アイスランドを訪れたら、見逃せないのが、ダイナミックな美しい大自然の景観です。アイスランドは、地殻活動が活発で、火山、間欠泉、温泉などがある他、北極圏に近く氷河などもあり、バラエティに富んだ大自然が魅力となっています。今回の旅行は、短期滞在だったので、レイキャビクからも訪れやすい定番の人気一日観光コース、ゴールデンサークルのツアーに参加してみました。ゴールデンサークルと合わせて、ローカルグルメを楽しめたり、シークレットラグーンと呼ばれる温泉プールを訪れたりと盛りだくさんの大満足ツアーでした。4月初旬でしたが、前夜に雪が降ったこともあり美しい白銀の幻想的な世界が広がっていました。
アイスランドの首都、レイキャビクからは、本当にたくさんのバラエティに富んだツアーが出ているので、今回のようなレンタカーなしの旅行でも、色々な選択肢があって便利です。アイスランド観光の定番中の定番コース、ゴールデンサークルだけでもたくさんの種類のツアーがあり、どれにするか迷ってしまいます。そんなツアー選びで、今回利用してみたのが、アイスランドの魅力についても幅広く紹介してくれていて、ツアーページも分かりやすかったのが、Guide to Iceland です。英語サイトだけでなく、なんと日本語サイトまであり、日本人のスタッフさんが質問にも丁寧に答えてくれました。こちらが、Guide to Iceland のアイスランドツアー選びにおすすめのページ です。
色々と迷った末、選んだのが、ゴールデンサークルだけではなく、アイスランドのグルメや名物温泉まで満喫できる「Golden Circle & Secret Lagoon | Taste of Iceland」です!
ゴールデンサークル
ゴールデンサークルは、レイキャビク周辺東側に広がる、世界遺産にも指定されている国立公園や、火口湖、間欠泉、迫力ある滝などの見どころが凝縮された全長300km程の人気の観光ルートで、レイキャビクから日帰りで楽しめます。
ゴールデンサークルの地図がこちら。赤いマークが、今回、訪れた場所です。今回は訪れませんでしたが、参考までに、ゴールデンサークル上のその他の人気スポットは、青いマークを付けておきました。
今回、参加した「Golden Circle & Secret Lagoon | Taste of Iceland」は、1日で、アイスランドの魅力をコンパクトに満喫できるとても楽しいツアーでした。少人数のツアーで、ガイドさんからは、ゴールデンサークルのことはもちろん、アイスランドの色々なことを教えてもらうことができました。
ツアーのスタートは、レイキャビクの滞在しているホテルの近くまで朝迎えにきてくれます。ツアーというと、朝とても出発が早いイメージがありますが、このツアーは、朝早く起きるのが苦手な人でも楽に参加できる、10時スタートになります。ツアーの所要時間は9時間程で、夜7時頃には戻って来ることができます。
レイキャビクから出発!
レイキャビクの中心部東側にあるホテル、Alda Hotel に宿泊していたので、最寄りのピックアップ場所はこちらの10番ストップでした。レイキャビクの街中は道が狭いため、バスやツアーのお迎えのための場所が決まっていて、必ずこのような番号のついたストップがあります。ツアーの集合時間である10時五分前くらいに到着すると、もうガイドさんの車がやって来ていて笑顔で迎えてくれました。今回はラッキーなことにほぼプライベートツアーとなり、非常に快適でした。
大きなツアーの場合、ピックアップ後、ツアー会社の大きなバスに乗り換えたりするようですが、少人数ツアーなので、そのままガイドさんの乗って来た4WDのミニバンですぐツアーへ出発です。出発後すぐに、レイキャビクの街中とは全然違う、壮大な景色の広がる世界へと変わって行きました。
4月初旬でしたが、前日の夜から早朝まで雪が降り続いていました。段々と晴れあがって来ましたが、辺り一面真っ白な世界が広がっています。そんな雪の中、途中で立ち往生してしまって大変そうな車も結構見かけました。どれも普通車でやってきてしまった旅行者の車でしたが、積雪の多い冬は、当然車は 4WD、夏でも島全体をドライブする場合は、未舗装道路も多いので 4WD がおすすめだそうです。
シンクヴェトリル国立公園 Þingvellir
レイキャビクでは朝まで雪が降り続いていましたが、日中からは、嬉しいことに、空が青く晴れ渡り、とても美しい景色を見ることができました。まず、訪れたのが、世界遺産にもなっている、シンクヴェトリル国立公園 (Þingvellir) です。駐車場のある丘の上からは、巨大なシンクヴァトラヴァトン湖の眺望が楽しめます。
どこかで見たことがあるような気がする光景ですが、実は、アイスランドは、今秋から、最終シーズンのシリーズ8がスタートしたばかりの人気ドラマ、Game of Thrones のロケ地となった国の一つで、シンクヴェトリル国立公園も登場しています。
シンクヴェトリル国立公園では、ユーラシアプレートと北米プレートの二つの異なるプレートが離れていき、大地の裂け目となっている「ギャオ」が見られます。通常、大地の裂け目は、海の中で、海嶺と呼ばれているものなのですが、それが地上に隆起したもので、二つの大陸の境目を歩くという珍しい体験ができます。
自然の景観がとても美しいシンクヴェトリル国立公園ですが、ここには、なんと930年から、アルシング (Alþingi) と呼ばれる、現在の議会のような島民集会が開催されていたアイスランドの歴史上重要な場所があります。そんな歴史を記念し、建てられたサマーハウスや教会が見渡せます。アイスランドらしいとても可愛い景色です。
また、氷河が溶け出した水が、長い年月をかけて湧きだしている透明度の高い泉、シルフラ (Silfra) があり、ダイビングで、幻想的な水中の世界を楽しむこともできます。
シンクヴァトラヴァトン湖を横目に次の目的地、カルデラ湖を目指します。
ケリズ火口湖 Kerið
ゴールデンサークルの見どころのひとつ、ケリズ火口湖は、夏は神秘的な真っ青な火口湖の姿が見られる場所です。冬は、美しい真っ白な雪に覆われた火口湖となっています。ここは、私有地のため、個人で訪れる場合は、入場料 400isk がかかります。雪のため、湖も真っ白でした。
火口湖の周囲を散策することもできます。雪が積もっていましたが、この日はお天気がよかったので、たくさんの人がハイキングしていました。
アイスランドでよく見かけるのが、馬たちです。極寒の冬でも、雪の中、普通に暮らしている元気なアイスランドの馬たちです。
ドライブ途中の景色は、すっかり雪国の景色です。
牧場レストラン Efstidalur II
ランチで訪れたレストランが、こちら Efstidalur II です。両親から牧場を引き継ぎ、若い姉妹たちが経営する牧場 & レストランで、とても素敵な雰囲気のところでした。車を降りると元気いっぱいのワンちゃんたちが出迎えてくれました。
レストランになっている2階へと向かいます。とてもセンスのいい暖かみのある雰囲気です。
そして、テイスティングの準備がされているお席へと通されます。
着席すると不思議な食材が並んでいて、早速、試食のスタートです。これは、アイスランド人には欠かせない大切な食べ物なんだけど、何かわかる?と聞かれます。実はこの白い食べ物は、高タンパク質の保存食で、1000年以上もの歴史があるアイスランドの名物であるアイスランド風ヨーグルト Skyr のもととなるものです。見た目もチーズのようですが、チーズの一種だそうです。
牛乳と砂糖を混ぜて、かき混ぜるとアイスランド風ヨーグルト Skyr の完成です。市販のものとは違う、とてもフレッシュな Skyr が楽しめます。
続いてドリンクで乾杯します。実はこちらの透明のドリンクは、Skyr から分離した液体部分の Whey です。癖もなく、スッキリとした喉越しの高タンパク質のヘルシードリンクです。歴史的には、長い冬を乗り越えるための肉の保存などに使われていたそうです。
オリーブ風味のチーズもあり、全て自家製で美味しかったです。
Skyr のテイスティングを楽しんだ後は、いよいよランチのスタートです。各自、スープとパンを取りに行きます。パンやバターは、色々な種類があります。
ラム肉がたっぷりと入ったアイスランドの伝統料理の煮込みスープ「kjötsúpa」です。体が温まるとても美味しいスープでした。
スープと一緒にパンもいただきますが、パンの種類がたくさんあるので、それぞれ少しづつ頂きます。サワードウは、自家製のたっぷりバターを塗っていただきます。地熱で膨らませる珍しい甘いパンもあり、色々と試してみましたが、どれも美味しかったです。
そして、最後は、デザートの絶品アイスクリームです!
レストランのテーブル席からは、牛たちがいっぱいいる様子が見下ろせます。牛たちはずっと食べるのに忙しそうな様子でしたが、そんな牧場の様子を見ることができる楽しいレストランでした。アイスランドの食について色々教えてもらいながら、牧場らしい新鮮な乳製品と美味しい伝統料理が頂けた大満足ランチになりました。
ゲイシール Geysir
ランチの後は、いよいよ間欠泉です。間欠泉を意味する英語の Geyser の起源となったのが、アイスランドのゲイシール (Geysir) です。ゲイシールは、100メートル以上吹き上げていたこともある超巨大間欠泉ですが、現在はあまり活発な活動を見せていません。その代わりに、みんなの注目を集めているのが、Strokkur です。現在でも、5-10分に一度の間隔で、100度近い熱湯が、上空20メートル近く吹き上げられます。
固唾を飲んで見守っていると、水が丸く膨らんでいきます。
そして、迫力の吹き上げです。
グトルフォス Gullfoss
アイスランド語で、黄金の滝 (Golden Falls) を意味する壮大な滝が、グトルフォス (Gullfoss) です。
上から見る滝と、少し下がった所から見る滝と、2カ所の違った角度からの展望が楽しめます。
素敵な虹も出ていて、ガイドさんも思わず写真撮影。
駐車場に併設し、ビジターセンターやお土産屋さんもあります。
シークレットラグーン Secret Lagoon
ツアーの最後のスポットは、待ちに待った温泉、シークレットラグーンです。
プールの隣には、モクモクと白い煙が上がっている温泉が湧いているエリアがあり、幻想的な湯煙が美しい光景でした。
そんなエリアを散策することもできるのですが、まだ冬のアイスランド、水着で外を歩き回るのは相当寒かったです。
広々とした温泉プールでは、ワインを飲んだり、浮きグッズを使ったりとそれぞれのんびりと楽しむことができます。
シークレットラグーンをめいいっぱい楽しんだ後は、いよいよレイキャビクへと戻ります。
ドライブ途中の景色では、よく教会を見かけるのですが、実はアイスランドには、300以上もの教会があるそうです。
ゴールデンサークルの最南部、Selfoss からレイキャビクに向かう途中には、山間道路があり、それまで晴れていた穏やかな気候が一気に変わり、この区間だけ、まるでホワイトアウト状態になりました。途中、横転して放置されている車なども見かけましたが、特に、冬季は、注意して運転する必要があります。夏のいい季節には、このルートの近くに川の温泉 (Reykjadalur Hot Spring Thermal River) などもあるので、立ち寄ってみるのもいいかもしれません。
レイキャビクの街が近づいてくると、美しい夕日が見られました。
ゴールデンサークルツアーでは、幻想的な白銀の中のアイスランドのダイナミックな景観を楽しむことができ、大満足の一日となりました。もう一度、夏の時期に来てみたい、もう少し長い滞在で緑の広がる美しいアイスランドをゆっくりと見て回りたい、そんな風に思えた楽しいツアーとなりました。