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秘密に包まれたフリーメイソン・ニューヨークの拠点に潜入 Masonic Hall Grand Logde New York

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秘密結社などと呼ばれることもあり “Da Vinci Code” をはじめ、シンボリズムのミステリーで有名なダン・ブラウンの小説 『ロスト・シンボル』”The Lost Symbol” にも登場し注目を集めていたフリーメイソン。世界の歴史を振り返ってみると、実は影で大きな影響を与えてきたのでは、と囁かれることもあり、フリーメイソンは秘密のベールに包まれた謎の組織として人々に知られています。やはり、世界の大都市 ニューヨーク、そのフリーメイソンの支部がニューヨークにも実はあります。アメリカ・ニューヨーク支部、グランドロッジが
オープンハウスニューヨーク に参加していて、見学できるというので訪れてみました。ところで、どこにフリーメイソンの建物があるのかと思えば、マンハッタンの23ストリート沿い、6アヴェニューのすぐそばという、今まで何度も通っているのに気づかなかったことにびっくりです。

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建物の中に入ると、まずは一階で展示を見ながら、人々が集まるのを待ちます。

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オープンハウスニューヨークはなかなかの人気イベント。中でもこのフリーメイソンホールも人気スポットのひとつのようで、あっという間に人が集まりました。

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人々が集まったところで、こちらの応接室に通され、ツアーの概要を聞きます。ツアーは次々に出ていて、実際に見学を行う上のフロアは、混乱するほど見学者であふれていました。

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ところで、フリーメイソンというのは、もともとは、石造り職人たちの集まりでした。中世イギリスで、様々な場所に移動しながら、教会やお城などの建築を行う石造建築に関わる人々が見ず知らずの中でもお互い助け合ったり、信用を築いたりするための同業組合のような存在として生まれたものだったようです。その後、18世紀頃に、ロンドンで石造りとは関わりのない一般的な組織へと変革されていきます。向上心溢れる人々、世の中を良くしたい人々、自分なりの自由な考えを持つ先進的な人々、多くの人々に影響を与えたい人々などを惹きつける組織となり、イギリス以外にも植民地であったアメリカをはじめ、世界中に広がっていきました。信憑性は分かりませんが、古代エジプト、エルサレムにあったと言われるソロモン神殿、テンプル騎士団など歴史上の様々なエピソードにも関わりがあるといい、そんなエピソードに基づいたセレモニーが今でも行われているようです。

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こちらは、The Hollander Room というお部屋でお部屋の中央にジョージ・ワシントンの像がたっています。大事な部屋なのでしょう、ガラスドア越しにしか見れませんでした。アメリカ建国の父である初代大統領ジョージ・ワシントンは、実はフリーメイソンのメンバーでした。しかもワシントンだけではありません。ベンジャミン・フランクリンをはじめ、なんとアメリカの歴代大統領のうち14人もがフリーメイソンに所属していたというのです。

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ルネサンスルーム。どの部屋にも必ずパイプオルガン風の装飾が施されています。教会からの強い影響を感じます。

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地球と花、どこのお部屋にもあるこのポール。部屋それぞれ色彩の違い、デザインの違いはあるけれど、基本全てのお部屋は型にはめて作ったように徹底して同じ作りです。

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ティファニーのステンドグラスの「G」。
この「G」は、「Geometry」の頭文字、「G」だそうです。

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ダン・ブラウンの”The Lost Symbol”にも登場していたように、フリーメイソンにはたくさんの神秘的なシンボルがあります。

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かなり抽象的ですが、フリーメイソンは、宗教や政治思想は一切問わず、”better men make a better world” をモットーに、それぞれの人間がよりよくなることにより、世界をより良くすることを目的としているそうです。そんな共通の信念を持った人々が集まる、当時のホットなソーシャルネットワークのような存在だったのかもしれません。フリーメイソンのメンバーが、アメリカの独立やフランス革命で先頭にたち活躍したのも当然の成り行きかもしれません。

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そんな先進的な考えを持つ人々が集まっていたことと、シンボリズムや独特のセレモニーなど神秘主義的な秘密に包まれた存在が、体制や組織外から悪い噂を流されたり、恐れられていた原因なのではないかという気がします。
興味がある人は、Hisotry Channelによるこんなドキュメンタリーもあります。

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Colonial Room。どの部屋にも必ず中央に3方をローソクに囲まれたテーブルのようなものが置かれています。

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この部屋の天井は花細工が華やかで素敵でした。

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ここにも「G」です。

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建物の中の、階段、天井などの装飾が美しいです。

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一番大きなお部屋もやはり基本的な部屋の構成は一緒のよう。「G」は欠かせないようです。

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現代は、自由が当然となり、インターネットなどを通じて、誰でも考えを言ったり、議論したり、コミュニティをつくったりすることができる世の中です。そんな現代では、フリーメイソンのような組織の存在意義は薄れつつあるのかもしれませんが、昔の王政や宗教勢力が力を持ち世の中を支配し、自由に発言をすることに危険が伴っていた時代には、このフリーメイソンのような自由、真実を求める先進的な考えの人が集まり、秘密裏に結束する組織は重要だったことは理解できます。この組織の存在が、世の中の体制を変革したり、科学を発展させるのに大きな影響を与えてきたことは間違いないと思います。

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今回は、ニューヨークオープンハウスで訪れましたが、実は、普段も見学ツアーをしているそうです。興味がある人は訪れてみると面白いかもしれません。
このようにニューヨークオープンハウスは、あまり知られていない建物や組織を宣伝するとてもいい機会になっています。

Masonic Hall Grand Logde New York
71 W 23rd St, New York, NY 10010 地図

秘密に包まれたフリーメイソン・ニューヨークの拠点に潜入 Masonic Hall Grand Logde New York was last modified: 9月 23rd, 2018 by mikissh