ポスターハウス ニューヨークのデザイン系美術館 ポスターを再利用した斬新なアート作品など面白い特別展開催中!

ニューヨークのミッドタウン、チェルシーにある、ポスターハウス (Poster House) は、広告、PRなどで使用される、ポスターに特化した珍しい美術館で、様々な面白いテーマの特別展が期間限定で開催されています。
アートと言えば、一般に、アーティストの自己表現や個性が重視される作品が多いですが、ポスターは、商業広告やPRを達成するためのヴィジュアル的な作品で、広くターゲット層にリーチできる、魅力的で記憶に残るような作品が求められる、面白い特殊な領域のアートです。そんな縛りがあるからこそのクリエイティブな作品が色々登場し、ポスターはポップカルチャーの代表的な存在となることも多々あります。現在では、そんなオリジナルのポスターを様々な形で再利用した、新たなアートも色々登場してきており、そんな作品の数々が展示された面白い特別展が行われています。

ポスターハウス (Poster House) は、2019年6月にオープンした、チェルシーの 6アヴェニュー & 23ストリートの交差点近くにある、ポスターに特化したミュージアムです。1階と地下の2フロアからなるコンパクトな美術館で、ポスターにまつわる様々なテーマの特別展が、期間限定で開催されています。

ポスターハウスでは、過去には、戦前の日本赤十字社のポスターが展示されるなど、日本に関連するポスターもよく展示されていますが、現在は、Tokyo Olympiad: A Global Film と題し、市川崑監督による、1964年に開催された、東京オリンピックのスポーツドキュメンタリー作品のイタリア語ポスターが展示されています。

ポスターハウスのメインギャラリーでは、Masked Vigilantes On Silent Motorbikes と題された特別展が開催されています。ポスターを再構成したり、上書きしたり、切り刻んだり、様々な形で再利用したアート作品をテーマとした特別展です。KAWS など様々なアーティストの作品が登場するグループ展で、斬新なものが色々登場しています。
こちらは、既存のポスターなど写真や絵の上に、花柄を散りばめる作風で知られる、Michael De Feoさんの作品です。

美しい女性モデルが、シューレアリスム的に見事に変身を遂げているこちらは、スペイン人ストリートアーティスト、Vermibus の作品です。

日常の一コマを撮影した、力強く美しい作品の数々。LEDで照らされて、より輝きを放っています。
ニューヨークで活動しているアーティスト、Jordan Seiler さんの作品で、よく見てみると、何気ないシーンでも強いインパクトを残しています。

Jordan Seiler さんは、パブリックスペースから広告を取り除こうという、Public Ad Campaign などで知られるアーティストです。こちらは、靄がかかったような感じの美しい作品となっています。

地下のギャラリーでは、エアインディアの20世紀中頃の広告ポスターをテーマとした、Air-India’s Maharaja: Advertising Gone Rogue の展示が行われています。
20世紀中頃、インド航空のマスコットとなっていたのが、”Rogue” と呼ばれるマハラジャでしたが、そんなマハラジャが登場するものをはじめ、1946年から1972年にかけて使用された、アニメ風で愛嬌のあるポスター作品の数々が展示されています。

マハラジャが登場する世界各地のポスターや当時の雰囲気が伝わって来る色々な小物が面白いです。

地下の廊下の展示スペースでは、20世紀初頭に撮影された女性監督による映画作品のロビーカードをテーマとした特別展、Experimental Marriage: Women in Early Hollywood が行われています。
現在は、短編動画の予告編で映画を紹介することが多いですが、当時は、作品の主要シーンを印刷したカードをロビーに飾り、予告編として紹介していました。そんな歴史あるロビーカードの数々が展示されています。

ポスターハウスには、オシャレなデザインのお土産が色々見つかるミュージアムショップがあります。

他では見かけない面白いデザインのトートバッグも色々あります。

以前、ポスターハウスを訪れた時の様子はこちらです。アールヌーヴォーの代表的なアーティスト、ミュシャのとても華やかで素敵な特別展が開催されていました。

ポスターハウス ニューヨーク アールヌーヴォーのミュシャ展! チェルシーNY最新ミュージアム

ポスターハウス ニューヨークのデザイン系美術館 ポスターを再利用した斬新なアート作品など面白い特別展開催中! was last modified: 10月 4th, 2022 by mikissh