ワシントンDCは、さすがアメリカの首都だというだけあり、素晴らしい美術館や博物館にとても恵まれています。どれも見逃すことができないほど充実したミュージアムばかりなのですが、その中のひとつ、ワシントンDCにしかない変り種のミュージアムとして、メディアの博物館「ニュージアム (Newseum)」 というミュージアムがあります。このニュージアム (Newseum) は、アメリカを中心とした世界のニュース、メディアについてのミュージアムで、ジャーナリストはもちろん、毎日色々な形でニュースに接している全ての人にとっても楽しめる、見どころ満載のミュージアムになっています。新聞などの紙面の形のメディアだけではありません、現代のメディア、映像も多く扱い、ベルリンの壁など、世界的にインパクトのあった歴史的なできごとの遺産の展示もされていて驚かされます。
ニュージアム (Newseum) は、2008年に、ワシントンDCの中心部、ナショナルギャラリー (National Gallery of Art) の向かいにある、ペンシルバニアアベニュー沿いにオープンした比較的新しいミュージアムです。周囲の建築様式とは異なり、モダンで一際目立つ建物です。表現の自由、そして1791年以来、First Amendmentで保障されている、宗教や言論、報道、請願、団結の自由について深く知ってもらうことを目的としているそうです。
とてもわかりやすく構成されているミュージアムで、まず、スタート前にオリエンテーションとなるニュージアムのみどころを紹介した映像をみます。それで、大体のみどころをつかむことができます。
オリエンテーションで紹介されていた 4D ムービーが楽しそうだったので行ってみました。 Annenberg シアターの4Dムービーは、4D 用のメガネをかけてみる映像で、目の前に色々ものが飛んでくる錯覚をみたり、椅子に衝撃があったり、風を感じたりする 4D ムービーでまるでアトラクションのようなので人気でした。今回の 4D ムービーは 19 世紀の女性報道記者が精神病院に潜入取材するという衝撃の内容のムービーでした。
ニュージアム (Newseum) の展示で印象的だったもののひとつは、「ベルリンの壁」です。そう、あの歴史的な本物のベルリンの壁の巨大な一部がこのミュージアムに運ばれてきていて展示されているのです。
ベルリンの壁を触ることができるようになっていて、子供たちにもフレンドリーなミュージアムです。
共産主義の東側のベルリンの壁は全く落書きのないコンクリート一色の壁。民主主義の西側のベルリンの壁は自由奔放な落書きだらけのにぎやかな壁。
東側のベルリンには、西側へ脱出を試みる者の見張りの塔もありました。
こちらのビデオで、ベルリンの壁の崩壊時の様子が見ることができます。
現在、日常的になくてはならない情報源になっているインターネットやテレビ、ラジオなどのメディアも。
言論の自由が守られている国の世界地図です。この地図を見て驚いたのは、世界中の国の中で完全な言論の自由が守られている国というのは実は思っているよりも少ないのだということです。緑色の国が自由の国です。アメリカやカナダ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国が自由の国です。アジアではなんと日本だけ?!
ブラジルなど黄色の国は一部自由とされている国で、中国などのピンクの国は自由ではない国です。
4階フロアにある、9/11ギャラリー。ワールドトレードセンターの北棟の先端にあったアンテナ部分が展示されています。
9.11の当日の様子の映像がみられるのですが、さすがメディアのミュージアムなだけあり、今まで見たことがある映像の中でも、一番臨場感のある映像です。ワールドトレードセンターが上からガラガラと総崩れになっていく瞬間の様子や、逃げ延びてきた人々の心境もレポートした心に響く衝撃の映像です。
9.11のテロ事件が一面に載ったときの色々な言語の新聞が展示されています。
ベトナム戦争時、命がけのジャーナリストたちが残した真実の様子もみられる展示コーナーもあります。
巨大なスクリーンでみる、真実のベトナム戦争時の映像。
News Corp.ニュースの歴史ギャラリーというニュージアム最大の展示室があり、ここでは、5世紀以上分のニュース収集の歴史について解説されています。300以上もの歴史上の有名な一面記事が集められていて、かなりすごいコレクションです。みんなが最も注目して、夢中でみていた展示のひとつだったように思います。また様々なテーマの映像などもありふらりと立寄ってみられるよう、あちらこちらに映像スペースがありました。
最上階6階は、「Greenspun テラス」というオープンな屋上になっていて、ワシントンの眺望、ペンシルベニア通りを見渡すことができます。
ワシントンDCには展望台のような場所はモニュメントくらいしかないので、めずらしいオープンな展望台です。
“Inside Today’s FBI” という特集展示。タイムズスクエアの爆弾事件時に使われた車とその中身の様子、どうやって事件が発覚したのか、など当時の様子を鮮明に展示しています。
Pulitzer賞写真ギャラリー ジャーナリズムで最も権威ある写真賞、プリツァー賞の受賞作品が一同に集まるギャラリーがあります。歴史、そして心に残る瞬間の写真が並ぶこの空間、写真が好きな人には興味深い展示です。
ニュージアムは、毎日アメリカの50州すべての新聞に加え、世界中の新聞を集めているそうで、ミュージアムの入り口にもその日の一面記事が展示されています。
こちらのビデオでは、そんな毎朝のトップ記事の並べ替え作業も含め、ミュージアムの典型的な一日の様子がいきいきと描かれています。
このニュージアム (Newseum) には、たくさんのテーマの映像があり、それらも含めてじっくり見ていると半日があっというまに過ぎてしまうミュージアムです。
時間が足りなかった場合は、翌日、受付で前日のチケットを提示すれば、再度入館もできます。
ニュージアム Newseum
555 Pennsylvania Ave., N.W., Washington, DC, 20001 MAP
2019年いっぱいでミュージアムは閉館となりました。
Newseum チケット料金
大人 (19 to 64) $22.95 plus tax
シニア (65 and older) $18.95 plus tax
子供 (7 to 18) $13.95 plus tax
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