ニーマンマーカスも J. Crew に続きコロナ破綻!チャプター11申請 再建へ

Neiman Marcus Hudson Yards (33)

新型コロナウイルス対策により、アメリカ経済がストップしてから2ヶ月ほど経ち、多くのビジネスに影響が出てきています。数日前の J. Crew の破綻 に続き、ニューヨークの最新スポット、ハドソンヤードに昨年登場したばかりのアメリカの高級デパート、ニーマンマーカス (Neiman Marcus) もついに経営破綻です。連邦倒産法第11章 (Chapter 11) を申請し、$675 million の新規ファイナンスを確保し、再建を行っていくことを発表しました。

コロナで自宅待機がはじまり、かなり早い時期から破綻の話が聞こえていた、ニーマンマーカスがついにチャプター11を申請し、再建することを発表しました。ニーマンマーカスは、全米各地に展開する高級デパートで、日本人に馴染み深い オアフ島、ホノルル のアラモアナショッピングセンターにもお店がありますが、昨年、ニューヨークにオープンしたばかりの最新スポット、ハドソンヤードにもアンカーテナントとしてお店が入っています。

Hudson Yards Vessel (14)

ニーマンマーカスの再建策の詳細は、こちら(PDF) で発表されていますが、再建用に、$675 Million、再建後に追加で、$750 Million のローンを確保し、既存の債務総額 40億ドルについては、株式に変換され、帳消しとなる模様です。

ニーマンマーカス (Neiman Marcus) は、1907年、テキサス州ダラスで創業した高級デパートで、テキサスの石油ブームと共に急成長を遂げます。20世紀前半の成長の軌跡は、こちら の映像で詳しく紹介されています。

21世紀に入り、ニーマンマーカスは創業者一家の手を離れていくのですが、2005年には、プライベートエクイティの TPG と Warburg Pincus に、買収され、さらに 2013年、別のプライベートエクイティファーム、Ares Management と The Canada Pension Plan Investment Board により、買収され、現在に至ります。
この時の買収が、レバレッジバイアウト (LBO) という手法で、ニーマンマーカスの企業資産とキャッシュフローを元に借金されたため、買収後に、ニーマンマーカスに巨額の借金が残ることになりました。

Neiman Marcus Hudson Yards (1)

数日前に破綻した J. Crew も同じで、プライベートエクイティ会社によって、レバレッジバイアウト (LBO) で買収されたため、それに伴う莫大な借金が足枷となっていました。

Jクルー コロナ破綻!ついにアメリカ大手リテール初のチャプター11申請

ニーマンマーカスは、ニーマンマーカスの他、ニューヨークの老舗デパート、Bergdorf Goodmanアウトレット店の Last Call なども所有しています。

ニーマンマーカスは、再建のため、いくつかの店舗は閉鎖されますが、ハドソンヤードのニーマンマーカスをはじめ、大部分の店舗は、これまでどおり営業が継続されそうです。5月31日以降、それぞれの地域で経済再開次第、順次再オープンしていくようです。

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ハドソンヤードは、ニューヨークの最新スポットとして昨年から大変話題になっていた場所で、詳しくはこちらで紹介しています。

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他の高級デパートの動向も気になりますが、ニューヨークにもフラッグシップ店が登場したばかりの ノードストローム は、16店舗の閉鎖を発表しています。詳細は、こちらです。
コロナによりラグジュアリーリテール業界は大きく変わって行くと思われますが、コンサル業界などにとってはビジネスチャンスということで、色々と分析が行われています。例えば、こちら は、マッキンゼー (McKinsey) のレポートですが、業務モデルの変革や M&A などが述べられています。

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