ハワイ・オアフ島のおすすめ観光スポットやハワイのみどころというと色々ありますが、トリップアドバイザーなどのランキングでトップにも選ばれることが多い、ハワイで最も人気のある観光スポットは、どこだと思いますか?実は「パールハーバー」 (Pearl Harbor) です。パールハーバーは特にアメリカ人にとってハワイ、オアフ島での必須の観光スポットとなっている場所で、日本人にとっても教科書にでてくる歴史の場所として知っている人も多い場所でしょう。パールハーバーには、真珠湾の「アリゾナメモリアル」と、その周囲の「戦艦ミズーリ」をはじめとしたミュージアム群もあり、早朝からたくさんの人々が訪れる外せない観光スポットになっています。ハワイは何度も訪れていますが、このパールハーバーに今回はじめて訪れてみました。パールハーバーの様々な見どころのチケットやワイキキからのパールハーバーツアーが含まれた、お得に観光することができる 観光パス を用意していきました。
パールハーバー行き方&周辺の見どころの周り方
パールハーバービジターセンター
(Pearl Harbor Historic Sites)
パールハーバーヒストリックサイトの観光の拠点となるビジターセンターは、ワイキキから車で30分程度、ホノルル空港からすぐの場所にあり、ここからアリゾナメモリアルをはじめ、周囲のミュージアム、フォード島内のスポットを周ります。
一番の目玉となるのがフェリーで訪れる、真珠湾攻撃で沈んだ戦艦アリゾナ上につくられた海上の記念碑、アリゾナメモリアルです。無料で訪れることができますが、前もって予約するか、当日、朝早く訪れ、時間指定のチケットを手に入れる必要があります。
チケットの指定の時間がくるまでは、当時の歴史背景や実際の攻撃の状況を解説したミュージアムを見たり、同じヒストリックサイトの敷地にある Bowfin や潜水艦ミュージアムを見て周ることができます。
アリゾナメモリアルの実際のツアーは、朝7時30分からはじまり、午後3時まで15分毎に行われます。チケットの指定時間に、シアター前に集合します。20分程度の映画を見て、その後フェリーに乗り、アリゾナメモリアルに向かい、見学するというコースで、通常75分程度かかります。
ここまでで朝一から頑張ると最短2時間、通常3-4時間程度かかると思います。
さらに加えて、フォード島にある戦艦ミズーリや太平洋航空博物館なども訪れる場合は、島が軍事施設となっているため、専用のシャトルバスを利用してフォードアイランドに向かいます。この2つを訪れるには所要時間は3時間程度見ておく必要があり、これらのパールハーバー観光スポット全てを含めると丸一日過ごすこともできる場所となっています。セキュリティー上の理由でバスには手荷物の持ち込みが禁止となっているので、カメラとポケットに入れられる荷物以外は、車に置いていくか、預ける必要があります。
パールハーバー
(Pearl Harbor Historic Sites)
アリゾナ記念館ツアー (Arizona Memorial)
ビジターセンターは朝7時にオープンします。アリゾナメモリアルのチケットを前もって予約していない場合は、まず朝一番に、アリゾナメモリアルの時間指定のチケットを受け取ります。今回、訪れた時は、朝7時過ぎに到着し、チケットは9時45分のツアーでした。当日券は1300枚限定ということもあり、予約していない場合は早目に訪れることをおすすめします。チケット入手のためにかなり多くの人たちが朝早くからがんばってきています。
有料となりますが オーディオツアー を借りることもできます。たっぷり時間があるので、まずはビジターセンター周辺を散策します。
真っ直ぐ進むと戦艦アリゾナのものだった巨大な錨があります。
左へ進むとこのメモリアルをデザインしたというAlfred Preisさんによる印象的なアート、The Tree of Life があります。戦艦アリゾナで使用されていたというベルの一つも飾られています。
コンプレックス内には二つの無料ミュージアムがあります。Road to War Museumでは、戦争に至った当時の時代背景の展示、Attack Museum では、攻撃の詳細と被害に関する展示が行われています。普通のペースで30分程、じっくり見ると1時間程かけて見て周ることができます。
ツアーの時間になると Pearl Harbor Memorial Theater 前に集合し、20分程度の映画を見て、その後、海軍のフェリーに乗り込みます。
フォード島沖に停泊しているUSSミズーリの近くまで接近します。
残念ながらこの日はアリゾナメモリアルが工事中ということで船で接近するだけとなりましたが、通常は、メモリアルに上陸し、15分程度見学時間があるようです。
USSアリゾナはブルックリンネイビーヤードで造られた戦艦で、真珠湾攻撃の最初の攻撃により1177名の乗組員と共に海に沈み、そのまま安置されています。現在でも沈んだ船から石油が流出を続けています。
戦艦アリゾナ同様、戦艦オクラホマ、標的艦ユタも修復不能なダメージを受け、沈没し、メモリアルがつくられています。この他、多くの戦艦が破壊、沈没しましたが、大部分は後に修復されたそうです。戦艦が大ダメージを受けた後の戦いでは、空からの戦闘機による攻撃、そしてそれを支える航空母艦が大切となり、巨大な戦艦の時代の終焉の象徴でもあったようです。真珠湾攻撃の日は、その後、より重要となっていくアメリカの航空母艦は停泊していなかったようで、攻撃を免れたそうです。
近現代の歴史ということもあり学校ではさらっと触れるだけのことが多いと思いますが、あらためてこのような映像を見てみるとダメージの大きさを実感することができます。
当時、アメリカは、アジアにおける日本の勢力の拡大もそうですが、特にヨーロッパでのナチスドイツに脅威を感じていたようで、当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトは、友好国を支援したり、戦争の準備を進めたりしていましたが、他国に干渉せず戦争は避けるべきだというアメリカ国民の世論を背景に、自身も選挙で公約したこともあり、自ら攻撃を仕掛けるわけにはいかなかったようです。そんな状況下、様々なプレッシャーを日本に与え、先に攻撃を受けるという形を取る必要がありました。どの程度の詳細情報を得ていたかは分かりませんが、事前に、大統領をはじめワシントンの一部の人々は攻撃をはじめるという情報を得ていたようですが、その情報がパールハーバーで生かされることはなかったようです。宣戦布告のタイミングもありますが、いずれにしてもパールハーバーが予期していない状態の中、奇襲にあい、壊滅的なダメージを与えられることとなり、アメリカの世論を翻し、太平洋、大西洋の両面で、全面戦争の方向でアメリカを一致団結させる結果となりました。
現在では、2001年にニューヨークのワールドトレードセンターで起こったテロ事件に対する “Remember September 11″ が取って代わっていますが、それ以前は、”Remember Pearl Harbor” が標語となっていたくらいに、アメリカの領土を直接攻撃されたことがあまりないアメリカにとっては1941年12月7日の真珠湾攻撃は、インパクトの大きな出来事だったことが伝わってきます。
USSボウフィン & 潜水艦ミュージアム
この他、パールハーバービジターセンターコンプレックスには、潜水艦USSボウフィンが停泊しています。太平洋戦争時に日本周辺で作戦に当たっていた潜水艦です。
ツアー開始時間までたっぷりと時間があったのでここも訪れてみました。オーディオツアーを借りて出発です。
ボウフィン号は軍輸送船で沖縄から九州への学童疎開に使用されていた対馬丸を撃沈し、多くの子供たちが死亡するという悲劇を引き起こした潜水艦でもあります。
内部は、狭く、機械や計器がぎっしりと並んでいます。
潜水艦ボウフィンの後は、セットで訪れることができる、潜水艦ミュージアムへ行きます。
ボウフィン号に関するもの、潜水艦の歴史、様々なアーティファクトが展示されています。
様々なミニチュア模型が並んでいます。
ボウフィン号の見学と、潜水艦ミュージアムを全部見て周って、大体一時間程度かかります。
戦艦ミズーリ(USS Missouri, BB-63)
アリゾナメモリアルのツアーを終え、シャトルバスに乗り込むと、最初に向かうのがフォードアイランドの戦艦ミズーリです。第2次世界大戦、そして朝鮮戦争、湾岸戦争時まで活躍した戦艦です。終戦後、1945年9月2日に東京湾で行われた連合国と大日本帝国の降伏文書調印式が行われた場所としても有名です。
降伏文書は連合国用と日本用の二つ作成されたようですが、ここには日本用のレプリカが展示されています。連合国側の国が署名欄を間違えてずらしてサインしてしまっている様子などを見ることができます。
日本語のできるガイドさんも多いようで、日本人らしき人を発見すると積極的に日本語ツアーへの声かけをしてくれます。30分程度のツアーとなります。この他、オーディオツアーで、自分で周ることもできます。
戦艦内は広く様々な展示もあるので1時間から1時間半程度はすぐ過ぎてしまいます。
子供たちも楽しく見学できるように、戦艦の中のキッチンは可愛らしいディスプレイに。まるでそこでみんなが食事をしているかのような食器の音などの演出もされていて、ドーナッツを大量生産している様子なども展示されていました。
戦艦アリゾナや戦艦ミズーリは、実はニューヨークのブルックリンネイビーヤードで造られたそうです。
ちなみにこちらが現在のブルックリンネイビーヤード。ブルックリンネイビーヤード内の建物、BLDG92 では、様々な展示やツアーが行われています。
戦艦ミズーリは、ニューヨークで言うと航空母艦イントレピッドのような雰囲気です。
太平洋航空博物館 (Pacific Aviation Museum)
1940年前後、航空母艦から出動する戦闘機として最高の性能を誇り、真珠湾攻撃でも使用されたゼロセン(Mitsubishi A6M2 Model 21)です。展示は2カ所に分かれていて、本館となっているHangar 37、そこから5分程歩いた場所に、Hangar 79 があります。場所柄、戦闘機が多いのが特徴となっています。
先日、紹介したシアトルの航空博物館やワシントンDCの航空宇宙博物館と比べると規模はそこまで大きくありませんが、このような展示をあまりみたことがない人は充分楽しめる展示です。
今回のハワイ滞在の前に訪れたシアトルのミュージアム・オブ・フライトは全米でもトップクラスの航空博物館で見応えがあります。
全体を通して、ニューヨークの 9.11メモリアル&ミュージアムなどでも感じますが、偏った視点からではなく、客観的な展示になっていて、当時の背景や状況を深く知ることができます。
広島同様、戦争の悲惨さ、残酷さを再認識させてくれる場所で、多くの人に訪れて欲しい場所です。
昔は、こういうミュージアムをみて、どうしてこんなに悲しい過去の出来事をわざわざ展示するのか、忘れたい過去ではないのか。。と思ったこともありました。
悲惨な歴史にあえて正面から向き合う理由。。。それは、二度とその悲劇を起こさないためです。悲惨な歴史が起こった背景をよく知ることが、戦争を防ぐことにつながるからです。
最近の世の中を見てみると、世界中で各国の借金レベルが無駄に膨れ上がり、100年前同様、経済の停滞感からか、どこの国も国家主義的な少し内向きの傾向がでてきている感じを受けます。そのまま進んで行くと、悲劇の起こったあの時代を繰り返す、そんな可能性すら感じる気もします。戦争というのは、国民の不満のターゲットを逸らすのに利用され、またケインズ的な見方からすると、経済の処方箋ともなりえるので、戦争に導こうと考える人がでてきてもおかしくありません。そんな衝動を持つ権力を守りたい人々、奪取したい人々、経済的利益を得られる人々、組織の煽動に乗らないためにも、このような過去の悲惨な出来事を伝える場所を通じて、多くの人が戦争の悲惨さや、そんな戦争に導いた背景などの過去の歴史をしっかりと学び、理解していって欲しいと思います。
人間の感情や反応などは、時代を経てもあまり変わらないものであり、歴史は繰り返す傾向があります。そんな中、昔と比べ大きく異なってきているのは、テクノロジーの発達による環境の変化です。例外の国もありますが、多くの国ではインターネットなどによりオープンな情報の提供とアクセスが可能になっています。各々が様々な情報の中から信憑性、真実を判断する必要がありますが、以前のように特定の人々、組織が情報をコントロールし、大衆を操作するのが容易でなくなっていることが、戦争を防ぐための大きな壁となってくれるのではないかと思います。
パールハーバー観光の時には、Go Oahu パスを使うとすごくセービングになります!
まだまだあるハワイのおすすめの見どころとグルメはこちらをどうぞ。