昨年まで家賃の高騰が続いていたニューヨークですが、そんな状態が続き過ぎたおかげか、いよいよニューヨークのアパートの家賃の高騰も止まりそうです。ニューヨークのレンタルアパートだけでなく、街を歩いていると、商業物件の空きスペースも目につきます。アメリカの株式マーケットは史上最高値付近に到達している反面、ニューヨークの不動産の分野での現実は、商業スペース、個人の住宅用のレント市場においても、下落基調に転じようとしています。最近、マンハッタンのレンタルアパートでも、最初の数か月分の家賃が無料になるなどのコンセション(インセンティブ)も増えてきています。
ブルームバーグのニュースによると、スタジオも含め、ニューヨークの全てのサイズのアパートでレントがフラット(据え置き価格)、もしくは下降基調にあるようです。
こちらの Elliman によるマーケットレポートでは、地域毎の詳細の数字を見ることができます。
ところで、住宅用、商業用と空室率が上昇しているニューヨークですが、そんな状態を視覚化するというプロジェクトがあります。こちらは Vacant New York によるマンハッタンの地図で、視覚化してみると、いかに空き物件が多くあるかというのがよく分かります。どのくらい正確にトラッキングしているのかは分かりませんが、面白い試みだと思います。
基本的には、マンハッタンは狭いエリアで、物件数が限られているため、資金力がある人は、空き物件であっても値崩れさせるよりは、高値でキープしておくという戦略の人も多いのかもしれませんが、それがあまりにも度が過ぎると、そのうち、Vacancy Tax という、空き物件に税金をかけるなどの方向性に向かっていくかもしれません。
ニューヨークのコストが高くなり過ぎていること、新築レンタルアパート建築ラッシュによる物件の急増、Airbnb の厳しい規制ができたこと、そして、トランプ効果によるアメリカ国外からの人の流入の減少、流出の増加、などなど原因は色々と挙げられると思いますが、もとを辿れば、世界中の中央銀行による金融緩和政策により、世界中の有り余った投資資金が、投資のマーケットに流れ込み、現実のビジネス、経済の状態と、マーケットの動きに大きな隔離を生んでいることが原因とも言えます。
ニューヨークの家賃の変動は、まだまだ始まりですが、ニューヨークで、レント物件を探している人には朗報ですね。