ハワイといったら、太平洋の真ん中に位置する「楽園の島」のイメージがありますが、実はハワイには過去に悲しい歴史もあります。そんなハワイの歴史を語るのに一番ふさわしい場所が、イオラニ宮殿 (Iolani Palace) です。
イオラニ宮殿 (Iolani Palace) は、かつてハワイ王国の王様が居住していた王宮であり、現在ではアメリカの国定歴史建造物 (National Historic Landmark) に指定されている場所です。
イオラニ宮殿の中へはガイドツアーに参加して周ります。
イオラニ宮殿の玄関を入ると美しい階段のロビーがあり、さっそくツアーが始まります。
イオラニ宮殿は、カラカウア王 (King Kalakaua) により、ハワイ王国の近代化の象徴として、1789年に建設がはじまり、1882年に完成した宮殿です。この宮殿は、カラカウア王 (King Kalakaua) と カピオラニ女王 (Queen Kapiolani) が公式に居住する場所となりました。カラカウア王は世界を周り、当時のアメリカ大統領グラント大統領に会うなど、欧米の最新事情、技術にも触れていて、この宮殿の建設においても、電話線をはじめ、当時の最先端の技術が取り入れられました。
美しいダイニングルーム。
イオラニ宮殿は、1893年に王制が廃止され、共和国となるまで、王宮として使用されていましたが、その後、アメリカ併合後、共和国となってから、行政府として使用されていました。
改修を経て、現在でもとても美しい状態に保たれているイオラニ宮殿。
宮殿の中にかけられている絵の女性は、ハワイ王国の最後の女王となった、カラカウア王の妹、リリウオカラニ (Liliuokalani) 女王です。
カラカウア王の死後、1891年に王の座を継承したリリウオカラニ (Liliuokalani)女王ですが、1893年に、アメリカの一部となることを望んだハワイに居住する親欧米派のビジネスオーナーらのグループに武力によって脅され、王位を剥奪され、王国の歴史を閉じることとなります。
作曲などを楽しんだ黄金の間。リリウオカラニ (Liliuokalani) 女王が作曲したアロハ・オエ (Aloha Oe) という曲は今でもハワイを代表する曲のひとつになっています。
栄華な王宮時代を彷彿とさせる、舞踏会が行われていたという華やかな王座の間。
王位を追われた後、王政派による反乱が起こったことから責任を問われ、行政府となったこの宮殿の一室に幽閉されていたそうです。
ハワイのグループはアメリカに併合されることを望んでいましたが、アメリカとしてはそのような意図はなく、当時の大統領だった Grover Cleveland は調査の上、国際法に反する併合を認めませんでした。
そんな事件がこちらのビデオでまとめられています。
その後、米西戦争がはじまるなど世界情勢が激変し、さらに大統領も変わり、政策も大きく変わってきます。最終的に、1898年に大統領ウィリアム・マッキンリーの下、ハワイは、当時、スペインの領土であったフィリピンへも近いということで、太平洋上での戦略的な拠点となることから、ハワイはアメリカに併合されることとなりました。
お庭には立派なバニヤンツリー。
今まで知らなかったハワイの歴史。太平洋のど真ん中の孤島、ハワイは、キャプテン・クックの訪問をきっかけとし西洋文明と遭遇し、王国として統一され、その後、アメリカの一部となっていきます。そんな歴史がこちらのビデオでまとめられています。
ツアーの最後は宮殿の地下の展示スペースをさらりと見学します。予定では1時間のツアーでしたが、やはり少し時間はオーバーします。ガイドさんはボランティアということでしたが、とても熱心に解説してくれました。
今回参加したのは英語のツアーでしたが、日本語のツアーもあります。英語のツアーであれば、午前中15分に1本くらいの割合でツアーがあるので、当日宮殿の目の前にある建物にあるチケットオフィスに行ってすぐ申し込みができました。ただし、日本語のツアーは1日1回など回数が限られているのでオンライン、または電話で予約をしてから行かれた方がいいでしょう。
ガイドさんが案内してくれるガイドツアーに参加しない場合は、セルフガイドツアーというのもあり、日本語オーディオもあります。
Iolani Palace
364 S King St, Honolulu, HI 96813 MAP
駐車場 イオラニ宮殿の敷地内と周辺にコインパーキングスペースがあります。朝一のツアーだと簡単に停めることができますが、割とすぐいっぱいになってしまいます。
ガイドツアー 時間と金額はこちらへ。
セルフオーディオツアー 時間と金額はこちらへ。
お得な Go Oahu Card が使えます！
