I Savings Bond って何?インフレ時におすすめ 現在年利7.12% 預金的に使えるインフレ連動アメリカ国債

アメリカは、現在、ほぼゼロ金利の中、消費者物価指数 (CPI) は、7% と、ここ40年程で最高のインフレ率となっています。ゼロ金利で、フェド (FRB) の債券購入などの金融緩和により、株式をはじめリスク資産がすっかり高騰している一方、預金口座やCD は、ほぼ金利が付かない状況が続いています。こんな状況下、預金口座などにある余剰資金を置いておくのにおすすめなのが、インフレに連動したアメリカ国債関連の商品です。中でも、現在注目を集めているのが、Series I Savings Bonds と呼ばれる、安全な預金型のアメリカ国債で、現在、利率は、なんと 7.12% となっています。



インフレ連動型 アメリカ国債

インフレ連動型のアメリカ国債は、主に、2種類あります。半年毎に、インフレ率に連動し、利率が変動する預金的な商品の Series I-Savings Bond、元本がインフレ率により変動し、通常の国債のように、オークションやマーケットで取引することができる、TIPS (Treasury Inflation-Protected Securities) です。

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Series I Savings Bond

インフレが続く現在、7.12% と高利率となり、特に注目を集めている、I-Savings Bond について詳しく紹介します。

銀行の預金口座にお金を置いておいても利子が低くほとんど増えない中、高金利にすることができるのが I-Savings Bond です。
I-Savings Bond は、銀行預金の余剰資金を単純に移動させ、高いインフレ率に連動した高金利の利子が得られます。

I-Savings Bond を購入する条件

I-Savings Bond の利率は、固定金利 + インフレ率 (CPI) で、現在の利率は、固定金利部分は、0% ですが、インフレ率部分により、7.12% となり、預金口座やCDより圧倒的に高い利率となっています。ただし、購入できるのは、アメリカ市民やアメリカ在住者などソーシャルセキュリティーナンバー (SSN) を持っている人に限られ、一年間に購入できる金額は、一人当たり、$10000 までとなります。また、$10000 の上限とは別に、タックスリターンの返金時に、$5000 まで購入することが可能です。

I-Savings Bond 利率

I-Savings Bond の利率は、毎年5月と11月に決定され、今だと最初の半年間は、昨年の11月に設定された、7.12% です。残りの半年間は、今年の5月に CPI に基づいた新たな利率となります。仮に後半の利率がゼロとなったとしても、年利3.56% は確定させることができます。今年の4月までに購入すれば、最初の半年間の利率は、7.12% となります。I Savings Bond の現在の利率の詳細は、こちら です。

I-Savings Bond 引き出せない期間

I-Savings Bond は、一年間は引き出しができないという制約があります。
一年後から引き出すことが可能となりますが、5年以内の引き出しの場合は、ペナルティとして、引き出し前の三ヵ月分の利子が差し引かれます。

I-Savings Bond デフレの場合

I-Savigs Bond は、インフレ連動国債ですが、仮に、デフレが起こったとしても利率がゼロを下回ることがないのがメリットです。
今は利率が高いですが、その後もし、デフレになるなど利率がゼロ近くまで下がるようなことがあった場合は、もっといい投資先を求めて引き上げればいいと思います。

I-Savings Bond 税金

I-Savigs Bond による金利収入は、他のアメリカ国債同様、連邦政府レベルでは、税金がかかりますが、州や地方政府レベルでは、税金はかかりません。
通常、金利収入は、毎年税金の対象となりますが、I-Savigs Bond では、税金を払うタイミングが選べます。I-Savigs Bond は、ゼロクーポンの形態で、利子が元本に付け足されるため、タックスリターンでは、毎年払う (accrual) か、または、引き出し時払い (cash) かのどちらかを選択することができます。
金利収入部分を教育に使用した場合は、連邦政府の税金も免除になるという特例もあります。

I-Savings Bond 購入方法

I-Savings Bond は、アメリカ財務省が運営する、TreasuryDirect (www.treasurydirect.gov) でのみ購入できます。例外は、タックスリターンの返金時に購入する場合で、紙の債券が送られて来ます。紙の債券は、後に、TreasuryDirect の口座に統合することも可能です。
TreasuryDirect のサイトは、一昔前の雰囲気のUIで、少し心配なのですが、セキュリティはしっかりしていて、様々なアメリカ国債関連の情報も詳しく紹介されていて、購入が可能です。簡単にアカウントを作ることができ、すぐに購入できます。



TIPS

I-Savins Bond は、401K や IRA などでは、購入できません。個人年金やまとまった資金をインフレ連動債で運用したい場合に便利なのが、TIPS です。
TIPS (Treasury Inflation-Protected Securities) は、元本部分が、CPIに連動し、インフレ時には増加し、デフレ時には減少する国債で、通常の国債に近い形で、実際のオークションで初値が決められる他、いつでも市場で取引することが可能となっています。預金のように、適当に資金を移動し、ほったらかしにしておくというよりは、市場の動向に注目し続ける必要があります。TIPS は、TreasuryDirect の他、証券会社の口座などでも購入できます。TIPS は、元本部分が、インフレに連動して変動する一方、利率は一定で、現在は、マイナス金利が続いていることもあり、売買のタイミングを計らない、短期の預金的な利用には、あまり向かないかもしれません。

Series EE Savings Bonds

長期的な預金用には、Series EE Savings Bonds があり、固定金利で、実際のインフレ連動というわけではありませんが、20年間保有すると額面が2倍になることが保証されています。20年間以上保有する場合は、メリットがあります。

様々なものの価格の変動が激しく、なかなか将来の動向を予測することは、難しいですが、現在の低金利と高インフレ率を考えると、I-Savings Bond は、安全かつ高利率で、あまりマーケットウォッチの必要性のない余剰資金の運用先と言えると思います。

アメリカ インフレ率7%!1982年以来の消費者物価指数 CPI 上昇

I Savings Bond って何?インフレ時におすすめ 現在年利7.12% 預金的に使えるインフレ連動アメリカ国債 was last modified: 5月 4th, 2022 by mikissh