メトロポリタン美術館 2024年冬のファッション展 Women Dressing Women 著名女性デザイナーの作品が大集合!

メトロポリタン美術館では、20世紀以降の女性デザイナーによるファッションをテーマにしたファッション展、Women Dressing Women が開催されています。もともとは、アメリカの憲法で女性の参政権が保障されてから100周年目となる2020年に予定されていた展示なのですが、延期になり、2023年12月からはじまった企画展です。メットのファッション部門、コスチュームインスティテュートのコレクションの中から70名以上の女性デザイナーによる80点以上もの作品が展示され、見応えのある展示となっています。

メトロポリタン美術館のファッション展と言えば、世界的に注目を集めるメットガーラ後にオープンする春から夏にかけてのファッション展が有名ですが、冬も、小規模ながら個性的なテーマのファッション展が行われています。ファッション好きの人は、メトロポリタン美術館を訪れたら覗いてみるのも楽しいと思います。
現在、開催されているのは、20世紀以降の70人以上もの女性ファッションデザイナーをフィーチャーしたファッション展、Women Dressing Women です。2023年12月からはじまり 2024年3月3日まで、古代エジプトギャラリーの地下にあるコスチュームインスティテュートのギャラリーで行われています。

ニューヨークでは、最近、あらゆるミュージアムなどで、女性をテーマとした特別展がとても多く開催されていて、どこも女性たちがたくさんやって来ていますが、今回のメットのファッション展も女性の姿がとても目立っていました。
作品は、おおまかに時系列順で展示されています。20世紀以降のファッション業界の変遷に関連し、匿名性 (ANONYMITY)、可視性 (VISIBILITY)、ブランド (AGENCY)、欠如 (ABSENCE/OMISSION) の4つのサブテーマをもとにキュレートされています。

ファッション業界が大きな発展を遂げたのが、第一次世界大戦後の復興期で急速な経済成長が起こった、Roaring 20’s と呼ばれる1920年代で、そんな時代のファッションからスタートします。

当時のファッションの中心は、世界の文化の中心だったフランスのパリでした。フランスでは、なんと17世紀から服飾分野で女性ギルドが存在し、その後も多くの女性が服飾業界に関わって来たこともあり、ファッション業界が急成長を遂げた 1920‐30年代に多くの著名女性デザイナーを輩出しています。この時期の展示されている作品は、ほとんどがフランス、または古くからの手工芸の伝統があり、パリにも近いイタリアのファッションデザイナーによるものです。

地下のギャラリーの入口正面には、1920-30年代を代表する女性ファッションデザイナーの作品が展示されています。
手前は、ココ・シャネル (Coco Chanel) として知られる Gabrielle Chanelさんの 1938–39年のドレス、奥は、Madeleine Vionnetさんの 1924-25年のドレス。中央には、Elsa Schiaparelliさんの作品が飾られています。

Elsa Schiaparelli さんは、イタリア人で、パリを拠点にブランド、Schiaparelli を展開していました。ダリとのコラボのロブスタードレスがよく知られています。こちらは、1937–38年の存在感のある美しいドレスです。

こちらの中央のドレスは、Cyclone と名付けられた Jeanne Lanvin さんデザインによる Lanvin の豪華な1939年のドレスです。

こちらは、Roaring 20’s、アールデコ風の着物のようなヴェールのようで存在感があります。イタリア人デザイナー、Maria Monaci Gallenga さんの 1925年の作品、Theodosia。

こちらも今でもそのまま着れそうな、Delphosと呼ばれる、繊細なドレープが印象的なアールデコ風のとても美しいガウン。フランス人女性、Henriette Negrin さんと、スペイン人男性、Mariano Fortuny さんのカップルによるイタリアブランド、Fortuny Italian の 1932年頃の作品です。

第二次世界大戦以降は、ハイファッションの主流だったオートクチュールとは異なるプレタポルテ、Ready-to-wear で、アメリカのファッション業界も盛り上がっていきます。
中央は、当時のアメリカファッションの代表的存在の一人、様々な場面で気軽に着ることができる、ポップオーバードレスで知られる、クレア・マッカーデル (Claire McCardell) さんの 1945年のドレス、Future。
左は、Hattie Carnegie さんの 1949年のドレスで、Pauline Potter によるデザインとされています

最近では、黒人女性ファッションデザイナーも増えて来ていますが、以前は、とても少数派でした。そんなアフリカ系アメリカ人女性ファッションデザイナーで名が知られているのが、ケネディ夫人が結婚式に着たウエディングドレスをデザインした Ann Lowe さんです。
こちらは、Ann Lowe さんのデザインの1968年のドレスです。

1970年代頃から日本のデザイナーさんも世界に顔を並べるようになります。
中央は、Hanae Mori さんによるデザインの浮世絵や日本画が描かれた着物風のドレス。周辺には、1970-90年頃の Sonia Rykiel、Donna Karan、Vivienne Tam さんたちの作品が展示されています。コムデギャルソンの川久保玲さんの作品もあります。

政治的なTシャツで知られる Katharine Hamnett、Jean Muir、Georgina Godley さんら80年代の雰囲気のイギリスの女性ファッションデザイナーの作品もあります。

近年では、女性が、男性が創業したブランドのクリエイティブディレクターに選ばれることも多くなって来ています。左の豪華なドレスは、2010年から2023年まで、Alexander McQueen のクリエイティブディレクターだった Sarah Burtonさんがデザインしたものです。

2016年からディオール初の女性クリエイティブディレクターを務めているのは、イタリア人女性ファッションデザイナーの Maria Grazia Chiuri さん。デビューした2017年のコレクションでは、フェンシングをテーマにしたファッションで驚かされましたが、そんなコレクションの一着が飾られています

Marine Serre の着物のような質感の面白い素材の作品、障害者用のジャンプスーツ、ディオールの民族衣装風ドレスなど様々な層向けの多種多様なファッションが登場しています。

近年、プラスサイズが流行となっていましたが、こちらは、ベルギーのブランド、Ester Manas の 2022年のドレスです。

こちらは、ハイライト動画です。

昨年2023年春から夏にかけては、シャネルやフェンディなどでクリエイティブディレクターを務めた、カール・ラガーフェルドの特別展が開催されました。

メトロポリタン美術館 ファッション展 2023!シャネル フェンディで知られるカールラガーフェルド特別展 A Line of Beauty

今年2024年のメットガーラと春から夏にかけての特別展のテーマは、Sleeping Beauties: Reawakening Fashion です。とても面白そうなので楽しみです。

メトロポリタン美術館の基本情報はこちらです。

メトロポリタン美術館 見どころ有名作品 完全攻略法

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