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トランプ効果の下、米0.25%利上げ決定

トランプさんが大統領選に勝利して以来、そのあまりもの影響力に、すっかり影が薄くなりつつある世界各国の中央銀行ですが、今日、短期金利のレベル、フェドレートを決定する FOMC (Federal Open Market Committee) の会議が FRB (米連邦準備理事会) により行われ、一年ぶりに、0.25%の利上げが決定されました。

この利上げするかしないか、という決定に関しては、少し前までは一大イベントのような様相でしたが、今となってはその重要性は下がってきている気がします。ちなみに、現在円ドルレートは円安の117円に突入しています。ついこの前まで100円近辺だった気がしますが。2017年中には3回の利上げが想定されています。

ただ世界を自由にお金が行き来する今となっては、アメリカ国内の経済指標を見て、調整するという大昔に決められたやり方がどの程度有効に機能しているか分かりませんが、世界的には場所によって思わぬ影響を与えることもあるかと思います。

Fed についての詳しい紹介はこちらをどうぞ。

Fed って何? 最近注目を集めている アメリカの中央銀行

そんなマーケット全般の雰囲気をすっかり変えてしまったのは大統領選で勝利したトランプさんです。不動産をはじめ様々なビジネスを行っているコングロマリットで、メディアビジネスでも成功してきただけに、どのように一般の人々の注目を集め、動かしていくかということに長けており、まるでリアリティーショーのように日々世間を賑わせています。また、連日様々なミーティングをトランプタワーで行っているようで、おそらく個別ミーティングでは違ったアプローチで相手の心を掴むのが上手いのではないかと思われます。ビル・ゲイツさんがトランプさんとのミーティング後、トランプさんの将来を、宇宙開発を推進したことでも知られる J.F. Kennedy のようになる可能性も、とインタビューに答えていたのは印象的です。

トランプさんの最近の発言や閣僚の選択などから、何が選挙中のレトリックで、何を狙っているのかが少しずつ明らかになってきていますが、基本的な方針はトランプ政権下ではビジネスで成功している人々や軍のリーダー経験者を重用し、今まで重用されてきた職業政治家、官僚やアカデミックなどの専門家を軽視するといった真逆の路線で、政府におけるビジネスによるクーデターのような様相になっているのではないかと思います。そんな中、間違いなく進められていくのが政府の効率化や効果的でない規制の緩和で、そのこと自体は歓迎すべきことだと思います。

その反面、心配なのはトランプさんも含め、閣僚それぞれがビジネスで多くの利害関係を抱えていることです。必要性、財政的な余裕は別として、トランプさんは大型景気刺激策を取ると言っています。将来的に多くの人にメリットのあるプロジェクトに利用されるなら価値がありますが、特定のビジネスの優遇となる可能性もあります。
FRB 議長の Yellen さんは、利上げ後の記者会見で、今の所、景気刺激策の必要性はないので、それより財政状態の方が心配だというニュアンスのコメントをしていましたが、建設的な方向に向けられるといいですね。

ビジネスで上手くいかない場合は、そのビジネスをたたんでしまえば、一部の人のみへの影響で収まりますが、国のレベルで賭けに出て、うまくいかないようなことがあった場合は、圧倒的に多くの人々に影響を与えてしまいます。それくらい大きな存在であるということを認識しているかどうかが不安なところです。

その他、心配な点はスタグフレーションを招く危険性があるかもしれないという点です。
今の所、トランプさんがどのくらい本気なのか、レトリックなのかは分かりませんが、アメリカ第一主義ということで保護主義により、アメリカの世界との取引が減少し、景気が後退する可能性があります。その一方、エネルギーや金融、インフラ、防衛といった特定分野が恩恵を受けるような政府の政策によってインフレが引き起こされる可能性もあります。
以上二つの状況が起こることによって、全体として景気が芳しくないにもかかわらず、インフレが起こるという状況もあり得ると思います。

将来どうなるかは、実際に大統領となり、しばらく時がたってみないと分かりませんが、ブーム&バストで、一気に煽って、はじけるのではなく、緩やかな上昇を続けるリフレーションとなることを願いたい所です。

トランプ効果の下、米0.25%利上げ決定 was last modified: 12月 15th, 2016 by mikissh