ロサンゼルスには、アメリカ西部最大の美術館、ロサンゼルスカウンティー美術館 (Los Angeles County Museum of Art) があります。ミュージアムのインスタ映えスポット No1 はおそらくここ、街灯がずらりと並ぶ印象的なパブリックアートです。LACMA は、7つもの建物からなり、その場所柄、強みである中南米やスペインなどのラテン系アートをはじめ、世界中の様々な時代と地域のアートのコレクションを誇る見どころの多い美術館です。
現在、常設展の他に注目な特別展、有名画家シャガールがオペラやバレエの舞台デザイナーとして活躍した時の作品を集めた珍しい特別展、Chagall: Fantasies for the Stage も行われています。
ロサンゼルス郡美術館
ヤシの木と赤を基調とした建物で、とても南国感溢れる雰囲気のミュージアムです。ミュージアム周辺を含め、ロサンゼルスは、かつて、スペインが街を築いた場所と言うことで、ペルーのリマ、チリのサンチアゴのような雰囲気を感じさせます。
ロサンゼルスカウンティー美術館 (Los Angeles County Museum of Art) は、歴史、科学、アートなどを含めた全般的なミュージアムとしては、1910年まで遡ることができるそうですが、現在の場所に美術館として設立されたのは、1961年で、現在では、アメリカ西部で最大の美術館となっています。
その周囲には、現在でも化石の発掘の続けられている自然歴史博物館 La Brea Tar Pits and Museum や 珍しい自動車の揃った自動車ミュージアムの Petersen Automotive Museum などもあり、LACMA も7棟もの建物から成る巨大なミュージアムとなっています。
シャガールの特別展 “Fantasies for the Stage”
ヤシの木に囲まれた赤い廊下を渡っていくと、その先には、現在開催されている珍しい特別展、シャガールの “Chagall: Fantasies for the Stage” が開催されている特別展の建物、Resnick Pavilion に到着します。
マーク・シャガール(Mark Chagall)は、ロシア出身のフランス人アーティストですが、1940年代の大部分はアメリカで過ごしました。アメリカ時代には、メトロポリタンオペラなどで舞台デザイナーとしても活躍していました。
最初見た瞬間、驚く人も多いかもしれませんが、このシャガールの特別展の作品はかなり珍しい物ばかりです。シャガールと言えば絵画、そしてステンドグラスが思い浮かびますが、この展示では、舞台衣装が中心となっています。
こちらは、バレエの THE FIREBIRD(1945)のコスチュームです。
こちらは、オペラ魔笛 (THE MAGIC FLUTE 1967) の衣装です。
ニューヨークのメトロポリタンオペラでは『魔笛 (The Magic Flute)』の舞台と衣装デザインを手掛けました。
シャガールの特別展 “Chagall: Fantasies for the Stage” は、2018年1月7日まで開催です。ホリデーシーズンにロサンゼルスで過ごす人は是非訪れてみてください。
また、特別展館の Resnick Pavilion では “Found in Translation: Design in California and Mexico, 1915–1985” と言う、カリフォルニアとメキシコのデザインをテーマとした特別展も行われています。スペインの影響の強い面白いデザインが見られます。
当時の旅行のPRポスターなども展示されていました。
巨匠の作品が並ぶ西洋美術
中心にある最も大きな建物、Ahmanson Building では、中世から現代にかけての西洋アートが展示されています。中世のヨーロッパ宗教アートから、印象派までヨーロッパアート、また著名なモダンアートの作品が幅広く紹介されており、一番の見どころとなっています。
ピカソの青の時代の作品 “Portrait of Sebastia Juñer Vidal”。
マティスの作品 “Tea”。
神様や悪魔をテーマとした中世ヨーロッパアートもパワフルな作品がいっぱいです。
バレリーナの絵を描くことで有名なドガですが、こんな彫刻の数々も残しています。
優しい色使いと世界感のルノアールの作品も数あります。
美しい装飾品のコレクションも目を見張るものがあります。
ヘンリ・ムーア。
ピカソの楽しい彫刻作品も。
モディリアーニ。
ニューヨークのクロイスターズを彷彿とさせるような騎士と宗教がモチーフとなった中世ヨーロッパアートのお部屋も多くあります。
LAらしい巨大なビリヤードボールの向こうには、ウォーホール、リキテンシュタインなど著名なコンテンポラリーアーティストの作品が並んでいて、ニューヨークのMOMAのような雰囲気のお部屋もあります。
コンテンポラリーアート
特別展会場、Resnick Pavilion の隣の建物が、Broad Contemporary Museum (BCAM) と呼ばれる建物です。ロサンゼルスの大行列ができる話題の美術館となっている The Broad のブロードさんの寄付により建てられたものです。ラテン系アーティストのコンテンポラリーアートが数多く展示されていました。
“A Universal History of Infamy” と題されたラテン系アーティスト達による共同作品。
“Playing with Fire: Paintings by Carlos Almaraz”。巨大なキャンパスと色使いが印象的なLAのアーティスト、Carlos Almaraz さんの特別展も行われていました。
アメリカンアート
“Art of the Americas Building” は、古代から現代まで、アメリカ大陸におけるアートの展示がされています。LAと言う場所柄、よりラテンアメリカに焦点が当てられています。
メソアメリカの古代文明の遺品や、
植民地時代のスペイン風アートが、
対照的に並べられているのが印象的です。
現代アートと中世宗教アートの新旧アートも隣の部屋同士で展示されています。
日本へ旅行で行ってインスパイアされたのかな、と思われる、日本をテーマにしたかっこいいアートの数々も印象的で素敵でした。
一枚で作品を完結せず、たくさん並んでひとつの作品になるような、こういうアートも面白いです。
美しい和の芸術が並ぶ日本美術
ロサンゼルスカウンティー美術館には、日本美術に特化した Pavilion for Japanese Art という建物もあります。少し時代を感じさせる建物ですが、一番上かららせん上に降りてくると全ての作品を鑑賞できるようになっていて、豪華な作品を楽しむことができます。
日本の古代史を象徴する縄文式時、埴輪、銅鐸、仏像など典型的な遺品が展示されています。
美しい屏風。
美しい繊細なデザインの花瓶など、様々な美しい和の工芸品や水墨画の作品などが展示されています。
この他、中国と韓国のアートの建物もあります。
ロサンゼルスカウンティー美術館は、ニューヨークをはじめとした、アメリカ東部とはまた違った雰囲気のラテンの影響を感じる美術館です。かなり広い美術館なので、見学の所要時間は、約半日ほどは必要です。ゆっくり見て回ると一日過ごすことも出来ます。
ロサンゼルス・カウンティ美術館
Los Angeles County Museum of Art (LACMA)
5905 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036 MAP
ロサンゼルスのおすすめの見どころ、グルメはこちらです。