アメリカ 空港や飛行機 マスク義務化終了 違法判決を受けて

アメリカでは、昨日、これまで空港や機内など公共交通機関で課されて来た、CDC(疾病対策予防センター)によるマスク着用義務が、フロリダの連邦地方裁判所で、違法という判決が下されたことを受け、TSAや航空会社は、空港や機内でのマスクの着用義務を終了することを発表しました。ただし、マスク着用義務の終了は、アメリカ全体で一律ではなく、地方政府や交通機関などに判断が委ねられています。例えば、ニューヨークの地下鉄などを管轄しているMTAでは、今後もマスク着用義務を継続することを発表しています。

アメリカでは、2020年から急遽はじまったパンデミックを通じ、マスクに関する評価や公衆衛生上のメッセージが大きく変化し、現在では、多くの人が、周囲の状況に応じて、自然にマスクを着用するようになっています。2021年1月以来、空港や機内などの公共交通機関では、アメリカの公衆衛生で大きな影響力を持つ CDC により、マスク着用が義務化されていました。もともと4月中旬までがマスク着用義務の終了期限となっていましたが、15日間延長され、5月3日までマスク着用義務が続くことになっていました。とは言え、最近では、地下鉄などでマスクをしていない人も、以前と比べるとよく見かけるようになって来ています。

そんな中、昨日、4月18日、フロリダの連邦地方裁判所で、35歳の若手女性判事、Kathryn Kimball Mizelle さんにより、CDCによるマスク着用義務が権限の範囲を超え、違法という判決(PDF)が下されたのです。一足早く、空港や機内などでのマスク着用義務はこれで終了となります。空港のセキュリティなどを担っている TSAAmericanUnitedDeltaJetBlue をはじめアメリカ系航空会社は揃って、マスク着用義務を終了し、つけたい人だけがマスクをするというオプショナルとすることを発表しています。また、Uber もマスク着用は、必須ではなくなります。

ただし、CDCによる 公共交通機関でのマスク着用推奨 は、まだ継続されており、今後、司法省が控訴する可能性もあります。アメリカの全ての交通機関で、マスク着用義務が一律に終了するわけではなく、それぞれの交通機関に判断が委ねられることになっているので、マスク着用義務を継続するところもあります。
都市の交通機関などでもマスク着用義務を終了するところも出て来ていますが、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルスなど大都市の交通機関では、マスク着用ルールを継続することを発表しています。

ニューヨークの公共交通機関のマスク着用義務はどうなるでしょうか?
ニューヨークでは、MTA、Metro North、LIRR、フェリー、ポートオーソリティ管轄下のバスターミナル、ワールドトレードセンター、JFK、ラガーディア、PATH など多くの公共交通機関でマスク着用ルールが継続されます。ニュージャージー州のニューアーク空港や NJ Transit では、マスク着用は、オプショナルとなります。

マスクを着用したい人は今まで通りマスクをし続け、マスクをしない人も、一応しばらくは、必要に応じて、マスクを着用できるように携帯しておくのがいいかと思います。

新型コロナによるパンデミックがはじまってから2年が経過し、大多数の人が、ワクチン接種と自然感染により、ある程度の免疫を獲得していると思います。これからは、パンデミックの状況を終了させ、インフルエンザなどと同様の存在としていくために、どこかのタイミングで今までの特別の行動様式を元に戻していかないといけないと思いますが、アメリカの飛行機でのマスク着用義務の終了は、そんな一つのきっかけと言えるかもしれません。
おそらく感染者はまた増えることになるかもしれません。必要に応じて自主的にマスクを着用するなり、個人的な衛生管理がより大切になります。

海外からアメリカへのフライトの際の事前検査による陰性証明提示は、まだ継続されています。

アメリカ 空港や飛行機 マスク義務化終了 違法判決を受けて was last modified: 4月 19th, 2022 by mikissh