問題とし、サイトの閉鎖と$75,000の損害賠償を求めているようです。他にも Fly Shortcut や AirfareIQ など同様のサイトがあったようですが、訴えると言われたのでしょうか、現在は休止しているようです。今までも少数の知っている人のみが目立たないように注意しながら利用していたというこの方法、大手の訴訟ということで、ずいぶんと大きく宣伝され、今回の件ですっかり衆知の事実となっていくような気がします。

こちらが、CBSのレポートです。

個人的には、正すべきは、プライシングの矛盾を多くの人にさらしたサイトではなく、航空会社、業界のプライシングモデルのような気がしますが。そんな意見に賛同する人も多いのか、訴訟費用のためのクラウドファンディングも順調に増えつつあるようです。RedditのQ&Aも盛り上がっていたようです。

今現在、急激なアクセス数増加に耐えられないのか、Skiplaggedは壊れぎみですが、以前試してみた所、Google Flight、Matrixなどでは出来ない目的地無指定検索もできるなど、なかなかよくできたサイトというのが感想です。多くは試してはいませんが、いくつかの検索結果には、”Hidden city ticketing”も表示されていました。圧倒的に安いということはなく、場合によっては若干安いというくらいの印象でした。

旅行アイデアや計画に役立つ、いくつかのおすすめの航空券検索サイトを紹介しておきます。

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    • ITA Software Matrix グーグルが2010年に買収した会社。アメリカに関しては圧倒的に強い気がしますが、ヨーロッパに関しては弱めです。多くの検索オプションがあり、旅行期間検索などが便利。

 

 

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    • Google Flight こちらもグーグルですが、Matrixとデータソースが同じというわけではないようで、ヨーロッパ系 Low-cost carrier のデータも扱っているようです。ただし、検索オプションが限られている気がします。

 

 

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  • Skyscanner スカイスキャナーはヨーロッパ系の格安航空会社が含まれているなど、ヨーロッパ内は特に強い気がします。旅行アイデアを考えるのに便利な目的地無指定検索もできます。

 

 

Skiplagged も安定すれば、目的地無指定検索などもできるので、”Hidden city airfare”抜きで、定番の一つとなる可能性を秘めたサイトだと思います。
石油価格の上昇時には消費者に転嫁し、年々サービスは低下、フィーの増え続ける航空業界ですが、石油価格の下落中の今後、消費者に還元してくれることを期待しましょう。

“Hidden city” ticketingって何?UnitedとOrbitzが訴えた航空券検索サイトSkiplagged 格安航空券の探し方 was last modified: 8月 3rd, 2021 by mikissh